ポリエステルは素材の服は安価で乾きやすいという特徴があります。しかしポリエステル100パーセントの服は、扱いが難しいことがあります。この記事では、ポリエステルの特徴やデメリット、他の素材との違い、洗濯の仕方などを紹介していきます。
ポリエステル素材の特徴とは?
ポリエステル素材の特徴①耐久性にすぐれる
ポリエステル素材の特徴1つ目は、「耐久性にすぐれる」です。ポリエステル素材で出来た製品は強度が高く、濡れても柔らかくならないという特徴があります。ですから洗濯で服が縮んでしまう心配がありませんし、洗濯をくり返しても劣化しにくいのです。
また、合成繊維の中では熱に強いほうですから、アイロンがけができるというメリットがあります。ただし、アイロンをあまりにも高い温度にすると、繊維が溶けてしまう可能性があります。ポリエステルの服にアイロンをかけるときは低温でかけるようにしましょう。
日光の紫外線にも強いですし、雨風や温度変化にも強いですから、普段着として安心して着られるのも、ポリエステル素材の良いところでしょう。
ポリエステル素材の特徴②速乾性がある
ポリエステル素材の特徴2つ目は、「速乾性がある」です。ポリエステル素材は、湿気を吸いにくいという性質があります。そのため水に濡れても水を吸い込まず、乾きやすい「速乾性」があるのが特徴です。暑い季節や運動をするときなど、汗をかきやすい場面にはポリエステル100パーセントの服がオススメです。
ポリエステルは乾きやすいという性質から、ひんぱんに汚してしまう服にも向いています。小学校の体操服などは、ポリエステル100パーセントのものが多いようです。また伸縮性もあるので、頭にピッタリとかぶる体操用の帽子などにも使われています。
ポリエステル素材の特徴③保管が容易
ポリエステル素材の特徴3つ目は、「保管が容易」です。ポリエステル素材の大きな特徴として、虫害を受けないというものがあります。これはポリエステルが石油由来でできているためです。そのため薬品にも強く、薬品を扱う職場の服などにも使われています。
季節物の服を長い間しまっておくと、カビが生えたり虫食いが心配になりますよね。自然素材の服なら、カビ対策に除湿剤を入れたり、虫よけの防虫剤を入れたりする必要があるでしょう。それに比べて、ポリエステルならカビにも強いですし、虫食いもないので保管がとても楽になります。
ただし、服に皮脂や汗がついていると、その部分を虫に食べられてしまうことがあるようです。保管が容易なポリエステルですが、「保管前にきれいに洗う」などのお手入れはしておきましょう。
ポリエステル素材の特徴④シワになりにくい
ポリエステル素材の特徴4つ目は、「シワになりにくい」です。ポリエステル素材を触ると「ハリ」がありますよね。このハリやコシが、水に濡れても失われにくいという特徴があります。そのため、洗濯しても服が型崩れしにくく、シワになりにくいのです。
ポリエステル素材の服なら、たとえシワができたとしても、ほとんどの場合すぐに元に戻ります。ですから、洗濯したあとにアイロンをかけなくても、きれいな状態で着ることができるわけです。面倒なアイロンがけがほとんど必要ないのは嬉しいですよね。
ポリエステル素材の特徴⑤プリーツの保持性が高い
ポリエステル素材の特徴5つ目は、「プリーツの保持性が高い」です。ポリエステルは「熱可塑性」のある素材です。熱可塑性とは、熱を加えると柔らかくなって成形しやすくなり、冷えると固くなる性質のことです。常温では形が変わらないので、スカートなどのプリーツ加工によく使われます。
ポリエステル素材の服は、この性質のおかげでプリーツ加工を長く保たせることができます。ですから、ブラウスやプリーツのスカートなどには、ポリエステルがよく使われているようです。
ポリエステルは形状安定性が特に強いですから、洗濯したあとでもプリーツがとれてしまうことはありません。ただし、高温にさらすと折り目が取れてしまうことがあるようです。プリーツ加工の服にアイロンをかけるときは、温度に注意するようにしてくださいね。
ポリエステル素材のデメリットとは?
