ヨガの流派の一つとして考えられている「ハタヨガ」。

多くの人が知っている「アシュタンガヨガ」「ヴィンヤサヨガ」「パワーヨガ」などの本元のヨガであり、これらのヨガも「ハタヨガ」の一部ということをご存知でしょうか。

ここではハタヨガの内容や特徴などをご紹介しましょう。

ハタヨガの理解に欠かせない、ヨガのルーツとは?

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

ハタヨガを理解するためには、ヨガのルーツを理解する必要があります。

ヨガの歴史

そもそもヨガの歴史は紀元前にさかのぼり、今から約4500年前にはヨガがはじまっていました。

しかし、ヨガの修行体系が「書物」としてまとめられたのは紀元前200年〜100年の間で、その大仕事を成しとげた人物がパタンジャリ大師と呼ばれる人物です。

パタンジャリが登場する2000年以上前から存在していたヨガですが、それまでヨガのさまざまな哲学や修練法は口頭でグルから弟子たちに伝えられてきました。

それを「経典」のかたちでまとめたのが、パタンジャリなのです。

この経典は『ヨーガスートラ』と呼ばれます。

ヨガの哲学的な学びに触れたことがある人であれば、一度でも聞いたことがあるはずの「八支則アシュタンガ」という概念もこの経典の中に書かれています。

『ヨーガスートラ』はヨガを学ぶ人にとって最重要バイブルとして世界中で出版されており、現在も多くの人に読み継がれています。

『ヨーガスートラ』の中には「ポーズ」も含まれていますが、ヨガのあり方としては「坐法」や「瞑想」がメインで、また最終目的は「解脱」であるため、「静的なヨガ」と理解されています。

ハタヨガのはじまり

この『ヨーガスートラ』の中でも、「ポーズ」と「呼吸法」をより意識して修練するヨガとして「ハタヨガ」が11〜12世紀頃に誕生。

ゴーラクシャ・ナータという人物によって考案されたという説が有力です。

「ハタヨガ」はそれ以前の「静的なヨガ」よりも、肉体をコントロールするための「動的なポーズと呼吸法」にフォーカスしています。

ハタヨガとは動くヨガ?異なるエネルギーを合わせるヨガ

『yoganess』より引用
(画像=『yoganess』より引用)

ハタヨガは、どちらかといえば肉体をコントロールし、肉体をコントロールすることによって心を調整することを目的としているヨガといえるでしょう。

ちなみに、ハタヨガの「ハタ」を直訳すると「力、努力」などという意味になるので、ハタヨガとは「力のヨガ」といいかえることができます。

また、サンスクリット語では「ハ」が「太陽=陽のエネルギー」、「タ」が「月=陰のエネルギー」という意味であるため、「2つの反するエネルギーを合わせるヨガ」と教える先生もたくさんいます。

2つの反するエネルギー例

精神
強さ&しなやかさ
肉体
骨のような強いパーツ&筋肉や脂肪のように柔らかいパーツ
呼吸
力強い呼吸&リラックスした呼吸
自律神経系
交感神経&副交感神経

私達のカラダにも存在する、2つの相反するエネルギーのバランスを整えることが、「陽」と「陰」のヨガ(つまり「ハタヨガ」)です

いずれにせよ「ポーズ」や「呼吸法」をメインとしたヨガが「ハタヨガ」であるので、みなさんの練習しているヨガも「ハタヨガ」だということになります。