ひどい話があったものだ。日本障害者スキー連盟が管轄するパラアルペンスキー代表の20代のスタッフA子は、昨年就任したイタリア人ヘッドコーチ、ダリオ・カペリから何度もレイプされたというのだ。
今年1月、スペインで行われた世界選手権遠征中、夕食が終わった後、A子に一緒に来るようにジェスチャーしたという。
彼の部屋に連れ込まれ、無理やり抱きつかれ、「避妊具も着けずに挿入されました。行為が終わるとすぐに自分の服を着て、私の服は投げるように渡してきました」(A子)
彼女のブーツを持ち去り、それを取りに来るようにいって、また同じ行為に及んだというのである。
A子は、旧知の選手に相談し、選手らが強化本部長の大日向邦子に報告。事態を重く見た(そりゃそうだろう)大日向は、ダリオに対してチームを離れるよう伝えたという。
そこまでの対応は早かったが、A子が被害届を出して刑事事件にすることも考えているというと、連盟から、届を出すと聞き取り調査などで半年は帰国できないといわれ、諦めたという。
帰国後は、連盟の弁護士とカウンセラーとの面談があっただけで、何の連絡もなかったそうだ。
連盟からは「心の中に留めておいてほしい」と口止めされたというのである。
文春が連盟に聞くと、「本人の意向に基づき被害届を出さなかった」と回答したそうだ。
だが、A子は「連盟には早く事実を公表して欲しい。もしこのまま彼が他の国のコーチとなれば、同じことを繰り返す恐れもあるわけですから」
この国は、女性がレイプされても「穏便」に済まそうというどうしようもない国である。
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