低金利の昨今、「銀行にお金を預けても増えないし、お金を増やす方法はないか」と考えたことはないでしょうか。お金を増やすと言っても、その方法は様々です。ここでは、支出を減らす、収入を増やす、お金に働いてもらう、という3つの視点で増やす方法を解説します。
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支出を減らす4つの方法
1、収支を把握する
「思うようにお金が貯まらない」、その理由は収入が少ないからと思っていませんか? もちろん、体調不良などで働けず、絶対的な収入が少ない人もいますが、多くの家計相談を受けてきた筆者の立場から言うと、収入と支出のバランスが取れていないためにお金が貯まらないケースがほとんどです。
支出は、収入の範囲内で行うものです。収入の範囲内に収まらないなら、支出のレベルを下げる必要があります。まずは収入に見合った支出になっているか、収支を把握しましょう。細かく把握する必要はありませんが、把握できていないなら3ヵ月だけでもいいので家計簿をつけてみてください。手書きでもアプリでも、自分がつけやすい方法でいいです。
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支出を把握すると、自分が思っている以上に支出額が多いことに気づくでしょう。気づいていなかった支出が無駄遣いだったり、なくてもどうにかなるものだったりします。その支出を覚えておきましょう。
同時に、収入を把握することも大切です。夫婦であれば、まずはお互いの収入を知ることです。共働き夫婦だと、相手の収入を知らない人もいますが、家計は1つの財布です。家計全体の収入を把握しておかないと、収支のバランスを考えることができません。家計全体の収支を把握するようにしましょう。
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2、自分にとっての優先順位を考える
節約が上手な人は、節約にメリハリがあります。使うべきところは使い、自分にとって価値が低いものにはお金を使いません。我慢しているわけではないので、節約を続けられるのです。
節約上手になるために、自分にとって優先順位の高いものは何か、自分の価値観で考えてください。「みんなこうしているから」や「周囲の目が気になる」などは、自分の価値観ではありません。お金は貯めるものではなく、使うものです。使うために貯めるのですから、自分にとって優先順位が高いもののために、お金を使いましょう。そうすれば、お金を使う満足度が高くなります。
優先すべきもののためにお金を貯める必要があるなら、目標額を決めて積み立てをしましょう。優先するものを強く意識すればするほど、優先順位が低いものへの支出を削減できます。
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3、固定費を見直す
これは、よく聞く節約方法ですね。住宅ローンや保険の見直しに加え、携帯代やインターネット回線の見直しも大きな効果があります。光熱費においては、電気・ガス会社を変える、基本料金を下げるなどの方法があります。
賃貸住宅で近隣より家賃が高いと思うなら、家賃交渉をするという方法もあります。住宅ローンにおいても、金利引下げ交渉をすることができます。そのほか、数ヵ月利用していないスポーツジムの会費、ほとんど見ない動画配信サービスなど、使っていないのに支払っているものはありませんか? この機会に見直してみましょう。
4、買い物をしない日を作る
買い物に行くと、買う予定のなかったものまで買ってしまうことがあります。「ついで買い」は、無駄遣いになることが少なくありません。「ついで買い」をなくすためには、買い物に行かないことがベストです。「◯曜日は買い物に行かない」など、買い物に行かない日を作りましょう。すると、買い物に行かなくても意外と生活できることに気づき、お金が減らないことを実感できます。
収入を増やす4つの方法
1、副業をする
副業が認められている会社であれば、副業で収入を得る方法があります。しかし、本業の時間外で行うことになるため、時間は限られます。限られた時間の中で、いかに効率的に仕事をするかがポイントです。戦略を練って副業が軌道に乗れば、満足のいく収入を得られるようになるかもしれません。
2、転職する
今よりも高収入の仕事に転職する方法です。簡単に実現できることではないですし、高収入だったとしても、会社と相性が合わないと仕事をすることが辛くなってしまうので、慎重に考えるべきでしょう。もし自分が行きたいと思う会社があり、今より高収入になれるなら、チャレンジしてみるのもいいでしょう。成功すれば、確実に収入を増やすことができます。
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3、今より高いポジションを狙う
副業や転職に比べるとリスクがないので、安全に収入を上げられる方法です。収入を上げる一番の近道と言えるでしょう。自分の会社なので、今より高いポジションにつくにはどうすれば良いかわかっているからです。
