SBI証券と楽天証券 どちらで開設する?
(画像=fuelle編集部)

手数料が手数料が安いネット証券の中でも「SBI証券」「楽天証券」が特に人気です。どちらで口座を開設すべきか迷っている方もいるでしょう。

両社のサービスやメリットを徹底比較するので、口座開設で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • SBI証券に向いている人は、IPO(新規上場株)に興味がある人や海外株への投資に興味がある人
  • 楽天証券に向いている人は、投資信託での運用を考えている人や楽天ポイントを貯めている人
  • 両社で迷った場合は、SBI証券と楽天証券を両方開設して使い分けて運用してもOK
  • SBI証券のメリットは「IPOの取り扱いがトップクラス」なことや「商品の取り扱い本数が多い」こと
  • 楽天証券のメリットは「楽天ポイントが貯まる」ことや「ポイント投資の選択肢が多い」こと
  • SBI証券のデメリットは「IPOの競争率が高いこと」や「ポイント投資の対象が投資信託だけ」なこと
  • 楽天証券のデメリットは「単元未満株の取り扱いがない」ことや「IPOの実績が多くない」こと

ズバリ、SBI証券と楽天証券どちらがいい?

両社とも、実は基本サービスの充実度はほぼ互角です。とはいえもちろん違いや特徴もあります。その「違い」に着目してみましょう。



証券会社 SBI証券 楽天証券
手数料(税込) 【スタンダードプラン】
5万円:55円
10万円:99円
20万円:115円
【超割コース】
5万円:55円
10万円:99円
20万円:115円
外国株 9ヵ国 6ヵ国
投資信託 2,631本 2,666本
つみたてNISA 177本 179本
iDeCo 37本 32本
ポイント制度 Tポイント、Pontaポイント、
Vポイント、dポイント(※1)
楽天ポイント
(楽天証券ポイント)
銀行との連携 住信SBIネット銀行
優遇金利:0.001→0.01%
楽天銀行
優遇金利:0.02→0.1%(※2)
キャンペーン IPO投資で株式手数料
最大3,000円キャッシュバック
投資信託の購入で最大1万ポイント
(0.21円分)
公式サイト 公式サイト
※2022年2月16日時点
※1.2022年2月21日より
※2.2022年4月1日より300万円以下の部分は0.1%、その他は0.04%

SBI証券に向いている人、楽天証券に向いている人

証券会社の「強み」を見極めて「自分にはどちらが向いているのか」という視点で選ぶと、自分にとってのベストな会社が選べます。

SBI証券が向いている人
  • IPO(新規上場株)に興味がある人
  • 海外株への投資に興味がある人
  • Tポイントを貯めている人
  • 住信SBIネット銀行を利用している人
楽天証券が向いている人
  • 投資信託での運用を考えている人
  • 楽天ポイントを貯めている人
  • 楽天銀行を利用している人

「各社の強み」と「自分のこだわりたいポイント」が合致するものの多い方が、自分が選ぶべき証券会社です。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

なんとなくでも、自分はどちらの証券会社を選ぶべきか方向性が見えてきたでしょうか。

SBI証券が向いていない人、楽天証券が向いていない人

反対に、それぞれの証券会社に向いていない人も紹介します。上述の「向いている人」と併せて、どちらで口座を開設するか決める際の参考にしてください。

SBI証券に向いていない人
  • 1つのアプリで日米の株式を取引したい人
  • 株式にポイント投資したい人
  • 自動売買(システムトレード)を行いたい人
楽天証券に向いていない人
  • 1株単位で取引したい人
  • 東証以外に札証や福証の上場銘柄も取引したい人
  • 債券にも投資したい人

それぞれの詳細は、後述する両社のデメリットで解説します。

\口座開設はこちら/

SBI証券で口座開設をする
(公式サイト)

楽天証券で口座開設をする
(公式サイト)

楽天証券・SBI証券、両方口座を開設して使い分けても良い

sbi,楽天,つみたてnisa
(画像=BRAD/stock.adobe.com)

“いいとこ取り”でSBI証券と楽天証券を使い分けて運用しても

証券会社の口座は複数持つことができます。SBI証券と楽天証券のどちらか1つではなく、両方の口座を開設することも可能です。

両方の口座があれば、有利な商品ごとに証券会社を切り替えることができます。たとえば「つみたてNISAはカード決済できる楽天証券」で、「IPOや海外株式へ投資するならSBI証券」といったように、両社のいいとこ取りで運用することができます。

特にIPOを重視する方は複数の口座を開設するメリットが大きいと言えるでしょう。IPOの抽選は証券会社ごとに行われるので、両社で抽選が行われる場合、抽選に2回参加できます。

NISAやiDeCoなどの優遇制度はどちらかを選ぶ必要がありますが、通常の株取引などで迷ったら両方で口座開設してもよいでしょう。

途中で証券会社の乗り換えもあり

口座をどちらかで開いた後で、もう片方へ乗り換えもできます。証券会社で買った商品は、そのまま別の証券会社へ移動可能です。この手続きを「移管」といいます。

なお「iDeCo(イデコ)」と「つみたてNISA」は移管のルールが異なります。iDeCoは金融機関の変更は可能ですが、いったん運用資産はすべて現金化されます(出金はできない)。その後、変更先で改めて運用商品を選び直します。

移換に係る手数料は多くの場合無料ですが、4000円程度かかる運営管理機関もありますので、ご利用されている金融機関の手数料の有無をご確認ください。

さらに、資産を移すために、2ヶ月程度かけてそれまで運用していた全商品をいったん売却して現金化を行い、変更先の運営管理機関が提示する運用商品を新たに購入するという手続きが行われることになりますので、マーケット変動により資産が目減りする(場合によっては増える)ことにも留意が必要です。

出典:確定拠出年金教育協会(iDeCoナビ) 運営管理機関の変更に費用はかかりますか?

つみたてNISAの場合、金融機関の変更ができるのは「新規投資枠」だけです。「すでに購入した商品」は移せません。どうしても片方の金融機関に統一したい場合は売却するか、または通常の課税口座へ払い出した後に移管して乗り換えましょう。

出典:金融庁「つみたてNISAの概要」

移管に関する手数料は以下の通りです。SBI証券、楽天証券ともに手数料は同じです。

【移管&金融機関変更の手数料】

SBI→楽天 楽天→SBI
株式 無料 無料
投資信託 1回1銘柄:3,300円 1回1銘柄:3,300円
iDeCo 4,400円 4,400円
つみたてNISA 移管できない 移管できない

証券会社を比較する際のチェックポイントは?

SBI証券・楽天証券に限らず、
証券会社を選ぶ際は次の3つのポイントを比較するといいでしょう。

sbi証券,楽天証券,どちら
(画像=fuelle編集部作成)


証券会社選びのチェックポイント1:手数料

手数料は証券会社ごとに異なります。商品の取引ごとに発生する手数料のほか、取引しなくても口座の管理手数料が掛かる証券会社もあります。

証券会社を選ぶときは、
できるだけ手数料が安い証券会社を選びましょう。

証券会社選びのチェックポイント2:商品数

投資できる商品は証券会社ごとに違います。商品数が少ないと投資のチャンスを逃しかねません。その証券会社がどのような商品を用意しているか、事前にしっかり確認しましょう。

証券会社選びのチェックポイント3:NISAなど優遇制度の充実度

投資では、より有利に運用できる優遇制度が用意されています。

用意されている優遇制度は主に3つあります。利益に税金が掛からなくなる「一般NISA(ニーサ)」と「つみたてNISA」、利益に税金が掛からないことに加えさらに投資額が全額所得控除になり給与の手取りが増える「iDeCo(イデコ)」です。

できるだけ優遇制度を利用したほうが有利に運用できますが、すべての証券会社で3つの優遇制度を利用できるわけではありません。証券会社によっては利用できない優遇制度もあるので、事前に確認しておきましょう。

おすすめの証券会社5社を比較

上述した3つのチェックポイントについて、おすすめの証券会社5社を比較してみましょう。いずれも魅力がありますが、「取扱商品数」ではSBI証券と楽天証券が突出していますね。これは、両社が人気を集めている理由の一つでしょう。

SBI証券 楽天証券 松井証券 マネックス証券 auカブコム証券
手数料(※) 【株式手数料】
10万円:無料
30万円:無料
50万円:無料
100万円:無料
150万円:640円
【口座管理料】
無料
【株式手数料】
10万円:無料
30万円:無料
50万円:無料
100万円:無料
150万円:640円
【口座管理料】
無料
【株式手数料】
10万円:無料
30万円:無料
50万円:無料
100万円:1,100円
150万円:2,200円
【口座管理料】
無料
【株式手数料】
10万円:110円
30万円:275円
50万円:495円
100万円:1,100円
150万円:1,650円
【口座管理料】
無料
【株式手数料】
10万円:無料
30万円:無料
50万円:無料
100万円:無料
150万円:1,584円
【口座管理料】
無料
取扱商品数 【外国株式】
9ヵ国
【投資信託】
2,631本
【外国株式】
6ヵ国
【投資信託】
2,666本
【外国株式】
1ヵ国
【投資信託】
1,582本
【外国株式】
2ヵ国
【投資信託】
1,240本
【外国株式】
1ヵ国
【投資信託】
1,520本
優遇制度の
充実度
【一般NISA】

【つみたてNISA】

【iDeCo】
【一般NISA】

【つみたてNISA】

【iDeCo】
【一般NISA】

【つみたてNISA】

【iDeCo】 〇
【一般NISA】

【つみたてNISA】

【iDeCo】
【一般NISA】

【つみたてNISA】

【iDeCo】
ココが
おすすめ
IPO実績が豊富 ポイント投資
の対象が広い
ネット証券ながら
投資相談ができる
IPOが完全抽選方式 auユーザーは
手数料の割引あり
※株式手数料は最も安くなるよう計算
※2022年2月16日時点

SBI証券と楽天証券をさらに徹底比較!

