影響を受けたアーティスト
ーーAREA21が影響を受けたアーティストには、どのような人たちがいますか?
マーティン:ファレル・ウィリアムスとアウトキャストだね。
メイジャー:僕はボブ・マーリーかな、他にも偉大なるアーティストがたくさんいるよ。ローリング・ストーンズやU2など、人々を繋げる音楽を生み出している人たちだね。ビートルズもそうだし、あらゆるスタイルの音楽から僕たちは影響を受けている。僕は2パックからの影響もあるし。
ーー素顔を見せずにアニメを使うという点に関しては、ゴリラズやダフト・パンクの影響もありましたか?
マーティン:もちろん100%そうだよ。ゴリラズの音楽とアニメを融合した見せ方はとてもユニークで他とは違っていたと思うし、ダフト・パンクもそうだよね。斬新で画期的だった思うんだ。今でもギャリックスのショウでは彼らの「ワン・モア・タイム」をいつも掛けている。僕たちの音楽も、そんなふうにタイムレスに聴き継がれるものであってほしいと思っているし、サウンド面のみならずリリック面においても、10年20年30年後でもAREA21を耳にして、時代を超えて愛されるとうれしいよね。これからはもっとデジタルやVR、メタバースなどが進むだろうから。
ーーパーティ・チューンのみならず、「Followers」のような現代のソーシャル・メディアに関する問題なども取り上げています。SNSとはどんなふうに付き合っていくべきだと思いますか?
メイジャー:SNSにはいい面と悪い面とがあると思うんだ。いい面は、友人や家族と連絡を取ったり、世界の見聞を広めて探検したりできるのは、すごくいいことだと思うんだ。僕はミシガン州のデトロイト出身だけど、こうして音楽業に入れたのもソーシャル・メディアがあったから。実際にはそこにいなくても、ネットやSNSがあったから可能になったと思うんだ。でも、みんなが苦労していることもある。SNSのおかげで、みんなが…
マーティン:他人と比較したり。
メイジャー:そうそう、他人と比較したり、依存しすぎたり。ネットばかり見ていると、本当に何が大切なのか、現実を忘れてしまいがち。常に他人と比較したり、自分自身を批判して落ち込んでしまったり、他人が何をしているかばかり気にかけて、健全じゃないんだよ。だから僕たちはそういう点については警笛を鳴らしておきたかったわけだけど、何も全てを否定しようってわけじゃない。すばらしいツールであることも確かだよ。
マーティン:特にコロナ禍では、人々を繋いでくれた。健全なバランスを見つけることが大切ってことだよね。とにかく他人と比較し始めたらよくないと思うな。服装にしても、アーティストにしても、アートやサウンドのことにしても、どちらが上とか比較したり、数字を比べたり。そうなるともうお終いだよね。
みんなぞれぞれに道があり、進み方があると思うから、他人と比べてばかりいたら自分を見失ってしまう。“あっちの方がクール”だとか、”あっちの写真の方がクール”とか思っていたらキリがない。だって最高のローケーションで写した最高の写真しかみんなアップしないからね。SNSの上では誰もがハッピーに見えるから。でも、現実にはそんなのありえない。誰だって感情の浮き沈みはあるわけで、その現実とSNSとの違いを知っておくことが大切だと思うんだ。
エイリアンの立場から、地球の人々へ伝えたいメッセージ
ーー国籍や人種、性別などとは無縁のエイリアンの2人にとって、地球上の人々がやってることで不思議に映ったり、変だな、変わればいいのにと思うことはありますか?
マーティン:エイリアンから見て国境って何のため?ってすごく不思議だよね。地球は球体なのに、あえて線を引くなんて。どんな愛だって愛なのに。誰を愛しようと愛には変わりない。凄く見方が狭いというか、愛の形で区別しようとしてみたり。地球以外の星ではそんなの見たことないよ、とても不思議だね。誰を愛しようと自由だし、他人が決めることじゃない。それが全ての鍵じゃないのかな。こんなに分断してしまった世界っておかしいよ。外から見るとすごくクレイジー(苦笑)。
メイジャー:そういう視点で見ると、地球上の人々のやってること見えてくるよね。それを反面教師として学べることがあると思うんだ。僕たちには何ができるのか。
ーーマーティン・ギャリックスさんが出演した音楽イベント「EMC」に、AREA21がサプライズ出演し話題となりました。こちらのパフォーマンスはいかがでしたか?
マーティン:うん、EMCでは少しだけサプライズ・パフォーマンスを披露したよ。オーディエンスの反応はよかったはずなんだけど、作ったばかりのヘッドギアだったから、全然何も見えてなくて(笑)。目のことろが息でくもっちゃったんだ。
メイジャー:ライトもチカチカ眩しかったし。
マーティン:10分したら何にも見えなかったよね(笑)。
ーーマスクを被って歌うのは大変だったのでは?
メイジャー:でもマスクは口の上までしか被ってなかったから、マイクをちゃんとマスクの下に当てれば、歌うのはそれほど問題じゃなかったかな(笑)。
今後ツアーを計画中!
ーー今後のライヴの予定を教えてください。またどんなステージを計画していますか?
マーティン:ちょうどいまツアーのリハーサルをしているところ。フル・バンドでステージに立つ予定だよ。ドラム、ベース、キーボード奏者もいるし、僕はギターを弾いて、メイジャーはラップとヴォーカルを担当。また日程は分からないけれど、ツアーの準備をしているよ。
ーーマーティン・ギャリックスのDJセットの一部としての出演ではなくて?
マーティン:そういう形ではないよ。もしかしたら、そういうのも数回やるかもしれないけれど。僕のDJセットにメイジャーが歌で参加もあるかもしれないけれど。でも僕たちとしてはフル・バンドのライヴをちゃんと見てもらいたいんだ。みんなでジャム演奏しているセットをね。AREA21は、そのために作られた音楽だから。生ドラムにギターが入って、DJは無し。ギャリックスのショウとは全然違っているよ。
メイジャー:最高のライヴ・バンドにしたいんだ。ショーを観た人に何かを感じてほしいと思ってがんばっている。
マーティン:ちょうど今週は毎日フル・バンドでリハーサルをしていたんだ。とにかく僕はフル・バンドって言うのがうれしくてね(笑)。
ーー具体的にはいつ頃になりそうですか?
マーティン:コロナの状況次第というのがあるから、はっきりは言えないけれど、フェス関係の出演に関しては話を詰めているところ。ちゃんと決まったら、まずはストリーミングでライヴを披露したいと思うんだ。世界中のファンに観てもらって、それからツアーをスタートさせたい。
ーー今現在は、ヨーロッパやアメリカでライヴをするのは困難な状況ですか?
マーティン:アメリカに関しては、前よりやりやすくなったかな。でも来週予定されていた僕のヨーロッパは中止になっちゃった。オミクロン株は感染率は高いけれど、病床使用率はかなり下がっているようだから。うん、今年の夏には期待しているよ、世界中に行けると信じている。
ーーとなると、しばらくは地球上に留まるってことですね?
2人:うん、そのつもり(とニッコリ)。