16世紀以降に作られた貯水槽や、第二次世界大戦中の防空壕などの地下構造がこれらの遺跡を横断している場合には、地上から地下遺構の調査ができるため、ナポリのサニタ地区には。紀元前6~3世紀の古代ネクロポリスの2つの貴族の埋設室が存在することが知られている。
さらに、近年の地下遺構の3D測量による調査からそれらの周辺にも、別の埋葬室が存在するのではないか、という仮説が立てられていた。
そこで研究チームは、この仮説を検証するために、宇宙線イメージングによる未知の埋葬室の探査を行った。
宇宙線イメージングとは、大気上空で生成される素粒子ミューオンが持つ高い透過力を利用して、X線レントゲン撮影と同じ原理でピラミッドや火山などの巨大な物体の内部を可視化する技術。非破壊で地下構造を可視化できるため、地震波や掘削により穴をあけるボアホールのような調査方法が難しい都市環境に適している。
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