両社を「項目ごと」に比較してみましょう。こうして並べて見ると、それぞれの特徴やメリットがさらに見えてくると思います。IPOの実績などは特に大きく違いがわかりますね。

比較項目 SBI証券 楽天証券
①口座数 603.6万口座
(2021年3月末時点)
SBIグループ:801.8万口座(※1)
(2021年12月末時点)
714.1万口座
(2021年12月末時点)
②手数料 【1取引ごとプラン】
5万円:55円
10万円:99円
20万円:115円
50万円:275円
100万円:535円
150万円:640円
3,000万円:1,013円
3,000万円超:1,070円

【定額系プラン】
100万円:0円
200万円:1,238円
300万円:1,691円
以降100万円ごとに:295円
【1取引ごとプラン】
5万円:55円
10万円:99円
20万円:115円
50万円:275円
100万円:535円
150万円:640円
3,000万円:1,013円
3,000万円超:1,070円

【定額系プラン】
100万円:0円
200万円:2,200円
300万円:3,300円
以降100万円ごとに:1,100円
③一般NISA 【取扱商品】
国内株式
外国株式
投資信託

【手数料無料の対象】
国内株式(売買)
外国ETF(買いのみ)
【取扱商品】
国内株式
外国株式
投資信託

【手数料無料の対象】
国内株式(売買)
外国ETF(買いのみ)
④つみたてNISA 177本 179本
⑤ iDeCo 37本

【内訳】
定期預金:1本
投資信託:36本
32本

【内訳】
定期預金:1本
投資信託:31本
⑥商品数 国内株式
海外株式
単元未満株
投資信託
貴金属
(金、プラチナなど)
FX
iDeCo(イデコ)
NISA(ニーサ)
国内株式
海外株式
投資信託
貴金属
(金、プラチナなど)
FX
iDeCo(イデコ)
NISA(ニーサ)
⑦外国株 9ヵ国

【内訳】
米国
中国
シンガポール
タイ
マレーシア
インドネシア
韓国
ロシア
ベトナム
6ヵ国

【内訳】
米国
中国
シンガポール
タイ
マレーシア
インドネシア
⑧IPO実績
(2021年)
122銘柄 74銘柄
⑨ポイント制度 Tポイント、Pontaポイント、
Vポイント、dポイント(※2)
楽天ポイント
(楽天証券ポイント)
⑩アプリの機能 米国株式の対応:×
画面カスタマイズ:×

【ニュース】
四季報
国内外の経済ニュース
個別銘柄ニュース

【銘柄検索】
スクリーニング
ランキング
テーマ
チャート形状
株主優待
決算日
米国株式の対応:
画面カスタマイズ:

【ニュース】
四季報
国内外の経済ニュース
個別銘柄ニュース
日経テレコン
マーケット動画解説
トウシル


【銘柄検索】
スクリーニング
ランキング
テーマ
チャート形状
株主優待
業種
銀行との連携 住信SBIネット銀行
優遇金利:0.001→0.01%
楽天銀行
優遇金利:0.02→0.1%
キャンペーン IPO投資で株式手数料
最大3,000円キャッシュバック
投資信託の購入で
最大1万ポイント
公式サイト 公式サイト
※2022年2月16日時点
※1.SBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含む
※2.2022年2月21日より
※3.2022年4月1日より300万円以下の部分は0.1%、その他は0.04%

比較項目 SBI証券 楽天証券
①口座数 603.6万口座
(2021年3月末時点)
SBIグループ:801.8万口座(※1)
(2021年12月末時点)
714.1万口座
(2021年12月末時点)
②手数料 【1取引ごとプラン】
5万円:55円
10万円:99円
20万円:115円
50万円:275円
100万円:535円
150万円:640円
3,000万円:1,013円
3,000万円超:1,070円

【定額系プラン】
100万円:0円
200万円:1,238円
300万円:1,691円
以降100万円ごとに:295円
【1取引ごとプラン】
5万円:55円
10万円:99円
20万円:115円
50万円:275円
100万円:535円
150万円:640円
3,000万円:1,013円
3,000万円超:1,070円

【定額系プラン】
100万円:0円
200万円:2,200円
300万円:3,300円
以降100万円ごとに:1,100円
③一般NISA 【取扱商品】
国内株式
外国株式
投資信託

【手数料無料の対象】
国内株式(売買)
外国ETF(買いのみ)
【取扱商品】
国内株式
外国株式
投資信託

【手数料無料の対象】
国内株式(売買)
外国ETF(買いのみ)
④つみたてNISA 177本 179本
⑤iDeCo 37本

【内訳】
定期預金:1本
投資信託:36本
32本

【内訳】
定期預金:1本
投資信託:31本
⑥商品数 国内株式
海外株式
単元未満株
投資信託
貴金属
(金、プラチナなど)
FX
iDeCo(イデコ)
NISA(ニーサ)
国内株式
海外株式
投資信託
貴金属
(金、プラチナなど)
FX
iDeCo(イデコ)
NISA(ニーサ)
⑦外国株 9ヵ国

【内訳】
米国
中国
シンガポール
タイ
マレーシア
インドネシア
韓国
ロシア
ベトナム
6ヵ国

【内訳】
米国
中国
シンガポール
タイ
マレーシア
インドネシア
⑧IPO実績
(2021年)
122銘柄 74銘柄
⑨ポイント制度 Tポイント、Pontaポイント、
Vポイント、dポイント(※2)
楽天ポイント
(楽天証券ポイント)
⑩アプリの機能 米国株式の対応:×
画面カスタマイズ:×

【ニュース】
四季報
国内外の経済ニュース
個別銘柄ニュース

【銘柄検索】
スクリーニング
ランキング
テーマ
チャート形状
株主優待
決算日
米国株式の対応:
画面カスタマイズ:

【ニュース】
四季報
国内外の経済ニュース
個別銘柄ニュース
日経テレコン
マーケット動画解説
トウシル


【銘柄検索】
スクリーニング
ランキング
テーマ
チャート形状
株主優待
業種
銀行との連携 住信SBIネット銀行
優遇金利:0.001→0.01%
楽天銀行
優遇金利:0.02→0.1%
キャンペーン IPO投資で株式手数料
最大3,000円キャッシュバック
投資信託の購入で
最大1万ポイント
公式サイト 公式サイト
※2022年2月16日時点
※1.SBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含む
※2.2022年2月21日より
※3.2022年4月1日より300万円以下の部分は0.1%、その他は0.04%

この12項目で両社を細かく比較しました。

自分のこだわりたい項目ではどちらの方が優勢なのかをチェックしていきましょう!

SBI証券と楽天証券の比較① 口座数 ——楽天証券が猛追!

「みんなが選んでいる証券会社が安心」と思う人は、口座数が気になるのではないでしょうか。

SBI証券:603.6万口座(2021年3月末時点)
楽天証券:714.1万口座(2021年12月末時点)

参考)SBIグループ:801.8万口座(※)(2021年12月末時点)
※SBI証券、SBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券、FOLIOの合計

基準日に9ヵ月のずれがあるため単純には比較することはできませんが、口座数は楽天証券のほうが多くなりました。2021年12月末時点で楽天証券は714万口座を突破しており、SBI証券の603.6万口座(2021年3月時点)を上回ったとみられます。

これまで、口座数はSBI証券が圧勝でした。しかし近年は楽天証券の口座数が急増し、単体では口座数が首位になったようです。楽天証券のサービスが投資家に支持されているといえるでしょう。

ただし、SBI証券は同グループの「SBIネオモバイル証券」「SBIネオトレード証券」「FOLIO」を含めると801.8万口座あります(2021年12月末時点)。差はありますが、 楽天証券は2020年12月~2021年5月の約5ヵ月間で100万口座増やした実績があります。これまで口座数はSBI証券が圧倒的でした。しかし近年は楽天証券の口座数が急増し、両社の口座数の差はなくなりつつあります。楽天証券のサービスが投資家に選ばれているといえるでしょう。

