つみたて投資枠とは
つみたて投資枠とは現行のつみたてNISAに相当する制度となっていて、買付方法は積立のみとなっています。年間の投資限度額は120万円と大幅に増えました。
つみたて投資枠の主な特徴は3つです。
商品が絞られていて選びやすい
投資対象の商品は金融庁が選んだ投資信託等に限定される予定となっています。
投資対象が無数にある中で、購入できる金融商品が絞られるのは、迷いにくいという意味では嬉しいポイントです。
金融庁が金融商品を選定するということも、安心して投資できる要因のひとつとなるでしょう。
自動で積立投資できる
安いときに買って、高いときに売るのが利益を得るためのセオリーですが、その見極めは容易ではないでしょう。
その点、つみたて投資枠では買付方法が限定されているため、買うタイミングを選ぶ必要がありません。
買付設定を行えば、あとは自動的に毎月投資されるので、仕事や子育てに忙しくても、初心者の方でも買うタイミングに悩まず、投資を継続しやすいでしょう。
低コストで投資できる
つみたて投資枠の対象商品はまだ決まっていませんが、つみたてNISAを踏襲するなら、長期投資に最適な手数料の低い商品から選べると予想できます。
長期間の投資になるほど手数料等の影響が大きくなるので、利益を最大化するためにコストは重要なポイントです。
成長投資枠とは
成長投資枠とは現行の一般NISAに相当する制度となっていて、買付方法の縛りも少なく、自由度が高い設計となっています。
併用も可能なため、「つみたて投資枠」で堅実な投資を行い、「成長投資枠」で少しリスクをとって運用する、といった使い分けも可能です。
ここからは、成長投資枠の特徴を3つに絞って説明していきます。
幅広い商品から投資先が選べる
現行の一般NISAと同様に、投資信託のほか、個別銘柄も対象となります。た
だし、長期投資を前提としているため、長期的な資産形成にそぐわない「レバレッジ型」や上場廃止が決定した整理銘柄などは対象外となる見込みです。
自分のタイミングで投資できる
成長投資枠では買付タイミングを選べるため、まとまった資金の一括投資もできます。
資金に余裕があるけれど、銘柄選定や購入タイミングの見極めに自信がないという場合には、成長投資枠での積立投資も可能です。
投資経験者も使いやすい
自由度が高いため、投資経験者も使いやすい制度設計となっています。選べる商品も多く、買付方法や投資金額の制約もつみたて投資枠より少ないため、まとまった金額を非課税で比較的自由に投資ができるでしょう。
新NISAを始めるときの注意点
今回の制度改正の方針を見る限り、新NISAは全体的にはパワーアップしたといえるでしょう。
しかし、注意点がないわけではありません。損をしないためにも、新NISAで投資を行う前にその点をしっかり理解しておきましょう。
税法上のメリットを受けられない
現行のNISAに引き続き、「損益通算」と「繰越控除」を受けることができません。一般口座や特定口座で利用できる「損益通算」と「繰越控除」とは、売却して損失が出た取引があれば、利益と差し引きして相殺できる制度です。
※損益通算:1年間の課税口座での取引で売買の損失を同じ年の利益と相殺すること。
※繰越控除:損益通算をしても1年間の売買で損失が出た場合、翌年以降3年間の利益から損失を差し引きできる仕組みのこと。
現行NISAと新NISAは別々にカウントされる
新NISAの非課税保有限度額の1800万円は、2024年以降に新たに付与されるため、現行NISAと合算にはなりません。
仮につみたてNISAで現状80万円の非課税投資を行っていた場合、それとは別枠で2024年に1800万円の上限額が付与されます。
元本割れのリスクがある
新NISAの投資では、元本は保証されません。株式市場が暴落した直後など、元本割れするタイミングでの利益確定は、損失になります。
優良銘柄に投資していても、タイミングによっては元本割れになる可能性があることは理解しておく必要があるでしょう。
新NISAを活用するうえで大事なこと
ここまで「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴や新NISA利用の注意点について説明しました。
最後に、使いやすさが大きく向上した新NISAで失敗しないために大切なことを3つ解説します。
無理な金額で投資をしない
長期的な視点での資産形成が大事なので、上限額が大きくなったとはいえ、借金をしてまで年間投資枠を埋めるなど、無理な投資はやめましょう。
自分のリスク許容度に合わせた投資を行う
同じ年収や貯蓄額であっても、家族構成や自分の性格によってリスク許容度は異なります。下落相場で不安な気持ちが続いて仕事に集中できないなど、日常に支障が出る場合は投資金額や商品の見直しが必要です。
迷うなら積立投資のみでもOK
運用方法に迷うなら、分散されたインデックスファンドへの積立投資を行うのみでも新NISAのメリットを十分に享受できます。投資初心者なら、内容がわからない商品にあれこれ手を出すなど、不要なリスクを冒さないことが損をしないためのポイントです。
著者・fuelle編集部
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