今や地方の物価のほうが高い
そして、もう一つ筆者が感じるいびつさは、都市部と地方の価格逆転です。
店舗運営コストは都市部より地方のほうが低い。テナント料も人件費も低いからです。
しかし、販売競争の激しい都市部では無理してでも値上げを抑えている店が多いのに対し、人口が減っている地方は、地元のスーパーが1軒だけ。便利に物が売られているだけで助かるという地域も少なくありません。
競合相手の店もないので価格も安定していて、都市部の私が地方に出かけてスーパーに入ったりすると、価格が都会と変わらないかそれ以上のことが多くて驚いています。今や地方の物価のほうが高いのです。
この物価高にどう我々は対処していったらいいでしょうか。
賃上げ、個人消費の増加につながる政策が必要
まずは政治に求めたいのは賃上げの実現です。今や国民の40%前後が生活苦。買いたいものが山ほどあるのにお金がなくて買えない層が多いのです。ここにもう少しお金が流れるようにしてもらいたいものです。
さらに、分厚く豊かに消費者の購買意欲を上げるために、低所得層だけでなく年収500~800万円という中間層の所得も増やすべきです。それがあってこそ、初めて日本経済を復活の流れに乗せるための個人消費の増加につながるからです。
個人の所得が増えて、物が売れて、景気が良くなり価格もジワリと上がっていく。健全な物価上昇の流れを作らなければなりません。
岸田首相は今年は3%の実質賃上げをしたいと言ってます。それならば、まずは低所得に甘んじている非正規の公務員、国の医療費や薬価など政策で大きく影響される、医療関係者、介護や保育、教育関係者の賃金水準を民間に率先してあげるべきでしょう。いや、あげられるような政策を進める必要があるはずです。