未成年のダルビッシュの喫煙写真が写真週刊誌に掲載された。素行不良の印象に加え、輪をかけたのは、メディアの前で見せるぶっきらぼうな態度だった。
「考えられないくらいシャイな有が、よりによってあんな華やかな職業に就いてしまった。『ほんまにイヤや』とよく言っていました。本意でないことがあれこれ面白おかしく取り上げられ、『芸能人じゃなくて野球選手なのに、なんでこんなに追いかけ回されなきゃいけないんだ』と」(郁代)
プロ入り3年目にタレントの紗栄子と結婚して2人の子どもをもうけたが、離婚。その後、元プロレスリング世界王者の山本聖子と再婚している。
プロ入り3年目のオフ、史上最年少で2億円プレーヤーとなったダルビッシュは、発展途上国に安全な水を確保する「水基金」を設立する。翌年は故郷・羽曳野に「子ども福祉基金」を立ち上げる。1勝につきそれぞれ10万円を寄付する。これまで3000万円以上を投じた計算になるそうである。
「プロ野球選手になれて普通より多くのお金をいただける立場になり、自分ができることとして、世の中に還元していくと。有は今も野球以外には無頓着で、お金にも執着しない子でしたから、自然と寄付する流れになりました」(同)
郁代は、有は本当は、また日本に帰って野球がしたいって思っていたんだろうな、と語り、涙ぐみながらこう語った。
WBCで日本に帰ってきて、日本のマウンドで投げられた。
「〈何度も夢に見た日本のマウンド〉で投げられて〈幸せでした〉という言葉が、この12年を物語っているような気がして……」(同)
ダルビッシュ有に歴史ありだ。
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