仕事が評価されるポイントや、誰に社内営業すれば良いかわかっていますから、現実的で確実性が高い方法と言えるでしょう。
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4、不動産投資をする
不動産収入は不労所得ですから、うまくいけば今と同じ生活を続けながら、収入を増やすことができます。不動産投資と聞くと、まとまったお金が必要と思われるかもしれませんが、ローンを利用しますから、必ずしもまとまったお金は必要ありません。
ただし、ローンには審査があります。住宅ローンは、返済の原資が自分の給料ですから、人が審査されますが、不動産投資ローンの返済原資は物件の家賃収入ですから、審査は物件が中心になります。物件に収益性や資産価値があるかが問われるのです。
不動産投資で収入を増やすには、複数の不動産に投資する必要があります。最初は、1戸から始まりますが、その後2戸、3戸と増やしていくと収入は増えます。そのため、不動産投資で収入が増えたと実感するまでには、時間がかかるでしょう。
リスクを認識することも重要です。リスクの1つに空室リスクがありますが、空室になるとローンを家賃収入から返済することができず、自分の収入から返済することになります。空室が長引くと、あっという間に貯金が底をついてしまいます。
不動産投資を始めるにあたっては、しっかりと知識を身につけた上で始めるようにしましょう。
お金に働いてもらう3つの方法
お金に働いてもらう手段を知る前に、複利の効果を知っておきましょう。複利の効果を知っておくと、お金に効率的に働いてもらうことができます。
複利とは、利益が出たときにそれを元金に組み入れ、運用することです。利益をさらに運用することで、利益が利益を生み出します。運用によって利益が出ても、それを自分の懐に入れてしまうと収益は限られてしまいます。
たとえば、100万円を運用して10%の利益を得たとすると、110万円になります。その110万円を運用して、また10%の利益を得ると121万円になります。利益は21万円です。
ところが、最初に得た10万円の利益を自分の懐に入れてしまうと、その後10%の利益を得たとしてもその金額は10万円です。つまり、合計の利益は20万円。複利運用をしたほうが、利益が1万円多くなるのです。
複利の効果は、長期であればあるほど大きな効果を発揮します。利益が出たら、元金に含めて長期的に運用することで利益を大きく増やしていけるという複利の効果を知識として覚えておきましょう。
複利の効果を踏まえて、お金に働いてもらう方法にはどのようなものがあるでしょうか。
1、円定期預金
低金利ですから、円定期預金に預けてもほとんど増えませんが、キャンペーンなどで金利が上がる時を狙えば、普段よりも多く利息を得ることができます。
2、外貨定期預金
外貨定期預金は、円定期預金に比べて金利が高いのが魅力です。ただし、為替リスクと為替コストがあります。為替コストとは、円を外貨に、外貨を円に交換する際にかかるコストです。預ける時と払い出す時にそれぞれコストがかかるのが一般的ですが、銀行によってはどちらか一方のみのところもあります。
為替コストはネット銀行が比較的安いですが、実店舗がある銀行でもインターネットバンキングを利用すると安くなるなどのサービスがあります。
為替コストは「〇〇銭」「〇〇円」など、小さな数字が書かれているので、それほど高くないと思ってしまうかもしれませんが、合計で考えると決して無視できる金額ではありません。為替レートによっては、為替コストで利息分が消えてしまうこともあります。
たとえば、為替コストが1ドルあたり50銭、金利2%、為替レートが預け入れ時も払い出し時も変わらず、1ドルあたり100円で、10万円分を預金したとしましょう。すると、預入時の為替コストは約500円、税引き後の利息は約1,600円、払い出し時の為替コストは約500円です。
1,600円の利息を得られるものの、コストの合計は約1,000円ですから、利益の約3分の2がコストで消えてしまうということになります。コストの影響を抑えるためには、コストに負けないくらいの利息がつくまで、長期間預けたり、為替レートを見ながら引き出したりするなどの対策が必要です。
銀行によっては、コストやレートのシミュレーションツールが用意されているので、預ける前にシミュレーションをすることをおすすめします。
3 、資産運用する
初心者でも始めやすいのが、投資信託を購入して資産運用をする方法です。投資信託とは、文字通り「投資」を「信じて」プロにお金を「託す」金融商品です。どこの国の、どこの会社に、どれだけ、どのような投資を行うのかを決めるのはプロです。投資家は、そのプロを信じてお金を預けます。投資信託で資産運用をする方法をいくつか紹介しましょう。
・つみたてNISA
