島根県松江市街地のおすすめ観光スポットをご紹介します。宍道湖(しんじこ)を中心に栄えている町の魅力がたっぷり!朝から夜まで丸一日かけて、充実の松江観光を楽しんでみませんか?
松江市の概要
松江市は、島根県東部に位置し、宍道湖(しんじこ)や中海(なかうみ)が連なる、水景が美しいエリアです。県庁所在地でもあります。
川が町中を流れ、暮らしに溶け込んでいることから「水の都」とも呼ばれています。「出雲縁結び空港」から連絡バスで約40分、鳥取県の「米子鬼太郎空港」から在来線で約1時間半と、アクセスしやすい観光地です。
また小説家・民俗学者の小泉八雲(こいずみやくも)が在住していた地域でもあります。小泉八雲は、「雪女」や「ろくろ首」など、日本の様々な妖怪が登場する物語『怪談』を執筆したことで有名です。彼は宍道湖をはじめ、自然豊かな松江の暮らしを愛しました。日本人の自然観や審美観を強く感じた場所であるとも言い伝えられています。
移動手段は「堀川めぐり」がおすすめ
観光中の移動手段は、終日何度も乗降自由な「堀川めぐり」という船が便利です。「堀川めぐり」は、簡単にお伝えすると、バスの船バージョンというイメージです。
全長約8メートル、幅約2メートルの小船で、松江城の周囲(コース全長3.7キロメートル)を約50分かけて走っています。チケットを1回買えば一日何度でも乗り放題で、15分間隔で出航しています。好きな乗船場で乗降可能です。料金もリーズナブルで、優しいガイドさんも付いているので、いいことづくめです!
靴は脱いで座るようになっていて、冬にはお布団まで用意があります。途中、橋の下をとおる際には、船の屋根が下がる仕組みになっています。まるでテーマパークのアトラクションに乗っているような気分を味わうことができます。
乗船場は三か所(カラコロ広場乗船場、大手前広場乗船場、ふれあい広場乗船場)あります。それぞれの乗船場にチケット売り場がありますので、一番最初に乗る際にチケットを購入しましょう。チケットは一度購入すれば終日そちらを使いまわせます。なお詳しいルート・乗船場のマップはこちらをご覧ください。
【1】9:30 宍道湖大橋
宍道湖大橋は、大橋川(おおはしがわ)にかかっている橋です。大橋川とは、宍道湖と中海(なかうみ)、二つの湖の中間に位置する川です。この宍道湖大橋から、朝の宍道湖鑑賞ができます。
湖いっぱいに朝霧が広がり、幻想的な景色を見ることができて、大変おすすめです。たくさんの水鳥たちも泳ぎだして、一日の始まりを感じます。また、宍道湖では二日に一度、シジミ漁が行われており、その様子を見ることもできます。
【2】10:40 小泉八雲記念館
松江観光で外せないスポットといえば、こちらの記念館です。雪女、ろくろ首など、日本の妖怪にまつわる物語『怪談』を執筆した小泉八雲(こいずみやくも)の生涯が、詳しくパネル展示された記念館となっています。
音声でちょっぴり怖い怪談話を聞けるコーナーもあったりと、たっぷりと小泉八雲の世界に浸ることができます。建物2階にはライブラリーが用意されており、関連書が多数揃っています。
小泉八雲(1850~1904年)について少しご紹介します。本名をパトリック・ラフカディオ・ハーンといい、ギリシャ西部のレフカダ島で生まれました。
ジャーナリストとして、様々な地域の取材や執筆活動を行うさなか、ニューヨークで読んだ英訳『古事記』が彼を魅了します。それをきっかけに来日を意識するようになり、1890年4月にようやく日本へと足を踏み入れます。8月には松江で英語教師となり、その後も熊本、神戸、東京などで仕事を積みました。
結婚相手は松江の士族の娘であった小泉セツです。著書『怪談』が生まれたのは、この妻が、昔から伝わる地域の妖怪話を何度も聞かせており、そこからヒントを得たからだとされています。
自然災害が多い風土が、国民性に与える影響に強い関心を持ち、日本人の自然観や審美観(美醜を見極める力のこと)に惹かれていたのだとか。松江のシンボル、宍道湖の夕陽を見ていると、不思議とその気持ちが分かるような気がしますよ。
【3】11:20 そば処「八雲庵」
「小泉八雲記念館」から、徒歩数分の場所に位置するおそば屋さんです。人気があり、常に混雑しているため、早めの訪問がおすすめです。日本庭園が美しく、広い敷地で営業されています。
名物は「出雲割子そば」。割子そばとは、出雲地方独特のそばで、お弁当箱のように外に持ち運んで食べたとされるものです。そのため、そばはいくつものお椀に分けて、重ねて入れられています。一段一段に入っている薬味が異なり、様々な味わいを楽しむことができます。濃いめのつゆを少量ずつかけて頂くのが通常の食べ方です。
筆者は、五色割子そば(1,350円)を頂きました。五色とは薬味を指します。葉わさび、なめこ、山菜、うずらの卵、大根おろしの五種類を楽しめます。お椀のフタを開けると、次々と新しい薬味が出てくるため、食べることが楽しくなること間違いなしです。
【4】12:00 小泉八雲旧居(ヘルン旧居)
文学者・小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)が、松江で暮らしていた約1年3か月のうち、約5か月間住んだとされる屋敷です。
もとは、根岸家という旧松江藩士の武家屋敷でした。家主の根岸氏が出雲地方で暮らしていたため、こちらは空家となっていました。「庭のある侍の屋敷に住みたい」という八雲の希望を聞いて、屋敷を貸すことになったのだとか。
屋敷は1868年に造られたもので、庭は枯山水の鑑賞式庭園となっています。規模は小さいですが、屋敷の周囲にはめいっぱいの草木が丁寧に植えられていて、高い評価を受けているそうです。自然の山水を絡めた庭は小泉八雲の著書『知られざる日本の面影』のなかでもその魅力が書かれています。
ちなみに館内の撮影は自由に行えます。日がよく当たる屋敷なので、縁側でゆったりとした時間を過ごすことができます。