寄生虫には多くの種類がありますが、大きく分類すると胃や腸など体の内部に寄生する内部寄生虫と皮膚や耳など体表に寄生する外部寄生虫に分けることができます。
この季節はノミやダニ・マダニなど犬や猫にとってやっかいな外部寄生虫の動きが活発になる季節です。寄生されると痒みの原因になるだけでなく、皮膚病の原因になったり、様々な病気を媒介したりします。
毎日、愛犬・愛猫の体を触って、毛が抜けているところがないか、一部分だけ赤くなっているところがないかなど、よくみておきましょう。耳の中や首の周り・お腹なども要チェックです。
「たかがノミくらいで・・・」と安易に考えたりしていませんか?もし、ノミやダニの寄生がみられたら、安易に市販の薬品や駆除剤を使用せずに、総合的な治療と駆除、予防について動物病院で相談してください。
犬フィラリア症は、感染した犬から直接他の犬に感染せず、蚊が感染を媒介しています。
蚊が吸血する時、同時に「フィラリア」という寄生虫の幼虫を犬にうつします。そのフィラリアの幼虫が皮下組織で育った後、心臓内や肺動脈に入りこんで成虫となり(長さ15~25センチ位のそうめん状の虫になります)全身にわたって深刻な症状を引き起こします。
感染すると次第に元気がなくなる(散歩に行きたがらない、運動を嫌がる)、食欲がなくなる、などの症状がみられるようになり、セキをよくする、腹水がたまってくる(お腹が膨れてくる)、貧血・失神するなどの症状を呈して、死に至る確率の高いとても恐ろしい病気です。
犬フィラリア症は蚊を伝染媒体にしているため、蚊の発生時期に合わせて予防します。
予防薬は、犬が蚊に刺されないようにするための薬ではありません。犬の体内にフィラリアの幼虫が入ってしまっても成虫になって心臓に寄生してしまう前に駆除し予防する働きがあります。
予防薬には月に1回飲ませる錠剤タイプ、チュアブルタイプ、スポットタイプ(首の後ろ部分に液状の薬を垂らす滴下式で、ノミの成虫駆除にも効果があります)などの予防薬が動物病院では用意されています。いずれも獣医師とよく相談して、予防を始める前には動物病院で必ず血液検査をしてもらってください。
地域によって若干の差はありますが、蚊が見られなくなってからも1~2ヵ月間(11月~12月頃まで)は、継続した予防が必要です。
動物病院でよく相談し、適切な予防の実施で犬フィラリア症から愛犬を守ってあげましょう。
錠剤タイプ・チュアブルタイプ(おやつタイプ)、スポット(滴下式)タイプなどの予防薬を適切に投与して犬フィラリア症を予防する。
提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)
【こちらの記事も読まれています】
>犬が吐く理由は?犬の嘔吐の原因や対処法、子犬の嘔吐について獣医師が解説
>【獣医師監修】「猫が撫でられるとうれしいポイントと絆を深めるコミュニケーション術」
>犬の咳、くしゃみ、鼻水の原因とは?考えられる病気と対処法を獣医師が解説!
>猫に好かれる人・嫌われる人の行動や特徴とは?
>犬同士が仲良しの時に見せる行動・サインって何?