地方での起業を支援している自治体
地域の新たな価値を創出し地元経済に貢献するローカルベンチャーは、地方創生事業として、官民一体となって取り組まれるケースも多く見られます。また多くの自治体で、地元での起業や経営を支援する体制が設けられていますので、住まいや移住候補地の制度についてしっかり確認してみてください。ほんの一例ですが、以下に紹介します。
山梨県
多くの都道府県では、地方創生を目的として、社会的事業分野の起業や事業承継に対して経費を補助し、事業の立ち上げを支援する地域解決型の起業支援金が設けられています。山梨県でも年度ごとに「やまなし地域課題解決型起業支援金」を実施しています。対象となる事業は、地域活性化・まちづくり・買い物や交通支援・社会教育・子育て支援・環境問題といった地域課題解決に関わる幅広い分野に渡ります。
またSociety5.0関連事業などの付加価値の高い産業分野で第二創業する場合も対象です。事業の流れとしては、県が「地域課題解決型起業支援事業費補助金」制度により、起業支援金事業を実施する執行団体を選出し、定額の事業費・事務費を補助します。次に起業者を募集し、審査を経て対象者を決定します。執行団体が対象の起業者に必要な経費の一部を補助し、また事業の立ち上げに関する伴走支援を行っていくことになります。
長野県大町市
起業に限らず、中小企業への融資を支援する制度も多くの自治体が設けています。長野県大町市の「大町市中小企業融資制度資金」は、所定の事業の中小企業について、市が金融機関に資金を預託し低利で融資を受けられるようにする制度です。新規創業支援資金の限度額は、運転資金1,500万円・設備資金2,000万円(ただし合計で2,500万円まで)です。融資を利用する際の保証料も市から補助を受けられ、新規創業支援資金については全額が補助されます。申し込みは商工会議所を通じて行います。また大町市では、県や市、商工会、金融機関などからなる「大町市創業支援協議会」がさまざまな起業サポートを行っています。
大分県大分市
大分市では起業支援として「大分市創業者応援事業補助金」を実施しています。創業前から創業5年未満の中小企業を対象とした補助金で、市内に新たな事業所の開設をともなう創業・事業拡大の経費について補助を受けられます。対象は事業所賃借料・事業所改修費用・法人登記などの経費・販売促進の経費で、補助率は年齢などにより対象経費の1/2から2/3、合計200万円を上限として支給されます。事業内容のプレゼンテーションや事業計画書などの書類を提出し、審査を経て交付決定されます。また大分市の創業支援計画は国の認定を受けており、この補助金を利用した創業者は、登録免許税の軽減・日本政策金融公庫の融資における自己資金要件緩和など国の優遇措置を受けることができます。
まとめ
ローカルベンチャーは、地方の新しい魅力を発掘してビジネスを成り立たせ、地域の経済や暮らしを持続的に支えていく、魅力とやりがいに満ちた挑戦と言えるでしょう。行政の支援や協議会による育成、起業家同士の連携も活発に行われており、各地でさまざまな実績が積み上がっています。起業を考えているなら、地方の活性化に貢献できるローカルベンチャーという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
提供・移住支援.com
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