乾きやすいポリエステル素材のデメリット①静電気が起こりやすい
乾きやすいポリエステル素材のデメリット1つ目は、静電気が起こりやすいことです。ポリエステル素材の服を着用していると、静電気で体にくっついてしまうことがあります。
例えば、スカートの裏地などはよくポリエステル素材が使われますが、裏地がストッキングとこすれてスカートが足にまとわりついてくる、という経験をした女性も多いでしょう。特に、冬場は静電気が起きやすくなります。
静電気が起きると、服がチクチクする感じがしますね。あのチクチクが、肌にダメージを与えてしまいます。人によっては、肌が赤くなってしまうこともあるようです。冬にポリエステルの服を着るなら、綿素材の服を一緒に着れば多少静電気を抑えられるようです。
乾きやすいポリエステル素材のデメリット②毛玉ができやすい
乾きやすいポリエステル素材のデメリット2つ目は、毛玉ができやすいことです。例えばウール素材の服ならば、毛玉ができても取りやすいですよね。しかし、合成繊維であるポリエステルは強度が高いので、できた毛玉が服表面にしっかりくっついて、取りにくくなってしまいます。
毛玉のできる主な原因は、洗濯のときに起こる服どうしの摩擦です。毛玉ができると、肌が弱い人はこすれて赤くなってしまう心配があります。あまりにも頻繁に洗濯をしていると、取れにくい毛玉ができてしまって、服を処分するしかなくなってしまうでしょう。
ポリエステルの服を連続して着回したりすると、毛玉のせいで服の寿命も短くなる可能性があります。お気に入りの服がポリエステル素材なら、あまり連続着用せずに、大事に着るようにしたほうがよいかもしれませんね。
乾きやすいポリエステル素材のデメリット③吸湿性に乏しい
乾きやすいポリエステル素材のデメリット3つ目は、吸湿性に乏しいことです。ポリエステル素材が水分を吸い取りにくいことは、上で紹介しましたね。そのおかげで乾きやすいわけですが、汗を吸いにくいというデメリットにもなっています。
ポリエステル繊維自体には吸湿や吸汗性能がないので、夏場にポリエステル100パーセントの服を着ると、非常に蒸れやすくなってしまいます。汗をかきやすい場面では、加工されていないポリエステル100パーセントの服は避けたほうが無難です。
速乾性を謳っているポリエステル100パーセントの服ならば、服に加工する段階で水分を吸収する性質を持たせているので、汗もしっかり吸収してくれます。夏にポリエステルの服を着るときは、このような加工をされた服を選ぶようにしましょう。
ポリエステル素材とナイロン素材の違いとは?
ポリエステル素材と違うナイロン素材の特徴①柔軟性がある
ポリエステル素材と違うナイロン素材の特徴1つ目は、「柔軟性がある」です。ナイロンが最初に加工された製品は、女性用のストッキングでした。このことからも分かるように、ナイロンは伸びがあって柔軟性があり、ポリエステルよりも柔らかく感じます。
柔軟性があるため生地も薄くて軽く、温度が低くても硬くなりにくい特徴があります。繊維に弾力性があって、シワになりにくく型崩れもしにくくなっています。伸びがあり弾力性にもすぐれることから、衝撃を吸収するために使われることもあるようです。
ポリエステル素材と違うナイロン素材の特徴②発色性にすぐれる
ポリエステル素材と違うナイロン素材の特徴2つ目は、「発色性にすぐれる」です。ナイロン素材は染色しやすく、色がきれいに発色するという特徴があります。そのため、色の鮮やかなアウターやジャケットにはナイロン製のものが多いようです。
鮮やかな色が付いているナイロン製の服は、洗濯の時に色移りしやすそうで心配になってしまいますよね。でも安心してください。ナイロンは色移りしない素材なので、他の服と一緒に洗濯しても大丈夫なんです。
ただし、色落ちはしませんが、色が褪せることはあるので気をつけましょう。色褪せのほかに、日光にあたったり長期間保存すると、黄色く変色してしまうという欠点もあります。
ポリエステル素材と違うナイロン素材の特徴③強度が高い
ポリエステル素材と違うナイロン素材の特徴3つ目は、「強度が高い」です。ナイロン素材は摩耗、摩擦に強い繊維です。薄くて軽い生地ですが、引っ張る力にも強く、とても丈夫です。また薬品にも耐性があるという、優れた特徴を持っています。
ポリエステルよりも摩擦に強いので、ひんぱんに洗濯をする服に向いています。強度が高い素材なので、工事現場の制服などでもよく使われているようです。このほかにも、ポリエステルと同じように乾きやすい性質で、カビ、虫害にも強い素材となっています。