神域のはじまり
荏柄天神社へは、鎌倉駅から京急バス4番線「鎌倉宮(大塔宮)」行きに乗車し、その名もズバリ、「天神前」で下車します。
菅原道真と天神様の関係を学んだ後なので、バス停の名前も「ふむふむなるほど」という感じですね。
すぐ近くには、日本で唯一の天皇創建の神社「鎌倉宮」もあります。バス停「天神前」から目視確認できるほど、とーっても近いんです。
荏柄天神社は他の神社も観光できて、とっても効率の良い立地条件なんです。
少し歩くと、「荏柄天神社」と書かれた石碑がずどーんと建っていて、私たちを迎えてくれます。大きな木の下をくぐると、その先には赤い鳥居が待ち構えています。
階段を登っていくと、朱色の鮮やかな拝殿が見えてきます。
拝殿には、菅原道真といえばコレ!というシンボルの梅のマークが。菅原道真は梅が大好きな人だったので、境内のいたるところに、この梅マークが見られます。
本殿
拝殿の後ろには本殿があります。こちらの本殿は、もともとは同じく鎌倉にある「鶴岡八幡宮」のお宮を移築したもの。
修復されているのでピカピカですが、1,316年も昔のもの。(移築自体は、1624年です)
江戸時代のあたりには、鶴岡八幡宮のお直しがあるたびに、そこで余った木材でこの本殿を修復していました。
鎌倉の建物の多くは、残念ながら火事や災害で無くなったものが多いので、こうして昔の建物が残っているのは、結構珍しいんですよ。
実は、ここは鎌倉幕府にとって鬼門の守護神という位置づけでした。鬼門といえば鬼が出入りする方角ですから、魔除けの意味合いが強いのでしょうね。
古い建物が無事に現代まで残っているのも、強い魔除けのパワーがあったからこそしれません!
「えがら」天神社ならではの「かっぱ筆塚」&「絵筆塚」
かっぱ筆塚
さて、冒頭で「えがら」つながりでこちらの神社では、他では見られないものをお祀りしているとご紹介しました。
境内には、鎌倉在住だった漫画家の故 清水崑(しみずこん)さんが発起人となって、愛用の絵筆を納めた「かっぱ筆塚」があるんです。
清水崑さんといえば、「黄桜」のカッパCMの初代キャラクターを描いた方です。「力ッパッパ~♪ルンパッパ~♪」という軽快な曲とともに、独特の色気を漂わせた女性力ッパが登場するお酒のCMです。
このかっぱ筆塚の裏側もぜひご覧ください。鎌倉ゆかりの文豪、川端康成が書いた「かっぱ筆塚」の文字が彫られています。
文豪 川端康成の邸宅も同じく鎌倉にありますよ。邸宅は残念ながら一般非公開(外から外観を拝見することは可能)ですが、川端康成の作品『山の音』に登場する舞台となった「甘縄神社」と隣接しており、邸宅と聖地巡礼が一度に出来ちゃったりします。
お時間があれば、そちらもぜひぜひ訪れてみてくださいね。
絵筆塚
さらに、同じく漫画家の故 横山隆ー(よこやま りゅういち)さん(『フクちゃん』のかたです!)が発起人となって、150近くのキャラクターのレリーフを貼り付けた絵筆塚があります。
筆型の青銅の絵筆塚は、3メートル以上もある高さで、なかなかの迫力です。境内の隅っこに重厚なロケットが鎮座しているという感じ。
近づいてみると、壁面にずら~っと、誰もが知っているキャラクターのレリーフが随所に貼られているんです!
マンガ大国ニッポン。漫画を崇める神社として、日本ならではの神社という感じですね。
常に数人が絵筆塚の周りを取り囲んでおり「あ~!これ知ってる!」「ドラえもんがいる!」という感じで、高揚してレリーフを眺めています。
とっても沢山あるので、ぜひご自身の目で、すべてのレリーフをコンプリー卜してくださいね!
ちなみに漫画家に縁のあるこの神社では、毎年10月に多くの漫画家が参列して、絵筆供養が執り行われるそうですよ。