スーパーで、賞味期限が近い商品や在庫の半額セールなどを見かけませんか?安く購入できるので、顧客側のメリットは大きいですが、お店側のメリットが何なのか疑問に思う人もいるでしょう。今回は、どうして半額セールにしてまで売る必要があるのかについて、考えていきます。
売れ残ったら損失になるだけ
当たり前の話ですが、お店側はお金を支払って、販売する商品を仕入れています。売れずに残ってしまうと、仕入れで支払ったお金が回収できずマイナスとなるのです。半額でも売れれば現金を得られるため、利益は出ないとしても仕入れで支払ったお金を少しは回収できます。少しでも損失を減らすために有効な手段なのです。
在庫を売らないと赤字でも税金が発生する
会計上、利益の計算をするには、売上に対してどれだけ費用がかかったのかを算出しなければならないのですが、在庫は費用になりません。売らずに在庫を抱えているだけでは、利益の計算も赤字の計算もできないのです。
たとえば100円で10個の商品を仕入れた場合、お店側は1,000円の出費になります。そのうち5個が150円で売れた場合750円受け取れるため、仕入れに対して計算すると、1,000円-750円で250円のマイナスと考えがちです。しかし会計上は、売上に対する計算となるため、150円×5個-100円×5個で250円のプラスとなります。
つまり、在庫のまま置いておくと、本当は赤字なのに利益があるとみなされ、税金を支払わなければならなくなるのです。