なおSBI証券は同グループの「SBIネオモバイル証券」「SBIネオトレード証券」を含めると681.3万口座あります(2021年3月末時点)。まだ差はありますが、楽天証券は5ヵ月で100万口座増やした実績があります。これからも口座数の伸びには期待できますね。一方SBI証券もサービスを拡充し、顧客獲得に力を入れています。楽天証券がSBIグループの全口座数を追い抜くか注目です。

「みんなが選んでいるか?」という点では両社互角と言えるでしょう。

SBI証券と楽天証券の比較② 手数料 ——SBI証券の方が安め

株式手数料も両社互角ですが、「定額系プラン」を考慮するとSBI証券の方が安いといえそうです。

株式手数料には取引1回ごとに計算する「1取引ごとプラン」と、1日の取引金額の合計で手数料を計算する「定額系プラン」があります。

「1取引ごとプラン」では、両社に差はありません。それぞれの手数料は以下のとおりです。

【株式手数料の比較(税込 1取引ごとプラン)】
1回の取引金額
5万円まで 10万円まで 20万円まで 50万円まで 100万円まで
SBI証券
(スタンダードプラン)
55円 99円 115円 275円 535円
楽天証券
(超割コース)
55円 99円 115円 275円 535円
※2022年2月16日時点

一方の「定額系プラン」は以下の通りです。1日100万円以下なら両社ともに無料ですが、100万円を超えるとSBI証券の方が安くなります。

【株式手数料の比較(税込 定額系プラン)】
1回の取引金額
100万円まで 200万円まで 300万円まで 以降100万円ごとに
SBI証券
(アクティブプラン)
0円 1,238円 1,691円 295円ずつ追加
楽天証券
(いちにち定額コース)
0円 2,200円 3,300円 1,100円ずつ追加
※ 2022年2月16日時点

上記のことから、SBI証券の方が安く取引できるといえるでしょう。

【1回の取引が100万円を超えるなら「1取引ごとプラン」がおすすめ】
両社ともに2つの手数料プランがありますが、どちらか迷ったら 「1回の取引が100万円を超えるか」で判断しましょう。1回100万円以上の取引を行う場合、手数料は必ず「1取引ごとプラン」のほうが安くなるためです。

1回100万円以上の取引とは、株価100円なら1万株以上、株価1,000円なら1,000株以上の取引を1度に行う場合が該当します。買いだけではなく売りにも手数料がかかるため注意しましょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

SBI証券と楽天証券の比較③ 一般NISA ——取扱商品&手数料ともに互角

一般NISA(ニーサ)の取り扱いは互角です。どちらも国内外の株式と投資信託に投資できます。

一般NISAは通常より手数料が優遇されるケースがありますが、この点も互角です。国内株式は買い・売りともに無料で、外国ETFは買い手数料が無料です。

どちらも投資信託の販売手数料はもともと無料なので、どちらで一般NISAを行ってもお得に取引できるでしょう。

NISA口座では、毎年120万円(2015年以前は100万円)分の金融商品(株式や投資信託など)が購入可能です。
出典:金融庁「NISAとは?

現在のNISAは2023年までの制度のため、金融商品を購入できるのは2023年までです。2023年に購入した商品も、5年間(2027年まで)は非課税で運用できます。

SBI証券 楽天証券
取扱商品 国内株式
外国株式
投資信託
国内株式
外国株式
投資信託
手数料無料の対象 国内株式(売買)
外国ETF(買いのみ)
投資信託(販売手数料)
国内株式(売買)
外国ETF(買いのみ)
投資信託(販売手数料)
※2022年2月16日時点

SBI証券と楽天証券の比較④ つみたてNISA ——商品が多いのは楽天

両社のつみたてNISAの概要は以下の通りです。商品の取り扱いが多いのは楽天証券ですが、積立コースが多いのはSBI証券となりました。

証券会社 SBI証券 楽天証券
銘柄数 177本 179本
積立コース 毎月、毎週、毎日 毎月、毎日
公式サイト 公式サイト 公式サイト
※2022年2月16日時点


つみたてNISAでは一括投資できず「定期かつ継続的な買付」に限定されていますが、そのペースは金融機関によって異なります。多くの金融機関は「毎月1回」としていますが、楽天証券はさらに「毎日1回」、SBI証券はさらに「毎週1回」を選ぶことができます。

よりたくさんの商品から選べるのは楽天証券ですが、自由なペースでつみたてNISAをできるのはSBI証券といえそうです。

SBI証券と楽天証券の比較⑤ iDeCo ——商品が多いのはSBI

iDeCoについても、両社の概要を以下にまとめました。取扱商品数が多いのはSBI証券となりましたが、種類は楽天証券のほうが多いです。

SBI証券(37本) 楽天証券(32本)
元本確保型
(定期預金)
1本 1本
投資信託 36本 31本
うち国内株式
うち国内債券
うち先進国株式
うち新興国株式
うち先進国債券
うち新興国債券
うちハイイールド債券
うち複合資産
うちREIT
うちその他(金など)
※2022年2月16日時点
※投資信託の種類は確定拠出年金教育協会から引用


出典:確定拠出年金教育協会 iDeCoナビ「商品内容で比較」

SBI証券のiDeCoは「ハイイールド債券」の投資信託を取り扱いません。これは通常より破綻の可能性が高く、その分利回りが高い債券で運用される投資信託を指します。

その他の投資信託は両社取り扱いがあり、その数はSBI証券のほうが多いです。しかし「ハイイールド債券」もiDeCoの選択肢に含めたい場合は楽天証券を選んだ方がよいでしょう。

SBI証券と楽天証券の比較⑥ 商品数 ——「1株取引」はSBI証券だけ

どちらも多くの商品やサービスを取り扱うため、さまざまな資産運用ができます。以下に主な取扱商品・サービスをまとめます。

SBI証券 楽天証券
国内株式
海外株式
単元未満株 ×
投資信託
貴金属(金、プラチナなど)
FX
iDeCo(イデコ)
NISA(ニーサ)

比較すると「単元未満株」サービスで差が付きました。

「単元未満株」とは通常100株単位で取引する国内株式を1株単位で取引できるサービスです。SBI証券は「S株」としてサービス提供していますが、楽天証券は取り扱っていません。

S株(単元未満株)ってなに?
S株(単元未満株)とは単元株制度において1単元に満たない数の株式のことです。
通常は、各銘柄ごとに100株/口と売買の最低限の単元株数が決まっていますが、単元株数に限らず1株から購入できる制度です。 SBI証券では単元未満株のことを「S株」と呼んでいます。
出典:SBI証券 500円であの有名企業の株が購入できる?!SBI証券の「S株」

国内株式を少額取引で取引したい方はSBI証券の方が向いているでしょう。

SBI証券と楽天証券の比較⑦ 外国株 ——SBI証券のほうが充実

外国株式の取り扱いは、SBI証券のほうが豊富です。楽天証券も6ヵ国の株式に投資できますが、SBI証券では「韓国」「ロシア」「ベトナム」の株式にも投資できます。

楽天証券が取り扱う外国株式が少ないわけではありませんが、SBI証券のほうが充実しています。

SBI証券 楽天証券
投資できる国の数 9ヵ国 6ヵ国
投資できる国 米国
中国
シンガポール
タイ
マレーシア
インドネシア
韓国
ロシア
ベトナム
米国
中国
シンガポール
タイ
マレーシア
インドネシア

SBI証券と楽天証券の比較⑧ IPO実績 ——SBI証券の大勝

IPOの取り扱いはSBI証券が圧倒的に多いです。参考に両社のIPO実績を以下にまとめます。

SBI証券 楽天証券
2018年 86件 11件
2019年 84件 26件
2020年 85件 38件
2021年 122銘柄 74銘柄

SBI証券は2018年から2020年まで毎年80件以上のIPOを取り扱い、2021年には122件も取り扱いました。楽天証券も少しずつ増えているものの、SBI証券には大きな差を付けられています。

SBI証券のIPO取り扱い数は証券業界の中でもトップクラスです。2021年3月通期では全IPOの93%をSBI証券が取り扱いました。2位のみずほ証券で67.4%なので、SBI証券のIPO実績がいかに豊富かわかります。なお、楽天証券は50%でした。

IPOを考えているならSBI証券を選ぶといいでしょう。

SBI証券と楽天証券の比較⑨ ポイント制度 ——使いやすいのは楽天証券

両社のポイント制度を比較すると、より使いやすいのは楽天証券です。

どう使いやすいのかを解説したいと思いますが、SBI証券と楽天証券のポイント制度は少し複雑です。そこで両社のポイント制度を「ポイントを貯める」と「ポイントを使う」に分けて確認しましょう。

✔︎株式でポイントを貯めるならSBI証券
まずは「ポイントを貯める」点で両社の制度をチェックしてみましょう。それぞれ以下のような取引でポイントが貯まります。

SBI証券 楽天証券
新規口座開設 100ポイント
株式取引 1.1% or 3.0%(※1) 1%
投信積立のカード決済 0.5~2.0% 1.0%(※2)
投資信託の残高 0~0.25% 0~0.12%(※3)
※2022年2月16日時点
※1.3.0%貯まるのは「Vポイント」が貯まるコースのみ
※2.2022年9月以降は1.0%もしくは0.2%になる予定
※3.2022年4月以降、毎月の付与はなくなる予定

