首都圏での超高層マンション、いわゆるタワーマンションの建設は1996年以降増えている。
都心湾岸エリアなどにそびえ立つタワーマンションを見て、いつかは自分も購入したいと憧れを抱いたことがある人も多いだろう。
タワーマンションは眺望が良く共有設備が充実しており、住むこと自体にステータスがあるイメージだが、タワマンにはどのような特徴があるのだろうか?
タワーマンションの定義 法令の定めはないが20階建て以上のこと?
そもそもタワーマンションの定義はどうなっているのだろうか。
実はタワーマンションという言葉を明確に定義している法律はなく、建築基準法や消防法などで建物の高さにより異なる安全面の規制があるだけだ。
たとえば「100メートル以上のマンションをタワーマンションとする」といったように、明確に法令で定義されているわけではない。
ただ一般的には、高さ60mメートル超の建物が超高層建築物とされており、これに該当する住居用建築物がタワーマンションと呼ばれている。高さ60メートル超のマンションは、階数でおよそ20階建て以上になるため、おおむね20階建て以上で塔状のものが一般的なタワーマンションとされている。
タワーマンションの近年の動向について
タワーマンションはこのところ、値崩れのリスクが低く流動性に優れているとして人気となり、盛んに建築されるようになった。人気は首都圏・関西圏だけでなく地方中核都市にも波及した。
国土交通省よると、首都圏における完工戸数は1997年が約2400戸であったのに対し、2007年では約23000戸と10年間で約9倍になっている(「平成28年度住宅経済関連データ 超高層マンション竣工戸数の推移(首都圏)」)。
しかし2008年のリーマンショックに端を発する世界経済の落ち込みや、11年の東日本大震災による湾岸エリアの液状化や高層建築物への恐怖感などから、首都圏におけるタワーマンションの竣工は落ち込み傾向が続き、14年には約5600件にまで減った。
その後、世界的な景気回復やアベノミクスによる好景気の継続などにより、再び首都圏におけるタワーマンションの竣工戸数は増加傾向に持ち直しており、タワーマンション人気は現在も継続している。
タワマンの5つのメリット
タワーマンションには様々なメリットがある。野村不動産アーバンネットが居住者500人を対象に実施した「タワーマンションに関する意識調査」によると、購入者の9割超が「住んで良かったと思う」と回答しており、満足度の高さがうかがえる。当アンケートで居住者がタワーマンションのメリットとして挙げた順位は、以下の通りである。
1位 眺望の良さ
2位 防犯面で安心
3位 駅から近い
4位 共用施設・サービスが充実
5位 窓やカーテンを開けっぱなしにできる
2012年と少し古いデータではあるが、おおよその参考にはなるだろう。以下、この調査でも挙がった主なタワマンのメリットについて見ていこう。