医療従事者への接種を皮切りに、新型コロナウイルスに対するワクチン接種が始まりました。重症化しやすい高年齢者や基礎疾患を持つ人への接種、企業単位申し込みを行った従業員や家族への接種が行われています。

ワクチン接種により新型コロナ感染リスクがなくなる!というわけではなく、発症を防いだり、重症化しにくくなります。

今回は、新型コロナワクチンの接種について内閣府や厚生労働省が発表している情報をわかりやすくまとめました。

■ワクチン接種当日の持ち物・注意点

ワクチン接種の予約ができたという方も増えてきているようなので、まずは当日の持ち物や注意点についてご紹介します。

・接種券(クーポン券)

自治体から届きます。1回目接種券・2回目接種券、接種済証がセットになっているので切り離さずに会場に持参しましょう。

・本人確認書類

マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など

また、事前に予診票の記入を依頼される場合もあります。

・予診票

予診票には以下を記載します。
・新型コロナワクチンの接種頻度(1回目/2回目)
・氏名
・住所(住民票記載の住所と、接種券に記載されている住所の確認)
・電話番号
・生年月日
・性別
・診察前の体温
・ワクチンの効果、副反応について確認したか(説明書を読んだか)
・対象グループの確認(医療従事者/65歳以上/60~64歳/高齢者施設等の従事者/基礎疾患を有する 等)
・直近1か月以内の病気
・当日の体調
・けいれんやひきつけの経験
・薬や食品などによる重いアレルギー症状の有無
・過去の予防接種で具合が悪くなったことがあるか
・妊娠の可能性、授乳の有無
・2週間以内に受けた予防接種の種類、日付
・予防接種についての質問
・接種月日と署名

■新型コロナワクチンを接種するまでの流れ まだ案内が届いていない、ワクチン接種はいつ・どこでできるのか知りたい、という方のために流れのご紹介をしていきます。

・1.接種時期の確認

先述通り、ワクチンは医療従事者から、重症化しやすい高年齢者、基礎疾患を持っている方から順次開始しています。

65歳以下の人については厚生労働省や居住している市区町村からの案内を待ちましょう。

基本的にはワクチンは住民票がある市町村で受けることになります。

住民票と居住地が異なる場合、コロナワクチンナビで確認するか、居住地の市区町村相談窓口に相談することができるようなので、確認してみてください。

また、自衛隊大規模接種会場で接種を受ける場合や、職域接種(会社や学校等)でワクチン接種を受ける場合は住居地以外でも受けられます。

いま何かの病気で治療を受けていたり不安がある場合は、かかりつけ医と相談をしてワクチン接種をするかどうか考えておきましょう。

職域接種とは? 企業や大学などが自主的に医療従事者(医師や看護師など)や会場運営スタッフを確保し、市区町村等が行う場所以外(企業内や大学内など)でワクチン接種を行っています。これを職域接種と呼びます。ワクチン接種後に副反応があった場合でもすぐ対応ができるよう事務局を設置するなど、事前に十分な対策を講じなくてはいけません。ワクチンを保存するための-20℃の冷凍庫を準備したり、ワクチンや針を手配したり、リハーサルを行ったり…企業や大学が行うとなるとかなり大がかりな準備が必要です。

【Q&A】新型コロナワクチン接種まとめ|事前準備・注意点など
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

・2.医療機関/接種会場を探す

自治体からの案内と接種券が届いたら、ワクチン接種を受けることができる医療機関や接種会場を確認します。

コロナワクチンナビで予約受付状況や取り扱っているワクチンの種類を確認し、希望する医療機関や接種会場を選びます。

予約はインターネット予約ページか、電話予約が可能です。受付時間や医療機関からのお知らせを確認してから予約しましょう。

接種できるワクチンの種類は、ファイザー社、モデルナ社のワクチンです。アストラゼネカ社やジョンソン・エンド・ジョンソン社のワクチンは現時点で国内で受けられません。

・3.予約して接種を受ける

当日、まずは自宅で体温を測定しましょう。もし発熱していたり具合が悪い時は予約した市町村窓口や医療機関に連絡をします。

普段通りの体調であれば、注射が打ちやすいように肩が出る服装に着替えます。ワクチンは上腕筋肉に筋肉注射をします。

接種券と本人確認書類を持って接種会場に向かいましょう。

接種券は2回分、予防接種済証がセットになっています。切り離さずに台紙ごと全て持参しましょう。

本人確認書類はマイナンバーカード、運転免許証、健康保険証などが使用できます。

接種を待っている間や接種後の休憩の間も、感染症対策を心がけましょう。手指消毒をすることや、マスクをする、隣の人と距離を取る、会話を控えるなどをお忘れなく。

・4.休憩

ワクチン接種後は経過観察のために15~30分ほど待機します。

接種後は発熱や痛みが出る可能性があるため、当日、翌日は無理をしなくてすむように予定を立てておくと良いでしょう。

当日体調が普段と変わらなければ、運転もお風呂も控えなくて良いようです(接種した箇所をこすったりするのはNG)また、激しい運動や過度の飲酒は控えましょう。

・5.2回目の接種の予約

同じ種類のワクチンを一定間隔で2回受ける必要があります。1回目の接種を受けたら、いつから2回目を接種することができるのか確認しておきましょう。

会場により2回目の接種時期は異なるようですが、1回目の接種からだいたい3~4週間後に2回目を接種するようです。1回目と2回目の接種は同じ種類のワクチンを接種しなくてはいけません。