口座開設でポイントが貯まるのはSBI証券だけです。口座開設で一律100ポイントを受け取れます。また株式取引もSBI証券の方が大きなポイントを受け取れます。

一方の楽天証券は投信積立のカード決済で、SBI証券よりも有利になりました。決済金額の1%分のポイントが受け取れるため、SBI証券(一般の「三井住友カード」:0.5%)よりも大きな還元を受けられます。

ただし楽天証券は2022年9月に、カード決済によるポイント付与率の変更を予定しています。信託報酬が一定以下の銘柄は0.2%しか受け取れなくなるため、それらの銘柄を積み立てている場合は注意しましょう。

代わりに2022年6月から電子マネー「楽天キャッシュ」。で投信積立を決済できるサービスが始まる予定で、楽天カードから楽天キャッシュにチャージする際に、0.5%の還元が受けられる見込みです。楽天証券で信託報酬が低い銘柄を積み立てる場合は、こちらを利用するとよいでしょう。

現行 変更後
投信積立の楽天カード決済で
1%分のポイント付与
【2022年6月下旬~】
投信積立の楽天キャッシュ決済開始。
楽天カードでチャージする際に
0.5%分のポイント付与

【2022年9月1日~】
投信積立の楽天カード決済で
1%分または0.2%分のポイント付与

✔︎ポイントを使いやすいのは楽天証券
次はポイント制度のうち「ポイントを使う」制度をチェックしてみましょう。それぞれ以下の取引にポイントを使えます。

SBI証券 楽天証券
投資信託の購入
株式の購入
バイナリーオプション

貯まったポイントを使いやすいのは楽天証券といえそうです。投資信託のほか、株式やオプションの購入代金に充てることもできます。2021年12月から、米国株式にもポイント投資ができるようになりました。

一方、SBI証券は投資信託の購入にしか使えません。ポイントを使うのも、楽天証券は制度が充実していることがわかりますね。

SBI証券と楽天証券の比較⑩ アプリの機能 ——楽天証券の方が高機能

両社はどちらも「スマホ取引アプリ」を無料で提供しています。機能を細かく比較すると、より高機能なのは楽天証券のアプリです。

両アプリの機能を以下のように細かく比較しました。

SBI証券
(SBI証券 株アプリ)
楽天証券
(iSPEED)
米国株式への対応
画面カスタイマイズ
投資ニュース ・四季報
・国内外の経済ニュース
・個別銘柄ニュース
・四季報
・国内外の経済ニュース
・個別銘柄ニュース
・日経テレコン
・マーケット動画解説
・トウシル
銘柄検索 ・スクリーニング
・ランキング
・テーマ
・チャート形状
・株主優待
・決算日
・スクリーニング
・ランキング
・テーマ
・チャート形状
・株主優待
・業種

大きく違う点は「米国株式への対応」と「画面カスタマイズ」です。 どちらも楽天証券の「iSPEED」は対応していますが、SBI証券の「SBI証券 株アプリ」は対応していません(アメリカ株式は「SBI証券 米国株アプリ」で別途可能)。

投資ニュースでも楽天証券の方が充実しています。どちらも「四季報」や基本的なニュースには対応していますが、楽天証券はさらに「日経テレコン」や「楽天証券マーケットNEWS(マーケット動画解説)」を見ることができます。

アプリの機能がより充実しているのは、楽天証券といえるでしょう。

SBI証券と楽天証券の比較⑪ 銀行との連携 ——金利は楽天、為替はSBI

両社ともグループ内のネット銀行との連携が可能です。銀行との連携には、入出金の手間を省けるというメリットがあります。

連携によるメリットは他にもありますが、どちらが優れているかは一概にいえません。大まかにいえば、「金利は楽天証券のほうが有利で、為替手数料はSBI証券のほうが有利」となります。

楽天証券を「楽天銀行」と連携させると、金利が0.1%に引き上げられます。SBI証券を「住信SBIネット銀行」と連携させた場合の金利は0.01%なので、楽天証券はSBI証券の10倍です。

ただし、2022年4月より楽天銀行の優遇金利は引き下げられる予定なので、注意しましょう。楽天銀行の預金の300万円以下の部分は0.1%で変わりませんが、300万円超の部分は0.04%になります。それでもSBI証券(住信SBIネット銀行)より金利は高いのですが、300万円超を預ける方にとっては改悪となるため、注意が必要です。

現行 変更後(2022年4月1日~)
普通預金残高に関係なく一律、年0.1% ・普通預金残高300万円以下の部分:0.1%
・普通預金残高300万円超の部分:0.04%

一方、為替手数料ではSBI証券(住信SBIネット銀行)に軍配が上がります。住信SBIネット銀行の米ドルの為替手数料は0.04円で、SBI証券・楽天銀行(0.25円)の6分の1以下です。

住信SBIネット銀行で購入した米ドルは手数料無料でSBI証券へ即時入金できるため、低いコストで米ドルを調達できます。一方、楽天銀行の為替手数料は0.25円で、そもそも楽天証券へ米ドルを入金することはできません。

SBI証券
(住信SBIネット銀行)
楽天証券
(楽天銀行)
自動入出金
金利の優遇 0.001→0.01% 0.02→0.1%(※1)
為替手数料(米ドル)
為替手数料:0.04円
(SBI証券は0.25円)
※2022年2月16日時点
※1.2022年4月1日より300万円以下の部分は0.1%、その他は0.04%

SBI証券と楽天証券の比較⑫ キャンペーン ——両方の参加もおすすめ

両社はどちらもお得なキャンペーンを随時行っています。例えば、2021年10月時点では以下のようなキャンペーンがあります。

特典 条件
SBI証券 株式手数料最大3,000円キャッシュバック IPOに当選した上で買付
楽天証券 投資信託の購入で最大1万ポイント 楽天証券が指定する14本の投資信託の
いずれかを10万円以上購入

SBI証券は2022年2月15日から4月28日まで、IPOキャンペーンを実施しています。期間中にIPOに申し込み、当選後にIPO銘柄を買い付けた場合、2022年4月中の株式買付手数料が最大3,000円までキャッシュバックされます。IPOに当選する確率は決して高くありませんが、IPOに申し込むなら一緒に申し込むとよいでしょう。

一方で楽天証券は、2022年2月14日から5月13日まで投資信託の買付キャンペーンを行っています。楽天証券のファンドアナリストが選んだ14本の投資信託のいずれかを期間中(投信積立は6月30日まで)に10万円以上購入し6月30日まで保有すると、楽天ポイントが最大1万ポイント進呈されます。投資する銘柄で迷っている方は、このキャンペーンを利用してみるのもよいでしょう。

自分の取引内容に合わせて、キャンペーンを選ぶとよいでしょう。もちろん両方で口座を開設し、両方のキャンペーンに参加するのもおすすめです。

SBI証券と楽天証券のメリットを比較

両社にはそれぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。一覧にまとめたので、比較してみましょう。

SBI証券 楽天証券
メリット 1 IPOの取り扱いはトップクラス
2 商品の取り扱い本数が多い
3 「三井住友カード」で積み立てができる
4 「Tポイント」か「Pontaポイント」で投資ができる
5 25歳以下は国内株式の手数料が無料
6 2つのロボアドバイザーが利用できる
1 楽天ポイントが貯まる
2 3商品にポイント投資ができる
3 楽天銀行との連携で普通預金金利が100倍に
4 「楽天カード」による投資でポイントが貯まる
5 株式の自動売買ができる
6 日経テレコンが利用できる

SBI証券のメリット① IPO(新規上場株)の取り扱いはトップクラス

SBI証券で口座開設するメリットの1つに、IPOの取扱いが多いということがあります。

IPO
IPOとは「Initial Public Offering」の略で、証券取引所へ株式を新たに上場させることをいいます。

新規上場株式(IPO)とは、未上場の企業が、新株の発行(公募増資)や売出を行って、証券取引所に上場する(株式の)ことをいい、公開された株式は投資家が市場で売買することができます。

新規上場株式は、ブックビルディング(需要申告)の際に、引受証券会社が仮の発行条件を投資家に提示して、ブックビルディング期間に投資家の需要を調査した上で、公開(発行)価格を決定いたします。

出典:SBI証券 新規上場株式(IPO)とは?

