宇宙線の測定は、写真フィルム型の検出器「原子核乾版」により行われた。原子核乾版の分析は、名古屋大学が独自に開発している超高速自動飛跡読み取り装置を用いて行われる。

 原子核乾版は軽量で非常にコンパクトな上、電源を必要としない。そのため、狭い場所や粉塵が多い地下遺跡やトンネルの内部などの過酷な環境下での使用に適している。

 名古屋大学の研究グループは、この原子核乾版を用いた宇宙線イメージにより、過去にエジプトのクフ王のピラミッド内部に2つの未知の空間を発見している。

 研究チームは原子核乾版に加えて、宇宙線の観測で得られる宇宙線イメージから未知の埋葬室を探索するために、すでに知られている地下構造から期待される宇宙線イメージのシミュレーションを行った。

 シミュレーションのために、地上からアクセス可能なすべての地下構造のレーザースキャンを行い、正確な地下空間の3Dモデルを作成した。