参考までに、WHO、米国、EUの一部では1回目から2回目の接種までの期間を6週間後までと目安として示しているため、すぐに予約が取れなかったとしてもだいたい6週間以内に2回目を終えると思っていると良いのかもしれません。

【Q&A】新型コロナワクチン接種まとめ|事前準備・注意点など
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

・6.継続して感染予防を

ワクチン接種をした人から他の人に感染をするか、どの程度予防できるかはまだわかっていないようです。ワクチンを打ったら安心!と思わず、感染症予防対策は継続して行いましょう。

また、しばらく体調を優先に注意して見てください。

ファイザー社と武田社のワクチンでは、違いがあるのでしょうか?

ファイザー社のコミナティワクチンを接種した人向けの資料では、50%以上の人が接種部分の痛み、疲労や頭痛があるとしています。10~50%の人は筋肉痛、悪寒、関節痛、下痢、発熱、接種部の腫れがあり、10%未満ですが吐き気を感じたり嘔吐があるとされています。

武田社のモデルナを接種した人向けの資料では、50%以上の人が接種部分の痛み、疲労や頭痛、筋肉痛があるとしています。10~50%の人は関節痛、悪寒、吐き気、嘔吐、リンパ節症、発熱、接種部の腫れ、発赤や紅斑があり、10%未満ですが接種部位の痛みがあるとされています。

どちらも1回目よりも2回目の接種が終わってから症状が現れることが多いようです。

もしいつもと違う違和感がある場合、ワクチンを受けた医療機関、かかりつけ医、市町村や都道府県のワクチン接種窓口に問い合わせましょう。

■新型コロナワクチンについてのQ&A 新型コロナワクチンについて気になる!ところをQ&A方式でまとめてみました。気になる項目を確認してみてくださいね。

Q:新型コロナワクチンはいくら(何円)で接種できる?

ワクチンは無料で受けることができます。

Q:ワクチン接種は受けなくてもいい?

ワクチン接種は強制ではなく、あくまで本人の希望に基づき接種を受けます。

そのため接種する人の同意なく行われることはなく、職場や学校で接種を強制したり、接種を受けていないからといって差別的な扱いをしないことが大切です。

Q:新型コロナワクチンを65歳未満の人はいつ頃接種できる?

まずは7月末までに、希望する高齢者の接種完了(2回目の接種終了)を行うと政府は目標を掲げています。

以降、希望する対象者への接種を進めるとされていて、2021年10月~11月頃までに終えることを目指すとしています。

6月末現在、企業や大学等の職域単位でのワクチン接種も進められています。

厚生労働省ホームページでは、接種を行う期間は令和3年2月17日~令和4年2月末までとしているため、もしかしたら2021年中に完了しないこともあるかもしれません。

【Q&A】新型コロナワクチン接種まとめ|事前準備・注意点など
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

Q:子どもはワクチンを接種することができる?対象年齢は

接種対象年齢は、接種日に満12歳以上の人です。

そのため、12歳未満の子供は新型コロナウイルスワクチン接種対象にはなりません。

また、モデルナ(武田社)のワクチンは18歳以上が対象となるため、12~18歳の場合ファイザー社の接種のみが対象となります。

なお、海外では生後6ヶ月~11歳を対象とした臨床試験も実施されており、今後は接種対象年齢が広がる可能性もあります。

2021年6月16日に日本小児科学会と日本小児科医会がひらいた合同会見では、小児でも稀に重症化することや同居する高齢者がいる場合感染を広げる可能性もあり接種する意義があるとしてています。

ただし、子どもは感染しても比較的軽症であること、接種後の副反応出現頻度が比較的高いことから、ワクチン接種をする場合でも子どもと親がワクチン接種のメリット・デメリットを十分に理解し、接種前から接種後もきめ細かく対応を行う必要があるとしています。

Q:妊娠中・授乳中でもワクチン接種は受けられる?

妊娠を考えている人、妊娠中の人、授乳中の人、既に感染したことがある人も、ワクチン接種を受けることができます。

産婦人科などで接種ができることが望ましいですが、集団接種施設や婦人科のない診療所でワクチン接種をする場合、接種前と接種後、1週間以内に妊婦検診をすることが勧められています。

これから妊娠を考えている場合、可能であれば妊娠前にワクチン接種を受けることが勧められています。妊娠12週目までは胎児異常の発生と識別しにくい可能性があるため、できれば接種を避けたほうが良いようですが、接種後に妊娠していたことがわかっても悪影響を及ぼすという報告はないようです。

授乳中の場合、ワクチンの成分そのものは乳腺組織や母乳に出てこないと考えられており現時点で特段の懸念はないとされています。授乳中にワクチン接種を受けた人の母乳中に新型コロナに対する抗体が確認されているため、授乳中の子供を感染から守る効果が期待されているという見方もあるようです。海外でも接種対象となっているので、ワクチンを接種するか悩んでいる場合は主治医に相談しましょう。

【Q&A】新型コロナワクチン接種まとめ|事前準備・注意点など
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

Q:ワクチン接種をすることができない人はどんな人?