IPOでは実際の上場前に抽選などで株を手に入れられる可能性があり、上場日にすぐ売却すると利益となることが多いのが特徴です。

~SBI証券が取り扱った直近のIPO実績~

企業名 公開価格 初値 損益
ライトワークス 2,100円 3,000円 1.43倍
アジアクエスト 2,430円 5,600円 2.30倍
セキュア 950円 2,185円 2.30倍

SBI証券によると、2021年のIPO初値上昇率は65.4%です(2021年12月14日時点)。上場前にIPO銘柄を買った人がすぐに売った場合は、投資資金を1.6倍以上に増やせたことになります。
出典:SBI証券 ≪2022年に活躍期待の銘柄を探る≫2021年IPO市場で10倍株となった銘柄

そんなIPOの取り扱いが、SBI証券は証券業界の中でもトップクラス。例えば2021年3月通期でSBI証券は80銘柄を取り扱いましたが、2位のみずほ証券は58銘柄、3位の日興証券は47銘柄です。SBI証券が2位以下に大きな差を付けていることがわかりますね。

IPO投資は抽選に必ず当たるわけではないですし、当たっても絶対に利益が出るわけでもありません。それでも実績を考えるとやっぱり興味が出てきますよね。

【SBI独自の「IPOチャレンジポイント」】
SBI証券の場合、IPOの抽選に外れても「IPOチャレンジポイント」がもらえます。これは次回の抽選以降に使うことができるポイントで、 IPOの当選確率が上がるシステムです。

IPOの実績が豊富で、かつ抽選に外れても救済があるSBI証券はIPO投資をしたい人には外せない証券会社といえるでしょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

SBI証券で口座開設をする
(公式サイト)

SBI証券のメリット② 商品の取り扱い本数が多い

SBI証券は多くの商品・サービスを取り扱う点にも特徴があります。主な取扱商品およびサービスを以下にまとめます。

  • 国内株式(単元未満株も対応)
  • 海外株式
  • 投資信託
  • 債券
  • ロボアドバイザー
  • FX
  • 先物・オプション
  • 金・銀・プラチナ
  • iDeCo(イデコ)
  • NISA(ニーサ)

上の各項目でさらに豊富な銘柄を取り扱っており、選択肢はまさに無限大です。これはほかのネット系証券と比較してもかなりの数。

さまざまな選択肢から自由に商品を選びたい方はSBI証券を選ぶといいでしょう。

SBI証券のメリット③「三井住友カード」で積み立てができる

sbi証券,楽天証券,どちら
(画像=SBI証券より引用)

SBI証券は2021年6月30日以降、「三井住友カード(三井住友カード社発行のクレジットカード)」で投信積立の代金を決済できるようになりました。

同カードは利用代金の0.5~2.0%分のポイントを受け取れるため、投信積立でもポイントが貯まるようになります。

SBI証券は投資信託の購入手数料が無料です。つまり、投資信託をカード決済すれば0.5%分必ずお得になる魅力的なサービスです。カード決済は「つみたてNISA」も対象です。これからSBI証券で投信積立を行う方はぜひカード決済を検討しましょう。

SBI証券で口座開設をする
(公式サイト)

SBI証券のメリット④「Tポイント」か「Pontaポイント」で投資ができる

SBI証券 では Tポイントを使って投資信託を買うことができます。使えるポイントは通常のTポイントに加え、期間固定ポイントも対象。さらに2021年11月からはPontaポイントも利用が可能です。

ただし対象は投資信託だけで、株式は買えないため注意しましょう。

【Tポイントで株を買いたいなら「ネオモバ」で口座開設】
「どうしてもTポイントで株式を買いたい!」という方は「SBIネオモバイル証券」を利用してもいいかもしれません。SBIグループの子会社で、こちらならTポイントを使って株式投資ができます。

SBI証券のメリット⑤ 25歳以下は国内株式の手数料が無料

SBI証券は2021年4月、25歳以下の国内株式手数料を実質無料としました。26歳になる誕生月の月末まで、かかった手数料の全額がキャッシュバックされます。

キャッシュバックは取引の翌月下旬に行われます。ただし1株単位で取引できる「S株(単元未満株)」は対象外です。またSBI証券では株式の取引手数料にTポイントなどが付与されますが、そちらも対象外となるため注意しましょう。

【25歳以下の国内株式手数料無料化の注意点】
  • キャッシュバックは取引の翌月下旬
  • S株(単元未満株)は対象外
  • ポイント付与の対象外

SBI証券のメリット⑥ 2つのロボアドバイザーが利用できる

「ロボアドバイザー」は、運用の一部をAIに一任できるサービスです。SBI証券は以下 2つのロボアドバイザーサービスを提供しています。

サービス名 概要 自動運用
SBI ファンドロボ 投資信託を選んでくれるサービス
ウェルスナビfor SBI 運用を一任できるサービス

それぞれどのような特徴があるのか確認しましょう。

✔SBI ファンドロボ:モーニングスター社の評価データで投資信託を自動選定
「SBIファンドロボ」は簡単な質問に答えると、ぴったりの投資信託を提案してくれるサービスです。利用料は無料で、SBI証券に口座を持っていない方でも利用できます。

ただし「SBIファンドロボ」が行ってくれるのは提案までです。実際にその投資信託に投資するには、自分で手続きする必要があります。

✔︎ウェルスナビfor SBI:世界中の資産で自動運用
「ウェルスナビ for SBI」では、簡単な質問に答えれば投資からその後の管理まで自動で行ってくれるサービスです。専用口座の開設が必要で、管理手数料が別に1%掛かります。


SBI証券で口座開設をする
(公式サイト)

楽天証券のメリット① 楽天ポイントが貯まる

楽天証券は同じグループなどで使える 「楽天ポイント」が貯まるメリットがあります。国内外の株式など、対象商品を取引した際に支払った手数料の1%分のポイントが還元される仕組みです。

【1%ポイントバックの対象商品】
  • 国内株式
  • 外国株式
  • 先物・オプション取引
  • 海外先物
  • 金・プラチナ取引

条件は、株式手数料コースを「超割コース」へ変更するだけ。さらに「大口優遇」の条件をクリアすると、還元率が2%に引き上げられます。楽天ポイントを貯めているなら、楽天証券で口座を開設するとよいでしょう。取引コースの詳細は後述します。

楽天証券のメリット② 3つの商品にポイント投資ができる

楽天証券なら、貯まった楽天ポイントを使って投資することもできます。対象は「国内株式」「投資信託」「バイナリーオプション」の3つです。

【楽天証券 ポイント投資の対象】
  • 国内株式
  • 投資信託
  • バイナリーオプション

ポイント投資ができるネット証券は他にもありますが、4つの商品から選べるのは楽天証券の強みです。ポイントを投資に使いたい場合は、楽天証券を選びましょう。

参考に、ポイント投資ができる他社と比べてみましょう。楽天証券の対象商品の多さがよくわかります。

【ポイント投資できる主な証券会社】
対象商品
楽天証券
(楽天ポイント)
国内株式、米国株式、
投資信託、バイナリーオプション
SBI証券
(Tポイント、Pontaポイント)
投資信託
松井証券
(松井証券ポイント)
投資信託
マネックス証券
(マネックスポイント)
国内株式(手数料の充当のみ)
auカブコム証券
(Pontaポイント)
投資信託、国内株式(単元未満株のみ)
※2022年2月16日時点

✔︎投資信託にポイント投資すると楽天市場で+1倍
楽天証券では楽天ポイントで投資信託や株式を買うこともできます。

投資信託を楽天ポイントで買う場合、楽天市場でポイント還元率が+1倍になるSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象になります。 1回で500円以上投資信託を買う場合に、1ポイントでも利用すれば対象です。

楽天カード決済と組み合わせることもでき、より効率的にポイントを貯めることができるでしょう。

ただし、2022年4月から条件が変わります。現在は500円以上のポイント投資(投資信託)が対象ですが、2022年4月からは3万円以上の投資信託のポイント投資で+0.5倍、3万円以上の米国株式(円貨決済)のポイント投資で+0.5倍となる予定です。

さらに楽天銀行と連携させる「マネーブリッジ」の設定も条件に加わるため、楽天銀行の口座がない方は対象外となります。

現在 変更後(2022年4月1日~)
楽天ポイントコースの設定と
500円以上のポイント投資で
楽天市場のポイント還元率が+1倍
楽天ポイントコースおよび
マネーブリッジを設定の上
・3万円以上のポイント投資(投資信託)で
楽天市場のポイント還元率が+0.5倍
・3万円以上のポイント投資(米国株式 円貨決済)で
楽天市場のポイント還元率が+0.5倍

楽天証券で口座開設をする
(公式サイト)

楽天証券のメリット③ 楽天銀行との連携で普通金利が100倍に

楽天銀行と楽天証券を連携させると、楽天銀行の普通預金の金利が0.1%まで引き上げられます。楽天銀行と楽天証券を「マネーブリッジ」というサービスで連携させることが条件です。 取引のたびに楽天証券に入金しなくても、自動的に入出金をしてくれるようになります。

楽天証券のメリット④ 楽天カードによる投資でポイントが貯まる

楽天証券も、投資信託の積立をクレジットカードで決済できます。対象は「楽天カード」で、積立額の1%分(※)のポイントが還元されます。

※2022年9月以降は1%または0.2%となる予定

楽天カード決済はつみたてNISAにも対応しています。年間40万円をすべて楽天カード決済すれば4,000円相当のポイントを受けられるでしょう。なお楽天カード決済は年間60万円まで可能のため、通常の課税口座でも積み立てれば最大6,000円相当のポイント還元が受けられます。