投資信託で資産運用をするなら、つみたてNISAを利用するのがおすすめです。運用で利益が出ると本来は20%の税金がかかりますが、つみたてNISAなら非課税です。非課税期間は20年ありますから、長期運用に適しているメリットの大きな制度と言えます。つみたてNISAは、銀行や証券会社などで口座を開くことで利用できます。
つみたてNISAを徹底解説!おすすめ金融機関と銘柄を紹介します
・iDeCo
老後資金を作るために資産運用をしたいと思うなら、まずはiDeCoを検討すべきでしょう。つみたてNISAにも税制優遇がありますが、iDeCoではさらなる優遇があります。掛け金の全額が所得控除になるので、60歳になるまでの所得税と住民税を節税できます。
iDeCoで取り扱われる投資信託は、金融機関によってラインナップが異なりますが、国内のものや海外のもの、プロが運用してくれるお任せタイプのものなどがあります。投資信託の選び方によっては、バランスの良い投資を行うことができます。
・ロボアドバイザー
ここ最近人気が出ているのが、ロボアドです。ロボアドとはロボアドバイザーの略で、資産運用をロボットにお任せするサービスです。サービス提供会社も増えており、加入者も増えています。
サービス内容はロボアド会社によってさまざまですが、有料のロボアドサービスの場合、いくつかの質問に答えると、ロボットが運用商品を選択してくれ、運用からメンテナンスまで行ってくれます。運用する商品は投資信託などです。仕事などで忙しく、運用方法を考える時間がない人にはぴったりのサービスと言えるでしょう。
一括投資できるロボアドもありますが、積み立て投資が主流です。長期運用を前提としており、ロボットが分散投資を行ってくれます。
資産運用を始める前の3つの心構え
1、運用目標を立て、ルールを決めよう
資産運用する際に最も大切なことは、一喜一憂しないことです。運用をして初めて利益が出るととても嬉しいものですが、そこで計画外に運用額を増やしたり、逆に損失が出てすぐに売ってしまったりすると失敗の原因になります。
当然のことですが、安く買って高く売ることで利益を得られます。しかし、欲が出たり動揺したりすると、このシンプルな考え方を見失いがちです。
その対策として有効なのが、目標とルールを決め、それをしっかり守ることです。たとえば、「利益が30%を超えるまでは売却せず保有する」などです。
2、積み立てから始める
自分の運用ルールを作るのと同じくらい効果的なのが、積み立てを行うことです。積み立てであれば、毎月淡々と購入していくだけですから、焦って売ってしまったり、欲が出て多めに買ってしまったりすることがありません。
金融商品の価格は、毎日変動します。毎月一定額を積み立てることで、安いときはたくさん購入し、高いときは少ししか購入しないことを徹底できます。これは、実はとても大切な考え方です。
なぜなら、安いときにたくさん購入できれば、持っている投資信託の購入単価を下げることができるからです。自分が持っている投資信託の購入価格が下がれば、値上がりしたときに大きな利益を得られます。ですから、価格が下がることは必ずしも悪いことではないのです。
しかし、価格が下がると「もっと下がってしまうかもしれない」と怖くなり、売却してしまうことがあります。その意味でも、積み立ては狼狽して売却してしまうことを防ぐ効果があるのです。
3、長期・分散が基本
資産運用を行うには、長期的視点を持つことが大切です。長期間であればあるほど、収益は安定する傾向があります。運用は、「長期」で行うことが基本です。
もう一つ忘れてはならないのが、「分散」です。資産を分散して運用するということです。投資信託は、プロが運用してくれる金融商品とお伝えしましたが、プロが運用してくれるからといって必ず利益が出るとは限りません。だからこそ、分散が大切なのです。
毎月2万円を積み立てるとすると、2万円を1つの投資信託に投じるよりも、4,000円ずつ5つの商品に分散したり、または世界各国に分散投資ができる投資信託を選んだりするなど、分散を意識して運用することが大切です。
資産運用を始める方法
資産運用の心構えを理解し、どの方法で資産運用するかを決めたら、行動に移しましょう。口座を開いていないなら、まずは口座を開くところからスタートです。自分が始めたい制度やサービスを提供している会社を見つけてください。証券会社でも銀行でも、各サービスが提供されています。
お金の管理は早く始めるが勝ち
資産運用で、短期間で大きな利益を出すのは簡単ではありません。資産運用は、積み立てや分散投資をしながら長期間で行うことが基本です。時間の効果は大きいので、資産運用をするなら早く始めて長く続けましょう。節約も同じです。早く始めるほど、早く大きな効果を得られます。今できることから始めてみてはいかがでしょうか。
つみたてNISAを始めてみる
つみたてNISAは投資信託で資産運用をする制度であり、少額で投資を始めることができます。つみたてNISAには3つの大きな魅力があります。
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