足首を回すだけでも、極上のクラスを提供できるのが目指すべきインストラクターの姿

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

「ポーズが難しかった」「ポーズが簡単だった」「もっとたくさん動きたかった」といった感想を生徒さんからいただくかもしれませんが、それは「ポーズ」の話であって、「ヨガ」の話ではありません。

ポーズの後に呼吸法と瞑想を行い、心身に「平穏」や「幸福感」を感じることがヨガであり、そのゴールさえ達成できれば、ポーズに対するご意見もほとんどなくなってきます。

以前、私自身がある大御所の先生のクラスに参加した時のエピソードをご紹介しましょう。

90分のクラスのうち30分も足指や足首のほぐしに時間を使っていたので、だんだん不満を感じていきました。

「もっと動きたい」「早くポーズをしたい」。そんな不満です。

ところがその後、数ポーズとても簡単なヨガポーズを行い、物足りなさを感じながらも、呼吸法をして瞑想をすると驚くほど深く瞑想に入れ、シャバアーサナでも非常に深いリラックスを感じ、最終的には「足首を回しただけで?!」と逆に衝撃を受けたことがあります。

「ヨガ=ポーズではない、ポーズはヨガの一部にしか過ぎない」を心から感じたクラスでした。

日頃動くことが大好きな私にはポーズの部分だけを切り取ると「物足りない」になってしまいますが、「ヨガクラス」としては「最高にリフレッシュ・リラックスできた!自分を知ることができた!(普段動き過ぎている)」という最高のクラス体験になったのです。

それ以降、私も迷いなく「生徒さんのニーズに応える」だけでなく「ヨガが提供すべきものを提供する」の視点でオールレベルのクラスを組むようになりました。

今では同じクラスに10代〜70代までが一緒に参加することもありますが、何の問題も感じなくなりました。

呼吸法も瞑想も、それによる効果も10代〜70代までほとんど同じ伝え方で伝わるからです。

まとめ

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

生徒さんに「できる」「できない」「硬い」「柔らかい」「あの人は」「私は」と感じさせてしまうような言葉や動き(ポーズ)は極力クラスから減らし、「タダアーサナ(山のポーズ)」や「ダンダアーサナ(杖のポーズ)」などただ立つ、座る、といったポーズが自信を持って取り組めるようにすること、それが心身の健康に最も必要であることは、10代でも70代でも案外疎かにしがちです。

呼吸法や瞑想法は10代にも70代にも必要ですが、それが苦手な人が多いのは、そのための体の準備ができていないからです。

呼吸法や瞑想の準備の動きをすることがオールレベルのクラスに最も必要なことです。

その上で、わかりやすい言葉で呼吸法と瞑想を誘導しポーズ以外の「ヨガ」を体験してもらうことがオールレベルのヨガクラスで重要なことではないでしょうか。

提供・yoganess



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