さらに楽天証券では投資信託は保有しておくだけでポイントが貯まります。ポイントが貯まる仕組みは「資産形成ポイント」か「ハッピープログラム」の2つあり、いずれか選ぶことができます。

2.SBI証券と楽天証券どちらで開設する?
(画像=楽天証券HPより引用)

「買うとき」と「保有するとき」の両方でポイントが貯まる点は楽天証券の大きな強みといえるでしょう。

ただし2022年4月以降は、投資信託の保有で付与されるポイントはほとんどなくなります。現在は投資信託の残高に応じてポイントが付与されますが、2022年4月以降は投資信託の残高が初めて一定額を超えた月だけポイントが付与される予定です。

現在 変更後(2022年4月1日~)
【資産形成ポイント】
投資信託の残高に応じて
毎月最大800ポイントが付与される

【ハッピープログラム】
投資信託の残高10万円ごとに
毎月最大10ポイントが付与される
【資産形成ポイント、ハッピープログラム共通】
月末の投資信託の残高が初めて
一定額に到達した月のみ、ポイントが付与される

楽天証券のメリット⑤ 株式の自動売買ができる

楽天証券はパソコン向けの取引ツール「マーケットスピード2」を提供しています。株式の「自動売買」に対応しており、利用は無料です。

自動売買には、以下の2種類があります。

【2つの自動売買】
アルゴ注文 5つの「アルゴ注文」から事前に売買条件を登録し、
条件が合致すると自動的に発注される
RSS 「エクセル」とマーケットスピード2を連携させ、
独自の注文関数で売買条件を設定し発注する

自動売買を使いこなせば、普段忙しくて株価をチェックできない方も、チャンスを逃すことなく取引できるでしょう。2つの自動売買はどちらも追加費用がかからないので、興味がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

楽天証券のメリット⑥ 日経テレコンが利用できる

楽天証券は「日本経済新聞」の朝刊と夕刊を閲覧できる「日経テレコン(楽天証券版)」を無料で提供しています。上述の「マーケットスピード」のほか、スマホアプリ版の「iSPEED(アイスピード)」で利用できます。

通常、日経新聞の購読料は紙面版(朝刊・夕刊)で月に4,900円、電子版と合わせると月に5,900円掛かります。これが、楽天証券を始めることで、日経テレコンが利用できるのは、嬉しいポイントですね。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

企業や産業の情報により特化した 「日経産業新聞(通常購読料:月額4,000円)」や、消費トレンドに特化した「日経MJ(通常購読料:月額2,300円)」も閲覧が可能です。

楽天証券に口座を開設すれば、投資だけでなく、自分のキャリアにも活かせそうな情報を無料で手に入れることができます。投資をしない方でも口座を持ってみてもよいかもしれません。

SBI証券と楽天証券のデメリットを比較

両社のデメリットも確認しておきましょう。SBI証券と楽天証券には、それぞれ以下のようなデメリットがあります。

SBI証券 楽天証券
デメリット 1 IPOの競争率は高い
2 株式にはポイント投資ができない
3 株式の自動売買には非対応
4 カード決済の還元率がいまいち
5 日本株と米国株のアプリが別
6 「住信SBIネット銀行」との連携金利が低い
1 単元未満株は取引できない
2 100万円超の定額系プランは安くない
3 IPOの取り扱いは多くない
4 「福証」「札証」の株式は取引できない
5 為替手数料が高い
6 債券の取り扱いが少ない

SBI証券のデメリット① IPOの競争率が高い

SBI証券は IPOの取り扱いが多いのですが、競争率の高さはデメリットといえるでしょう。

SBI証券の口座数は2021年3月で600万を超えており、国内でトップクラスです。IPO申込者も多いと考えられるため、なかなか抽選には当たらないかもしれません。

参考に、主な証券会社の口座数を見てみましょう。

● SBI証券:603.6万口座(2021年3月)
【参考】SBIグループ:801.8万口座(2021年12月)※1
● 楽天証券:714.1万口座(2021年12月)
● 野村證券:535.3万口座(2022年1月)※2
● SMBC日興証券:373.8万口座(2021年12月)
● マネックス証券:217.0万口座(2022年1月)
● 松井証券:138.2万口座(2022年1月)
● auカブコム証券:37.5万口座(2022年1月)
※1.「SBI証券」「SBIネオモバイル証券」「SBIネオトレード証券」「FOLILO」の合計
※2.残高がある口座
【IPOの配分を狙うなら複数口座の開設がおすすめ】

IPOの配分は証券会社ごとに行われます。したがって、複数の証券会社の口座を持っていれば、それだけ抽選回数を増やすことができます。

IPOは「主幹事」を務める証券会社に多く配分される傾向がありますが、主幹事以外の証券会社にも一定の配分があります。IPOを狙うなら、複数の証券口座を持っておくとよいでしょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

SBI証券の詳細はこちら(公式サイト)

SBI証券のデメリット② 株式にはポイント投資ができない

SBI証券では「Tポイント」か「Pontaポイント」でポイント投資ができますが、対象は投資信託だけです。株式など、投資信託以外の商品には利用できないので注意しましょう。

株式にポイント投資ができる証券会社は、何社かあります。その中でSBI証券のポイント投資の選択肢の狭さは、大きなデメリットといえるでしょう。

【株式にポイント投資ができる主な証券会社】
● 楽天証券(楽天ポイント)
● SBIネオモバイル証券(Tポイント)
● SMBC日興証券(dポイント)
● LINE証券(LINEポイント)
※2022年2月16日時点
【「ストックポイント」は株式と交換できる】

他社のサービスですが、ポイント運用(ポイントを用いた投資の疑似体験サービス)を行う「ストックポイント」社はSBI証券と提携しており、一定以上のポイントをSBI証券で株式に交換できます。

ストックポイント社では、「ドットマネー」「永久不滅ポイント」「エムアイポイント」「Oki Dokiポイント」を利用できます(2022年2月16日時点)。これらのポイントを貯めているなら、間接的ですが株式にポイント投資ができます。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

SBI証券のデメリット③ 株式の自動売買には非対応

SBI証券は、株式の自動売買には対応していません。取引のたびに発注する必要があるため、忙しい方にとってはデメリットといえるでしょう。

忙しくて株価をチェックできない方は、「指値(さしね」」注文がおすすめです。あらかじめ価格の条件を定めて発注する方法で、「150円(以下)になったら買い」というような注文を出せます。注文期間は15営業日まで指定できるため、毎日発注する手間がありません。

以下のような「特殊注文」を利用すると、さらに発注の手間を省けます。上級者向けですが、忙しい方は検討してみてはいかがでしょうか。

【SBI証券 特殊注文の例】

OCO注文
(オーシーオー)
2つの異なる注文を同時に出す方法。

例)保有株を200円で売りたいが、
100円を下回るなら損切りしたい
・OCO1:200円で指値売り
・OCO2:100円で逆指値売り

※逆指値売り:「〇〇円以下」で売りを出す注文方法。
通常は「〇〇円以上」で売る
IFD注文
(イフダン)
買いの注文と、その売り注文をセットで出す方法。

例)150円で買えたら200円で売りたい
・IFD1:150円の指値買い
・IFD2:200円の指値売り
IFDOCO注文
(イフダン・オーシーオー)
IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文。

例)150円で買えたら200円で売りたいが、
100円を下回るなら損切りしたい
・IFDOCO1:150円の指値買い
・IFDOCO2-1:200円の指値売り
・IFDOCO2-2:100円の逆指値売り
【自動運用の「ロボアドバイザー」には対応】

SBI証券は、ロボアドバイザーサービス「Wealth Navi for SBI証券」を提供しています。銘柄を指定することはできませんが、AIが自動的に運用してくれます。忙しい方は、ロボアドバイサーを利用するのも一つの手ですね。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

SBI証券のデメリット④ カード決済の還元率がいまいち

SBI証券は三井住友カードで投資信託を買えますが、年会費が無料のカードの還元率は0.5%です。楽天証券(楽天カード)の1%と比較すると、見劣りします。

一部の上位カードなら1.0%か2.0%に引き上げられますが、いずれも年会費がかかります。例えば「三井住友カード プライムプリファード」の還元率は2.0%ですが、年会費は3万3,000円です。上乗せの1.5%で元を取るには年間220万円以上の利用が必要ですが、SBI証券のカード決済は年60万円(月5万円)までしかできません。

同様に「三井住友カードゴールド(NL)」の還元率は1.0%ですが、年会費は5,500円です。上乗せの0.5%で元を取るには年間110万円の利用が必要ですが、やはりSBI証券のカード決済の上限額を超えてしまいます。