以下の人は接種ができないとされています。

・37.5℃以上の発熱がある場合(37.5℃以下でも平熱を鑑みて発熱と判断される場合はこの限りではない)

・重い急性疾患にかかっている

・過去にワクチン成分に対して、全身性の皮膚・粘膜症状、呼吸困難、頻脈、血液低下、アナフィラキシー等の症状が出ている場合

・その他予防接種を受けることが不適当な状態である場合

食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー体質(皮膚炎や鼻炎など)だとしても、接種を受けられないわけではありません。ワクチンの成分に関係ないアレルギーであれば接種は可能です。

過去に食品や薬などで重いアレルギー反応を起こしたことがある場合、予診票に記入し、原因や状況をできるだけ詳しく医師に伝えるようにしましょう。かかりつけ医がある場合は事前に接種可否について相談しておくと安心です。

当日は接種後通常より30分程度長く接種会場で待機することになります。

【Q&A】新型コロナワクチン接種まとめ|事前準備・注意点など
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

Q:ワクチン接種後、副反応が起きた時は

稀ではあるものの副反応による健康被害が起こる可能性もあります。

予防接種によって健康被害が出て医療機関で治療が必要になったり、障害が残った場合、予防接種法に基づいて医療費や障害年金等の給付が受けられます。詳しくはこちらから

Q:発熱・腕の痛みがつらい…市販の解熱剤や鎮痛剤を飲んでもいい?

市販されている解熱鎮痛薬のうち「アセトアミノフェン」や「非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン)」などについて、ワクチン接種後の発熱や痛みなどに使用できるとされています。

ただし、以下に該当する場合は主治医や薬剤師へ相談しましょう。

・他に薬を服用している
・妊娠中、授乳中である
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍や、腎機能低下などの病気治療中である
・薬などでアレルギー症状やぜんそくを起こしたことがある
・激しい痛みや、高熱など、症状が重く長く続いている場合
・ワクチン接種後の典型的ではない症状がある場合(※以下)

※接種部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉痛、悪寒、関節痛、下痢、発熱、接種部の腫れ、吐き気、嘔吐、リンパ節症、発赤や紅斑

Q:新型コロナワクチンの有効性はどのくらい?

2回の接種で約95%の有効性で、咳、発熱の症状を防ぐ効果がみとめられていると言われています。

Q:ワクチン接種のメリットは?

安全性への重大な懸念点がないとされており、接種メリットが副反応のデメリットを上回るため接種を勧めるとされています。

ただし、ワクチン接種後に、接種した部分の痛み、発熱、頭痛などの副反応が起こる可能性があります。

1回目より2回目のほうが副反応が起こりやすく、若年のほうが頻度が高いようです。

そのため、できるだけ体調が良い日に接種を受け、接種後はゆっくり過ごすようにしましょう。

【Q&A】新型コロナワクチン接種まとめ|事前準備・注意点など
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

Q:ワクチンは一度接種したらもう打たなくていい?インフルエンザのように感染拡大時期に接種する必要がある?

ワクチンの効果持続期間については検証中のようです。海外の臨床試験後追跡調査によると、2回目のワクチン接種を受けてから6ヶ月の発症予防効果は91.3%、モデルナ社の場合90%とされています。

また、現在は9割の発症予防効果があったとしても、ウイルスは絶えず変異をするため現在の変異株や今後変異していくウイルスへの有効性がどのくらいあるかについては研究が進められています。(インフルエンザの予防接種も、毎年流行するウイルスの種類が変異しているので毎年接種が行われています)

なお、ファイザー社ではワクチン接種後1年以内に再接種が必要になる可能性が高いという見方も示しているようです。

引き続きデータが集積され、いつまで持続するのか、効果が保たれるのかが見られていきます。

■まとめ

新型コロナウイルスに対するワクチン接種についてわかりやすくご紹介しました。

出展元については末尾に記載しているので、より具体的に知りたい方は後述している一覧からご覧ください。

感染流行が始まってから「ワクチンさえあれば」という声も多く聞こえました。ようやく接種が始まり、来年2月末までには希望する人全員にワクチンがいきわたるとされています。

ワクチンは発症を抑えたり重症化を防ぐためのもの。ワクチン接種が終わったからといって感染症対策が終わるわけではありませんが、それでも、ワクチンが行き渡った後の世界に思いを馳せてしまいますね。

提供・しゅふJOBナビ



【こちらの記事も読まれています】
主婦がフリーランスを始めるなら!よくある注意点、お仕事の探し方をご紹介します
「仕事はランチタイムだけ!」子育て主婦に人気の隙間時間でできるパートとは
仕事のレベルが上がる<メモ・ノート術>!5つのコツ
パート通勤の定番!「自転車通勤」で気をつけたい3つのポイント
50代・女性のパート就活、服装はどうしたらいい?面接のコツもご紹介します!