パリスは、生まれた翌年に両親が離婚した。兄弟とともに父マイケルが親権を得て、カリフォルニア州サンタバーバラの大豪邸「ネバーランド・ランチ」で育てられ、プライベート教師によって教育を受けた。マイケルは子どもたちが社会の目にさらされるのをきらい、3人が公に場に登場する際は、マスクや布で顔を隠されていることが多かった。

父の死後に体重増えたのがきっかけ 自殺未遂を何度も

 父の死後、学校に通うようになり、2011年に子ども向けのファンタジー映画で俳優デビューした。2017年には大手モデル事務所と契約し、モデル業を本格的にスタートさせた。雑誌「ローリング・ストーン」の表紙を飾り、ファッションブランド「カルバン・クライン」の「顔」にも起用された。

 しかし、そのころから生活は乱れた。2017年には「ローリング・ストーン」のインタビューに、腕などに多数刻んだタトゥーについて、薬物使用と自傷行為による痕跡を隠すためのものだと話している。

 精神的な異変は父マイケルの死後、すぐに始まった。マイケルが亡くなってから体重が増え、「自傷行為に陥った」と2020年に明らかにしている。感情の起伏を抑えるために抗うつ剤を常用したという。

 自殺未遂は何度も繰り返していたことも明らかにしており、ユタ州にあるセラピー施設にも入所していた。

 薬物中毒、アルコール依存症からの脱却にひとまず成功したパリスは2024年12月、バンド仲間との婚約を発表した。今回のインスタグラムでの動画にも、キスをするなど仲が良い様子が映っている。

慈善活動に打ち込むプリンス 珍しく父について語る

 パリスの兄プリンスは2013年に俳優デビュー。テレビドラマシリーズに出演し話題となった。その後、音楽プロデューサー、YouTuberのキャリアを積んでいるが、現在はロサンゼルスの子どもや若者をサポートする活動に力を入れている。

 「偉大な父」といかに距離を置くかということに腐心しているといわれるが、2024年12月、慈善イベントに出席した際、AP通信のインタビューに応え、珍しく父マイケルについて語った。