野菜や果物、キノコ類などに豊富に含まれる食物繊維には、食欲を抑制する作用があることをご存知でしたか?他にも、食物繊維にはダイエットに嬉しい効果がたくさんあるんです。そこで今回は、食物繊維の効果的な摂り方について、減量外来ドクターの工藤 孝文(くどう たかふみ)先生に詳しく教えてもらいました。
食物繊維で食欲を抑制する!
ダイエット中に積極的に摂ってほしいのが、食物繊維です。食物繊維というと便秘解消に効果があり腸内環境に良いというイメージがあるかと思いますが、それ以上にダイエットにおいて重要な役割を果たしてくれています。
それが、食欲を抑制するということ。
太ってしまうのは摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうから。反対に、摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やせば脂肪を減らし、痩せることができます。そこで重要になってくるのが、いかに食欲をコントロールするかですよね。
食欲に負けず、ぐっと我慢すれば痩せられます!しかし、なかなかそれが難しいというのは、誰もが感じていることではないでしょうか。強い意志を持っていたつもりでも、空腹を感じてしまうとやはり食べてしまったりします。そこで役立つのが食物繊維。食物繊維の豊富な食べ物を食べると、食欲が自然と落ち着いていきます。
食物繊維で食欲が収まる理由
私たちが食べた食べ物は、胃や小腸で消化酵素によって消化されていきますが、食物繊維は人の消化酵素では消化できません。そこが他の食材とは大きく異なる点です。
そのため、そのまま大腸に到達することになります。食物繊維が大腸に入ると、腸内細菌によって発酵され、分解されていきます。
このときに、「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」という物質が作り出されます。その中の酢酸が、食欲を抑える働きをしてくれることが研究からも分かっています。
ダイエット効果大。食物繊維のさまざまな働き
他にも、食物繊維にはダイエットに効果的なさまざまな働きがあります。
1、腸内環境を整える
食物繊維は善玉菌の餌となるので、腸内で善玉菌が増えやすくなります。腸内には悪玉菌、善玉菌、そして環境次第でどちらにもなり得る日和見菌が存在しますが、腸内環境を整えるには善玉菌を増やすのが有効。
食物繊維を摂ることで、腸内環境を改善することができます。腸内環境が整えば代謝が上がり痩せやすい体質に近づけます。
2、血糖値の上昇を抑制する
食後の血糖値の上昇は、脂肪を貯め込みやすくしたり、糖尿病のリスクを高めたりしてしまいます。食物繊維を食事の前に食べることで、食後の血糖値の上昇を抑制することができます。