インストラクターだったら一度はぶつかる壁の一つが「レベルの違う生徒さんをどう教えるか」問題。

ここでは10代〜70代までを同時に教えたことが何度もある筆者自身の体験も踏まえ、レベルの異なる生徒さんが集まった時にどのようにクラスをまとめていくか、そのテクニックについて詳しくご紹介。

クラスのレベルを別けるのは簡単、同じ内容を全ての人に提供するのは挑戦

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

クラスのレベルを「初級」「中級」「上級」と別けるのは簡単です。

あるいは「シニア」「キッズ」「マタニティ」「瞑想」「インヨガ」などテーマを決めてクラスを開催するのも簡単です。

なぜなら参加する生徒さんは「わかっていて」それに参加するから。

例え「マタニティ」に男性が参加したとしても(男性禁止ではないマタニティクラス)、それはパートナーのためにとか知識を得るために、など理由があるはずです。

ですから、通常通りの「マタニティクラス」を開催して、生徒さんから「文句」や「クレーム」が入ることはないはずです。

あったとしても、それはクラスの内容に関するものではないでしょう。

一方「オールレベル」のクラスを教えることは実はインストラクターにとって大きなチャレンジです。

「オールレベル」のクラス説明には大抵「初心者OK!体の硬い方OK!シニアOK!男性可」と書かれており、実際そのように背景が全く異なる人たちが集まりがちです。

クラスを開始して一般的な「太陽礼拝」に進んでも、チャトランガ(腕立て)が全くできない人、立位前屈が全くできない人、逆にインストラクターとほぼ同じレベルでサクサク動ける人など、生徒さんの動きもバラバラになり、皆さんが同じように「気持ち良い」を体感しているのか、インストラクターは不安になり、消化不良のままクラスが終わることは「あるある」です。

ですから、レベルの違う人たち、もっと言えば「ヨガをする目的」が異なる人たちに同じレッスンを提供するのは実はとてつもなく難易度が高いことなのです。

オールレベルのクラスを教えられる人こそ本当のヨガインストラクター

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

ただし、オールレベルのクラスはとても重要です。

インストラクターはぜひオールレベルのクラスを担当すべきだと考えます。

なぜなら、ヨガとは本来老若男女、誰にでもできるはずのものだからです。

インストラクターが生徒さんを選んだり、排除したり、特定の生徒さんに苦手意識を持つべきでありません。

それでも多くのインストラクターがオールレベルのクラス内容に頭を抱えるのは、「生徒さんが何のためにヨガクラスに参加しているのか?」を考えてしまうからです。

「生徒さんの要望に応えたい」と思ってしまうと、オールレベルのクラスはややこしくなります。

生徒さんによって「リフレッシュ」「ダイエット」「首こりや肩こりの解消」「運動不足解消」など、目的は実にさまざまだからです。

しかし、「ヨガクラスが提供すべきこと」ということだけを追求すると、必然的に「オールレベル」のクラス内容が見えてくるようになります。

ヨガクラスが提供すべきことはシンプルで「アーサナ(ポーズ)」「呼吸法」「瞑想」というヨガの八支則に従うことであり、「瞑想」のために「アーサナ」と「呼吸」を行うということです。

つまり「きちんと座って、ゆっくり呼吸をする」ためだけに必要なアーサナがあれば十分であり、これこそがオールレベルのヨガクラスですべきことだと言えるでしょう。