(1)眺望の良さ

タワーマンションは上層階になるほど価格は高くなるが、その分周囲の視界を遮るものがなくなるため、素晴らしい眺望を手に入れられる。昼間は街を見下ろし遠くの山を眺め、夜はまばゆい夜景を自宅からいつでも見られることは、タワーマンションの醍醐味であり所有者にとってのステータスである。

高層階で周りに他の建物がなければ、周りから部屋の中を見られずにすむため、リビングルームのカーテンを開けっ放しにして、太陽の日差しに囲まれながら思う存分に景色を楽しむことができる。防犯の観点からも、高層階では外部からの侵入リスクが低くなるので、低層マンションよりも安全性が高いといえる。

(2)立地の良さ

一般にタワマンは駅近に建設されることが多く、中には駅直結のマンションもあるなど立地の良さというメリットがある。

タワマンの建設に伴い、近隣エリアの開発が進み、コンビニやスーパーなどの商業施設がより発展し生活の利便性が高まることも期待される。近年では都心湾岸エリアや、武蔵小杉周辺などタワマンを起点に街が発展する事例も見受けられる。こうした立地の良さがマンションの資産価値下落リスクを低くする。

(3)共用設備の充実

タワーマンションは一般的な低層マンションより共用設備が充実している点も、メリットのひとつである。物件により共用設備は異なるが、高さを活かし例えば居住者のみが利用できる夜景を楽しむことができるオープンラウンジ、空中庭園、シアタールーム、ジム、プール、キッズルームなどを備えたところもある。

また来客用にゲストルームを備えた物件もあり、中にはホテルのような感覚で来客者が宿泊できるゲストルームを備えたところもある。

(4)虫が少ない

低層アパートや一軒家で害虫の侵入を防ぐことは難しいが、高層マンションであればハエや蚊といった害虫の侵入リスクはかなり少なくなる。周辺環境にもよるが、害虫は一定以上の高度を飛ぶことができないため、高層階であればあるほど害虫が侵入する可能性は低くなる。そのため虫が苦手な方にとっては、上層階を選ぶことで虫に悩まされるリスクは低くなるだろう。

(5)税務面でのメリット

特に相続税の観点で、タワマンは低層マンションよりも有利になる場合がある。マンションは土地と建物部分に分けて相続税評価額を計算するが、土地の部分は全敷地に対する評価額に各戸の持分が案分される。

たとえばマンションの敷地全体の土地が1億円の価値で、戸数が100戸ある場合、1戸あたりの土地評価額は100万円となる。もし土地の評価額が変わらず戸数だけが200戸になれば、土地評価額は半分の50万円となる。

つまり建物が高層で戸数が増えれば増えるほど1戸あたりの土地評価額が小さくなり、結果として税金を安く抑えることができる。ただし住居用として相続したものを、相続後すぐに売却するなど露骨な節税対策をすると税務当局から否認されるリスクもあるので、相続目的で購入するのであれば、事前に専門の税理士などに相談したほうがよいだろう。