東京に伝わる郷土料理をくわしく解説!東京へ旅行に行ったら一度は食べてみたい、名物の食べ物・料理をまとめてご紹介します。旅行ツウのトラベルライターおすすめのお店情報もお見逃しなく!
【1】江戸前寿司
「江戸前寿司」とは、名前の通り江戸時代に生まれたお寿司のことで、江戸の前、つまり東京湾で水揚げされた魚介類を使ったものを呼んでいました。せっかちな江戸っ子が素早く食事をできるようにと、シャリとネタを一緒に握って提供したのが始まりです。
当時は冷蔵庫がなかったため、生魚を酢や塩で締めたり、タレにつけこんだりして保存したものがネタの主流でした。それが今でも残り、江戸前寿司には煮穴子や蒸しエビ、玉子焼きといったネタが含まれています。
【2】どじょう鍋(どぜう鍋)
丸鍋にどじょうを入れ割下で煮込んだ料理で、江戸時代から東京の下町を中心に食べられてきました。庶民の味としても親しまれ、江戸っ子たちのソウルフードとも言える郷土料理です。
まずは、生きたどじょうを酒に入れ、酔わせた状態にしておとなしくさせます。それを鍋に入れて煮込み、ネギをたっぷりかけたらできあがり。滋養強壮に効果があり、夏場は特に好まれたそうです。似たようなものに「柳川鍋」というものがあり、こちらはどじょう鍋にささがきごぼうを入れ、卵でとじた料理のことを言います。
どじょう鍋のおすすめ店:駒形どぜう
東京の浅草にある、どじょうとくじら料理のお店。1801年創業で、江戸時代のグルメガイド本『江戸名物酒飯手引草』にも記載されている老舗です。
名物「どぜうなべ」は、どじょうが敷き詰められた丸鍋に12匹ほどのどじょうと割下、ネギのみが入ったメニュー。どじょうはすでに下ごしらえがされており、それを味噌風味の甘めの割下が入った鍋で煮込みます。どじょうはかなり柔らかく、箸でつかむと崩れるほど。臭みなどは一切なく、骨ごと食べられます。山椒と七味を使用して、好みの食べ方で食べ進めましょう。
【3】深川めし
「深川めし」とは、「貝を炊き込んだ、または、煮てぶっかけたご飯」のことです。東京はもちろん、日本を代表する郷土料理のひとつで、「日本五大銘飯」や「農林水産省郷土料理100選」にも選ばれています。
深川めしのルーツは、江戸時代の深川の漁師の生活に関係しているそう。漁師が貝の味噌汁をご飯にぶっかけて食べていたのが始まりと言われています。一方、大工さんは貝を炊き込みご飯にいれてお弁当にしていたそうです。その名残から深川めしには、あさりとネギを味噌で煮込み汁ごとご飯にかけたものと、あさりの炊き込みご飯の2種類あります。
深川めしのおすすめ店:深川宿 本店
絶品の深川めしを味わえるお店として評判なのが「深川宿」。上記で紹介した2種類の深川めしを提供しており、両方食べられるセットメニューも用意されています。
ぶっかけタイプの深川めしは、あさりのダシが効いた味噌味ベースの熱々の汁がご飯にたっぷりとかけられており、これぞ漁師飯という雰囲気。一方で炊き込みご飯の方は醤油風味の優しい味付けで、トッピングの海苔が良いアクセントになっています。
【4】羽根つき餃子
鎌田名物として知られる「羽根つき餃子」。考案されたのは、約30年前と比較的新しい郷土料理です。餃子の周りに大きく付いた羽根が特徴で、パリパリ&もちっとした食感が楽しめます。羽根つき餃子発祥の店として知られる「你好(ニイハオ) 恵馨閣」をはじめ、鎌田には餃子を提供するお店がたくさんあります。
羽根つき餃子のおすすめ店:歓迎 本店
「羽根つき餃子」のなかでも、蒲田餃子御三家と呼ばれる3店舗が有名で、そのひとつが「歓迎」です。場所はJR「蒲田駅」の南口から歩いて3分ほど。オープン直後から多くのお客さんが訪れます。
中華料理のメニューが豊富なのはもちろん、餃子も、一番人気の「羽根つき焼き餃子」をはじめ「エビ入り水餃子」「豚肉水餃子」「エビ入り揚げ餃子」「エビ入り蒸し餃子」などが揃います。
【5】もんじゃ焼き
江戸時代に東京の下町で生まれた料理。お好み焼きより水分量が多く、鉄板の上に広げてグツグツと煮ながら焼き、ヘラの形をした小さい「はがし」ですくいながら食べます。お好み焼きと違って、ソースなどの調味料は具材と一緒に混ぜて焼くのが特徴です。
もんじゃ焼きのおすすめ店①:おかめ ひょっとこ店
月島にある、多彩なメニューと明るい雰囲気が人気のもんじゃ店。海鮮の他、モツや牛スジなどのホルモンを入れるもんじゃメニューがあります。ベビースターもんじゃは遊び心満載で、現代版の駄菓子屋もんじゃといった様相の楽しい一品です。デザートメニューには、あんこ巻きもあります。
もんじゃ焼きのおすすめ店②:もへじ 渋谷スクランブルスクエア店
月島で人気のもんじゃのお店「もへじ」の渋谷店。明太子やあさりなどを使った伝統的なもんじゃのほか、クラムチャウダーやフォアグラ、オマール海老といったオリジナルのもんじゃも味わうことができます。
オリジナルのもんじゃでおすすめの一品が、「ペスカトーレもんじゃ」。ホタテやタコ、イカなど、パスタのペスカトーレで使う魚介類がたっぷりと入っており、キャベツやだしとの相性も抜群です。店員さんに目の前で作ってもらえるので、出来たてを熱々のうちにいただきましょう。
【6】ちゃんこ鍋
「ちゃんこ」とは、もともとは力士の食事を指す言葉で、ちゃんこ鍋自体は明治時代に両国にある出羽海部屋で誕生しました。具材に決まりはなく、魚介や肉類、野菜など様々なものを入れた寄せ鍋という位置づけです。スープの味も自由に決められるという幅の広さが特徴で、お店独自の味わいが楽しめます。
ちゃんこ鍋のおすすめ店:ちゃんこ霧島 両国江戸NOREN店
JR両国駅直結の複合施設「両国江戸NOREN(のれん)」に入る、ちゃんこ鍋屋さん。元大関・霧島で、陸奥部屋(みちのくべや)の陸奥親方がプロデュースしたお店です。
名物の「ちゃんこ鍋」は、鶏肉やつみれ、エビなどを、自慢の鶏ガラ豚骨スープで煮込んだ一品。あっさりとしたスープは、具材との相性も抜群です。〆は雑炊、またはうどんを食べてみて。