糖度(ブリックス値)の測定原理
糖度計は、光の屈折率を利用したものです!
一般的に、水に溶けている固形分(砂糖や塩など)が多ければ多いほど、光の屈折率は高くなります。
糖度(ブリックス値)は、水に溶けている砂糖の量(濃度)により屈折率が変化する性質を利用したものです。
水の屈折率:1.33299 ⇒ 糖度0(ブリックス値=0)
砂糖1%水の屈折率:1.33442 ⇒ 糖度1(ブリックス値=1)
砂糖2%水の屈折率:1.33586 ⇒ 糖度2(ブリックス値=2)
・・・・・・
砂糖10%水の屈折率:1.34782 ⇒ 糖度10(ブリックス値=10)
・・・・・・
砂糖50%水の屈折率:1.42009 ⇒ 糖度50(ブリックス値=50)
として、水の屈折率から算出した、砂糖水の濃度を「糖度(ブリックス値)」と言うのです。
水に砂糖以外の物質が溶けていても糖度が高くなるの?
その通りです。
例えば・・・
10%砂糖水の屈折率は1.3482ですが、
10%食塩水の屈折率は1.3505です。
(これは12%砂糖水の屈折率相当)
よって、10%食塩水を糖度計で測定すると、糖度は約12と表示されるのです!
砂糖、食塩だけでなく、基本的には、どんなものでも、水に溶けている量が多ければ多いほど、屈折率が高くなります。
屈折率の高さは、水に溶けている固形分の量に比例する、と言えます。
水に溶けている固形分(砂糖や塩など)が多い
⇒屈折率が高い
⇒糖度が高く表示される
糖の量だけを示す値じゃないのに、なぜ「糖度」と言うの?
糖度は「水に溶けている固形分の量」の指標であり、糖だけの量を示すものではありません。
しかし、一般的には、同じ果物で比較する場合は、糖度が高ければ、糖の量が多いです。よって、「糖度=甘さの目安」と考えられているのです。
しかし、稀に、糖度が高くても甘くないものもあります。
例えば、糖度が15でも、糖の量は多くなくて、クエン酸(酸味成分)が多い場合は、「糖度が高いのに甘くない(すっぱい)」となります。
ちなみに、違う果物同士で比較しても、「糖」以外の組成が大きく異なると考えらえるので、糖度が高い⇒甘い、とはなりません。
よく分かりました。糖の量が多いほど、甘く感じるってことだよね?
基本的にはその通りですが、厳密には、違うこともあります。
例えば、「酸度」という指標があるとおり、糖の量が同じでも、酸の量が違うと、甘さの感じ方は違います。
(参照:日本酒の「甘口」「辛口」の違いは?~日本酒度、酸度、甘辛度~)
また、細かくいうと、「糖」と一言でいっても、糖の種類によって甘さが異なります。
(参照:砂糖、果糖、ブドウ糖はどれが一番甘いの?)
更に言うと、アスパルテーム、スクラロースなどの甘味料が入ってると、少量でも(糖度が低くても)甘く感じます。
(参照:なぜ甘いのにゼロカロリー?~高甘味度甘味料とダイエット~)
このように、厳密には、糖度だけで甘さが分かるわけではありません。
あなたの糖度は?
「屈折率が高い」⇒「糖度が高い」
ことを今日学びました。
ということは、私は、心が屈折しているから糖度が高いと言えますね。やかましいです。
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本日のまとめ
- 糖度は「糖の量」ではなく「水に溶けている固形分の総量」の指標
・光の屈折率が高いと、糖度が高くなる
・「糖度が高いからといって甘いわけじゃないよ」と言うと、心が屈折してると思われる
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提供・味覚ステーション
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