【還元率2.0%で最も年会費が安いカード(年3万3,000円)】
● 三井住友カード プライムプリファード
※2022年2月16日時点

【還元率1.0%で最も年会費が安いカード(年5,500円)】
● 三井住友カード ゴールド(NL)
● 三井住友カード プライムゴールド VISA/Mastercard
● 三井住友カード プライムゴールドVISA(SMBC)
● 三井住友銀行キャッシュカード一体型カード プライムゴールド
※2022年2月16日時点

還元率と年会費を考えると、お得とはいえません。

SBI証券のデメリット⑤ 日本株と米国株のアプリが別

SBI証券のスマートフォン向け取引アプリは、「日本株」用と「米国株」用に分かれています。一方、楽天証券のアプリ「iSPEED(アイスピード)」は、日本株・米国株のどちらも取引できます。

日米の株式取引が1つのアプリに集約されていない点は、SBI証券のデメリットといえるでしょう。

【SBI証券 株式取引アプリ】
● 日本株の取引:SBI証券 株アプリ
● 米国株の取引:SBI証券 米国株アプリ

【米国の主要な指標&為替は日本株アプリでも閲覧OK】

「SBI証券 株アプリ」では米国株を取引できませんが、米国の主要な株価指標や為替レートは閲覧可能です。

株価指標:NYダウ、NASDAQ(ナスダック)、S&P500 など
為替:米ドル、ユーロ、英ポンド など
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

SBI証券のデメリット⑥「住信SBIネット銀行」との連携金利が低い

SBI証券も同グループの「住信SBIネット銀行」と連携させることができ、優遇金利が適用されます。

ただし、優遇金利は0.01%です。楽天銀行(0.1%)の10分の1であり、魅力的な金利とはいえないでしょう。

他社と比べてみると、SBI証券と住信SBIネット銀行の優遇金利が低いことがわかります。

【主なネット証券と銀行連携の優遇金利】
● SBI証券(住信SBIネット銀行):0.01%
● 楽天証券(楽天銀行):0.10%
● GMOクリック証券(GMOあおぞらネット銀行):0.11%
※2022年2月16日時点
※1.2022年4月1日より300万円以下の部分は0.1%、その他は0.04%

【「入出金の手間を省ける」のは魅力】

SBI証券と住信SBIネット銀行を連携させると、SBI証券の投資に必要なお金を住信SBIネット銀行の口座から自動的に引き落とせます。事前に入金手続きを取る必要がないため、スピーディーな取引が可能です。

投資に回らなかった現金は自動的に住信SBIネット銀行へ出金されるので、無駄なく運用できます。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

楽天証券のデメリット① 単元未満株(1株単位)は取引できない

楽天証券では、1株単位で売買できる「単元未満株」を取引できません。通常は100株単位で取引するところを単元未満株なら1株単位で取引できるため、資金が多くない方にはうれしいサービスですが、残念ながら楽天証券は非対応です。

少額で株式を取引したい方にとっては、大きなデメリットでしょう。

以下のように、多くの証券会社では単元未満株を扱っています。

【単元未満株を取引できる主な証券会社】
● SBI証券(S株)
● マネックス証券(ワン株)
● auカブコム証券(プチカブ)
● SMBC日興証券(キンカブ、日興フロッギー)
● LINE証券(いちかぶ)
※2022年2月16日時点
【不意に発生した単元未満株は「買取請求」で対応】

株式は、ときどき単元未満株が割り当てられることがあります。楽天証券では単元未満株の売却ができませんが、「買取請求」は可能です。これは、株式を発行している企業に買い取ってもらう方法です。

2週間程度かかりますが、現金化が可能です。ただし、1件あたり330円の手数料がかかるため、少額の場合は手数料が割高になります。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

楽天証券のデメリット② 100万円超の定額系プランは安くない

楽天証券には以下の2つの手数料コースがあり、「いちにち定額コース」は1日100万円まで無料で取引できる点が魅力です。

● 超割コース:1回の取引金額で手数料を計算するコース(最低手数料:55円)
● いちにち定額コース:1日の取引金額で手数料を計算するコース(最低手数料:0円)

ただし、、他社と比較すると100万円を超えた場合の手数料は決して安くありません。1日の取引金額には「売り」も含まれるため、うっかり超えてしまわないように注意しましょう。

【主なネット証券の定額系プランの手数料】
100万円 150万円 200万円 300万円
楽天証券
(いちにち定額コース)
無料 2,200円 2,200円 3,300円
SBI証券
(アクティブプラン)
無料 1,238円 1,238円 1,691円
GMOクリック証券
(1日定額プラン)
無料 1,238円 1,238円 1,691円
SBIネオトレード証券
(定額プラン)
無料 880円 1,100円 1,540円
※2022年2月16日時点

楽天証券のデメリット③ IPOの取り扱いは多くない

楽天証券もIPOを取り扱っていますが、実績はあまり多くありません。他社と比較すると、IPO配分のチャンスは少ないです。

【主なネット証券のIPO取り扱い実績】
2020年 2021年(9月末まで)
楽天証券 38銘柄 74銘柄
SBI証券 85銘柄 122銘柄
マネックス証券 50銘柄 66銘柄

楽天証券は、IPOの「裁量配分」を行うことにも注意が必要です。

裁量分配とは証券会社が任意に振り分ける分配方法のことで、抽選ではなく楽天証券が振り分け先を選びます。大口顧客になるほど分配される傾向があるため、一般投資家にはあまり巡ってこないかもしれません。

裁量配分は一般的な分配方法ですが、「マネックス証券」のように完全抽選方式を採用している証券会社もあります。実績が少なく、抽選によらない分配を行うことから、楽天証券ではIPOのチャンスはあまりないといえるでしょう。

【主なネット証券のIPO分配方針】
● 楽天証券:抽選(原則)、裁量配分
● SBI証券:抽選、IPOチャレンジポイント、裁量配分
● マネックス証券:抽選
※2022年2月16日時点

楽天証券のデメリット④「福証」「札証」の株式は取引できない

株式取引といえば「東証(東京証券取引所)」をイメージする人が多いと思いますが、証券取引所は名古屋、福岡、札幌にもあります。

【日本の証券取引所】
● 東証:東京証券取引所
● 名証:名古屋証券取引所
● 福証:福岡証券取引所
● 札証:札幌証券取引所

東証以外の取引所だけに上場している企業を「単独上場会社」といい、これらは東証では取引できません。プライベートジムの「RIZAPグループ(札証)」や、ファミリーレストランの「ジョイフル(福証)」が有名ですね。

楽天証券では、「福証」と「札証」の株式を取引できません。つまり、楽天証券では単独上場会社に投資できないのです。他の主要なネット証券では取引が可能なので、これは楽天証券の大きなデメリットといえるでしょう。

【主なネット証券の取引できる証券取引所】
東証 名証 福証 札証
楽天証券
SBI証券
マネックス証券
松井証券
auカブコム証券
※2022年2月16日時点
【「大証」に株式はない?】

「大証(大阪証券取引所)」は主に「先物」や「オプション」などを取引する取引所で、株式の取引は行われません。他に、以下のような取引所があります。

● 東京商品取引所:「ガソリン」など、「商品先物」の取引所
● 東京金融取引所:「くりっく365」など、「取引所FX」と「取引所CFD」の取引所
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

楽天証券のデメリット⑤ 為替手数料が高い

「為替手数料」が高いことも、デメリットです。

為替手数料とは
日本円と外貨の交換コストです。外貨を買う(日本円→外貨)時は上乗せされ、反対に売る(外貨→日本円)時は差し引かれます。外国株式や外国債券など、主に外貨で取引される商品の売買で発生するものです。

例えば1ドル=100円で1万ドル分の米ドルを買うとき、米ドルの為替手数料が0.25円なら1ドル=100.25円が適用され、100万2,500円を支払います。売る時は1ドル=99.75円が適用され、99万7,500円を受け取ります。往復で5,000円の手数料を支払う計算です。

楽天証券の米ドルの為替手数料は0.25円です。SBI証券も同水準ですが、グループの「住信SBIネット銀行」を経由すると、わずか0.04円で米ドルと交換できます。マネックス証券では、米ドルへの交換に為替手数料はかかりません(米ドルを日本円に交換する時は0.25円かかります)。

他社と比較すると、楽天証券の為替手数料は高いといわざるをえません。

【主なネット証券の為替手数料(米ドル)】
日本円→米ドル 米ドル→日本円
楽天証券 0.25円 0.25円
SBI証券 0.25円
(住信SBIネット銀行:0.04円)
0.25円
(住信SBIネット銀行:0.04円)
マネックス証券 0円 0.25円
※2022年2月16日時点
※1.2019年7月より無料が常態化。今後見直しの可能性あり

楽天証券のデメリット⑥ 債券の取り扱いが少ない

楽天証券には、「債券の取り扱いが少ない」というデメリットもあります。

債券(普通債)とは
企業などが利息と元本の支払いを約束し、資金を調達するために発行するものです。発行者が破綻せず、かつ満期まで保有する場合は利回りが確定しているため、比較的リスクが低い金融商品といえます。

