面影が随所に残る城郭の見どころを紹介
浜松城の魅力は天守閣だけではありません。
訪れる人を優しく見守る「若き日の家康像」や、築城当時の面影が残る「野面積み」の石垣、同じく築城時に防御を目的として石を積み上げた曲輪(くるわ)、地元の人と復元させた天守門。浜松城の城郭内には他にも多くの見どころがあります。
戦国時代の足跡と、四季折々の自然が楽しめる浜松城公園内をゆっくり散策してみましょう。
天守門で運試し!戦国武将のおみくじが引ける!?
天守閣を出て階段を降り、まっすぐに進んで左に迂回すると、曲輪があります。その先に進むと、天守門の中へ。入場には、天守閣との共通チケットが必要です。
天守門の復元にあたり門内に敷かれた床板は、プロの大工ではなく、浜松の高校生たちによって製作されました。高校生による手作り感を出して、築城当時の面影に近づけたい、との考えからなのだとか。
さらに天守門では、天守閣のリニューアルとともに、2021年1月から「出世おみくじ」の販売が始まりました。1回100円で、天守門での販売のみ。自分で番号を確認し、引き出しから取り出します。
それぞれのおみくじには、運勢とともに徳川家康、織田信長、豊臣秀吉など戦国武将たちの名言が記されています。運試しをしながら、歴史の勉強にもなりそうですね。
青空と美しい風景に包まれた家康像
天守閣入口から見下ろせる石段前の広場には、「若き日の家康像」が立っています。浜松の街づくりの基礎を築いた家康を記念し、1981年に設置されました。
右手に持つのは、兜印の歯朶。関ヶ原の戦いで着用した兜に付けていた、あの歯朶です。天下を取る戦いに勝った誇らしげな表情なのか、それとも市民を見守る優しい表情なのか。見る人それぞれに、異なる雰囲気を感じさせてくれる銅像です。
石垣に隠れたキュートな「ハート石」を探そう
浜松城の石垣は、日本でも有数の「野面積み」の石垣として知られています。野面積みとは、自然石を加工せず上下に組み合わせて積む工法。石垣として初期の技術であり、浜松城では400年の風雪に耐え、今もなお当時の面影を残しています。
天守台まわりの石垣を見ると、天守台は天守閣よりかなり広いスペース。実は、築城当時の天守閣は、現在の復元天守閣より1.5倍の大きさだったと推定されています。浜松城は、日本で10本の指に入る巨大な城でした。
天守台の石垣をじっくり眺めていると、ハート形の石を見つけられるかもしれません。その場所のヒントは、天守台南面の石垣、上段中央辺り。
荒々しい野面積みの石垣に隠れたキュートなハート石を最初に見つけたのは、中学生の女の子。以来、SNSなどで広がり、ハート石目当てに来城する人も増えました。