ローカルベンチャーとは? ローカルベンチャーは、地方で新規起業し、地域課題の解決を目指す起業者のことを指します。単に地方で起業するというだけでなく、地域の新たな資源を見出して、持続可能な地域社会・循環型経済を目指す点に特 […]
ローカルベンチャーとは?
ローカルベンチャーは、地方で新規起業し、地域課題の解決を目指す起業者のことを指します。単に地方で起業するというだけでなく、地域の新たな資源を見出して、持続可能な地域社会・循環型経済を目指す点に特徴があります。発祥の地とされる岡山県西粟倉村では、人口1500人ほどの小さな村でありながら、2004年頃から40以上のローカルベンチャーが起業し、総売上は20億円を超えました。
新規雇用やEターン(起業型移住者)も増え、ローカルベンチャーによる地域活性化にはめざましいものがあります。2016年には、西粟倉村とNPO法人ETIC.の呼びかけに賛同した自治体による「ローカルベンチャー協議会」が発足しました。ローカルベンチャーの輩出・育成に取り組むこの事業は「広域連携によるローカルベンチャー推進事業」として内閣府による地方創生推進交付金に採択されています。
ローカルベンチャーの魅力
ローカルベンチャーはその名の通り、地域と密接に関わりながら事業を行っていきます。そこには都心での起業にはないさまざまな魅力があります。
未発掘の資源がたくさんある地方で新たな価値を生み出すことができる
ローカルベンチャー協議会によると、ローカルベンチャーは、その土地の宝物を独自の視点で見つけることを重要なコンセプトとしています。それまで認知されていなかった地域資源を掘り起こし、新たな価値を生み出せることは大きな魅力でしょう。まったく新しいビジネスだけではなく、既存の特産品や地場産業に新たな付加価値や販路拡大の機会を見出せることがあります。前述した岡山県西粟倉村でも、もともとさかんだった林業や、林業の6次産業化(1次・2次・3次産業を融合し新しい産業を形成すること)がローカルベンチャーの皮切りとなりました。
地方の経済活性化に貢献できる
現在、多くの地方で高齢化や人口減少にともなって経済活動の低下がおこっています。ローカルベンチャーは事業を通じて経済活性化に大きく寄与できる可能性があります。事業発展による税収はもちろんですし、事業規模が拡大すれば地域に新たな雇用も創出できます。他にも地元企業との連携で地域産業全体を元気にしたり、自治体の知名度アップに貢献したりと、地域の暮らしを支える役割を果たせるでしょう。地域の経済を成り立たせ、未来をつくっていくことは大きなやりがいになるのではないでしょうか。
ローカルベンチャーのデメリット
地方ならではの魅力がたくさんあるローカルベンチャーですが、都心部での起業と比べるといくつかデメリットも考えられます。
都心部に比べてリード獲得がむずかしい
ビジネスにおいてリード=見込み客の獲得は重要な課題ですが、地域での起業のデメリットのひとつに、都心部に比べてリードが獲得しにくいことがあります。地域の人たちをターゲット顧客とする事業の場合は、そもそも市場規模が小さい環境です。また新参者として入っていく立場上、新しい商品・サービスがなかなか認知されない、受け入れられにくいという恐れもあるでしょう。地元に限らず展開する事業の場合も、都心を拠点とする企業に比べるとオフラインでのアプローチの機会が限られる面は否めません。いずれにせよ、効果的にターゲット層にアプローチする施策が必要となります。
新たな情報を入手しづらい
現在はインターネットの発達により、場所を問わずさまざまな情報にアクセスできるようになってきました。そうは言ってもやはり都会では、充実した文化・娯楽施設や商業施設、また街中の看板や広告など、意識せずとも飛び込んでくる情報にあふれています。先端技術を体験したり、生活の中で最新設備に触れる機会も地方在住では限られてしまいがちです。
こうした環境の差をデメリットにしないためには、能動的に情報を取りにいく姿勢がよりいっそう求められるといえるでしょう。また、田舎暮らしにおいては特に、地元のコミュニティから得られる情報も重要です。地域交流に積極的に参加する、起業者同士のつながりをつくっておくなど、最新情報を得られる環境づくりを意識する必要があるでしょう。