外貨で発行される「外国債券」もありますが、より低リスクで運用したい方には「円債(日本円の債券)」をおすすめします。しかし楽天証券では、円債は「個人向け国債」や地方自治体が発行する「公共債」がメインで、比較的利回りが高い「社債(企業が発行する債券)」の取り扱いは多くありません。

選択肢が豊富とはいえないため、債券で運用したい方に楽天証券は向かないでしょう。

【楽天証券 円債の取扱実績(個人向け国債・公共債を除く)】
● 2019年:0件
● 2020年:1件
● 2021年:0件

楽天証券の詳細はこちら(公式サイト)

SBI証券と楽天証券、両方開設して使い分ける場合の注意点

損益通算
(画像=fuelle編集部)

上述した通り、SBI証券と楽天証券の両方で口座を開設し、使い分けて「いいとこ取り」するのがおすすめです。しかし複数の証券会社に口座を分けて取引する際は注意点もあります。ここで注意点を確認しておきましょう。

複数の口座を持つ場合は損益通算に注意

1つの証券会社で取引しておくと、年内の損益通算は証券会社が行ってくれます。しかし証券会社が違う取引は損益通算ができません。

【証券会社 口座の種類】
利益の計算 税金の納付 確定申告の義務
特定口座
(源泉徴収あり)
証券会社が計算 証券会社が源泉徴収 なし
特定口座
(源泉徴収なし)
証券会社が計算 自分で納付 納付額がある場合
申告の義務あり
一般口座 自分で計算 自分で納付 納付額がある場合
申告の義務あり

複数の証券会社で投資を行っている人は、確定申告を忘れずに

確定申告を行うと証券会社が違う場合でも損益通算ができます。証券会社が発行する「年間取引報告書」を利用し、申告を行いましょう。

【「特定口座(源泉徴収あり)なら申告の義務はない】
すべての証券会社において「特定口座(源泉徴収あり)」で取引している場合、複数の証券会社で取引しても、確定申告の義務はありません。損益通算の対象があったとしても同じです。
損益通算をすれば税金の還付を受けられる可能性がありますが、面倒なら放置しても大丈夫です。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

出典:国税庁「No.1476 特定口座制度」

SBI証券・楽天証券の口コミを見てみよう

実際に「SBI証券」「楽天証券」で口座開設をしている人の口コミを確認していきましょう。

【SBI証券】の口コミ

商品に関する口コミ

商品数が豊富
★★★★

SBI証券は、初心者の方でも比較的使いやすい証券会社だと思います。 理由としては、商品数が豊富であり標準的なものはひと通りそろっていること、また、NISAやiDeCoも推奨しており一緒に運用が行いやすい点です。
加えてTポイントで投資もできますので、余ったポイントでコツコツ投資信託を行うような使い方もできます。取引手数料も高くないので、どなたでもおおむね満足できるかと思います。

40代・男性

商品に関する口コミ

商品が多くてとても満足です!
★★★★★

投資先商品が多くとても満足しています。株だけしたい!FXだけしたい!投資は難しいからまず投資信託から始めたい!様々な理由で証券会社を探すと思いますが、投資をするなら口座は目的やサービスに応じて複数持っておいて損はありません。
SBI証券は、迷いながらとりあえず作ってみたのですが、損はないと思いました。

20代・男性

使いやすさに関する口コミ

初心者も上級者も満足できる
★★★★

20年以上使い続けていますが、たえずアプリの改良や新サービスの提供など、顧客の利便性をいつも考えてくれている証券会社だと思います。
Tポイントで投資もできるようになり、さらに利便性がアップしています。初心者だけでなく上級者も満足できる情報量で、口座開設しないともったいない証券会社です。

40代・男性性

ツールに関する口コミ

動作が少し不安定だが、アプリが良い
★★★★

手数料は平均的で、大手だけあってその他の部分も安定しているという印象です。私は日経平均先物をメインに取引していて、スマートフォン用アプリが使い勝手が良いので重宝しています。特にカスタマイズした「短期」「中期」「長期」の三本の移動平均線が見やすくて便利です。
アプリ版は少し動作が不安定な面がありますが、PC版はストレスなく使えました。

30代・男性

SBI証券で口座開設をする
(公式サイト)


楽天証券の口コミ

ポイント制度に関する口コミ

楽天ポイントが何よりお得
★★★★★

取引に応じて楽天ポイントがもらえる点が気に入っています。大口顧客なら取引手数料の2%も還元してくれるのでかなりお得です。 楽天スーパーポイントならポイント投資もできますしおすすめです。

30代・男性

ポイント制度に関する口コミ

つみたてNISA でも楽天ポイント
★★★★

私は楽天証券を利用してつみたてNISAをしています。
つみたてNISAの利用枠40万円/年だと1年で4,000ポイントが貯まり、20年積み立てると合計で8万ポイントが貯まることになります。ポイント制度はとてもお得です。

20代・男性

ツールに関する口コミ

ツールの不具合多し
★★

取り扱い銘柄が多く、取引ツールの情報量も多い。取引手数料も安いほうで楽天ポイントのバックもあるので満足できる。
しかしとにかく取引ツール、マーケットスピードの不具合が度々起こるのが致命的。タイミングとスピードが命の株取引で、大事なところで不具合が起こり何度利益を逃したことか。それだけで大幅にマイナスです。

50代・男性

使いやすさに関する口コミ

楽天圏で満足です
★★★★

ネットバンキング、楽天カード入会も含めて一から始めるなら楽天証券が一番でしょう。 投資信託の場合も引き落としを楽天カードにすればポイントが貯まるし、余ったポイントを使った投資も可能です。振り込み口座を楽天銀行にすれば完璧ですね。
スマホアプリのi-SPEEDも高機能で初心者でも使いやすいように見た目が工夫されています。今のところ特に不満はありません。

40代・男性

楽天証券で口座開設をする
(公式サイト)


以上を参考にしながら、自分に合った証券会社で口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。

「SBI証券」「楽天証券」両方の長所を活かして使い分けると効率的

両社ともネット大手だけあってサービス内容は充実しています。より詳細に比較すると一長一短ありますが、口座を両方開設し、有利なサービスで使い分けるとより効率的に資産運用できるでしょう。パスワードや暗証番号の使い回しに注意し、上手に活用しましょう。

SBI証券と楽天証券の Q&A

Q
A
SBI証券と楽天証券どちらがおすすめ?
基本的なサービスの充実度はほぼ同じといえます。細かい特徴などの「違い」に着目して、自分にはどちらが向いているのかチェックしましょう。
Q
A
SBI証券はどんな人におすすめ?
主に次の3つのどれかに当てはまる人が向いているといえます。①IPO(新規上場株)に興味がある、②海外株への投資に興味がある、③Tポイントを貯めている。こちらも、それぞれの項目について本文で詳しくチェックしてみてくださいね。
Q
A
楽天証券はどんな人におすすめ?
主に次の3つのどれかに当てはまる人が向いているといえます。①投資信託での運用を考えている、②楽天ポイントを貯めている、③楽天銀行を利用している。それぞれの項目について、本文で詳しくチェックしてみましょう。
Q
A
両方の口座を開設することは可能?
可能です。両方の口座があれば、有利な商品ごとに証券会社を切り替えることができるためおすすめです。たとえば「つみたてNISAはカード決済できる楽天証券」で、「IPOや海外株式へ投資するならSBI証券」といったように、両社のいいとこ取りで運用することができます。

Q

A
SBI証券のメリットは?
SBI証券はIPOの取扱いが多い点が大きなメリットです。また多くの商品・サービスを取り扱う点にも特徴があります。さらに25歳以下の国内株式の手数料を実質無料なのもメリットといえるでしょう。

Q

A
楽天証券のメリットは?
楽天証券の最大のメリットは、同じグループなどで使える 「楽天ポイント」が貯まることです。また、ポイントで「国内株式」「米国株式」「投資信託」「バイナリーオプション」に投資できるのも魅力です。

Q

A
SBI証券のデメリットは?
SBI証券はIPOの取り扱いは多いのですが、競争率の高さはデメリットといえるでしょう。
またSBI証券のポイント投資の対象は「投資信託」だけです。株式など、投資信託以外の商品には利用できない点もデメリットです。

Q

A
楽天証券のデメリットは?
楽天証券では、1株単位で売買できる「単元未満株」の取引ができないことがデメリットです。また楽天証券もIPOを取り扱っていいますが、実績はあまり多くありません、この点もデメリットでしょう。

Q

A
つみたてNISAを始めるならSBI証券と楽天証券のどちらがいい?
よりたくさんの商品から選べるのは楽天証券です。数多くの選択肢から選びたい場合は楽天証券の方がいいでしょう。ただし、積立頻度をより自由に選べるのはSBI証券です。多くの金融機関は「毎月1回」としていますが、SBI証券は「毎日1回」「毎週1回」も選べます。自由なペースでつみたてNISAをしたいならSBI証券がいいでしょう。

若山卓也
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。

証券外務員一種、AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。
Twitter:@FP38346079
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。

証券外務員一種、AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。
Twitter:@FP38346079

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