この実験を一言にまとめると、

「アミロライド」によって塩味の閾値が上がった!(塩味を感じにくくなった!)

⇒アミロライドには塩味抑制効果があるに違いない!

となります。単純明快な実験ですね!

 

なおこの実験から、
「アミロライド」は塩味だけでなく酸味も抑制する働きがあることが分かりました。

 

 

 

アミロライドのがん治療薬としての今後の展望
 

「アミロライド」は、細胞内のpHを維持する働きのある
「NHE-1(Na+/H+exchanger)」を抑止することができます。

 

「NHE-1(Na+/H+exchanger)」を簡単に言うと、、、

Na+とH+の交換器 です。

 

この「NHE-1(Na+/H+exchanger)」の働きを抑止することがなぜがんの治療と結びつくかというと、、、

 

まず、がん細胞は、内部がアルカリ性、外部が酸性となっています。
そのようにpHを保つことによって、がん細胞は生きているのです。

 
 

がんの進行を遅らせるには、がん細胞が生きにくい環境にする必要があります。
それはつまり、がん細胞内部のpHの上昇を抑止して、アルカリ化を防ぐということです。

このpHの上昇は、細胞膜にあるポンプの働きによって起き、そのポンプによって酸が外部へ放出されます。

このポンプの働きをしているものの1つが、「NHE-1(Na+/H+exchanger)」です。

 

つまり、

アミロライドが「NHE-1(Na+/H+exchanger)」の働きを抑止

⇒がん細胞内のアルカリ化を防ぐ

⇒がん細胞を弱めることができる

というイメージです。

 

しかし、アミロライドはまだ治療薬としては認められていないようです。。
今後の展望に期待したいですね。

 

 

アミロライドに期待されるその他の効果

 

利尿作用

「アミロライド」には利尿作用があると言われています。
(腎上皮ナトリウムイオンチャネルを阻害するため)

※なお、利尿薬としてまだ日本では認可がされてないようです。

 

白血病治療薬

前述した通り、「アミロライド」は、細胞内のpHを維持する働きのある
「NHE-1(Na+/H+exchanger)」を抑止することができます。

 血液のがんと言われる白血病のがん細胞も正常な細胞と比べてpHが高いため、
がん細胞の働きを弱めることと同様の効果が期待できると考えられているようです。

 
 

また、「アミロライド」と類似しているDMA、EIPA、HMA(下記)
も白血病の治療のために研究されています。

酸による痛みを軽減

酸によって引き起こされた痛みは、
臨床実験で「アミロライド」によって軽減されることが報告されています。

将来、痛みの治療に対して「アミロライド」が利用されるかもしれませんね!

 

 

このように、「アミロライド」は
ただ塩味や酸味を抑制することができるだけではなく、
がん治療薬、白血病治療薬、酸暴露による痛みを軽減するなど、
様々な効果が期待されて、将来性が非常に高い物質だと思います!

みなさんも「アミロライド」を使って新しい可能性・ビジネスを考えてみてはいかがでしょうか。

 

以上、今日は「アミロライド」のお話でした!

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本日のまとめ
・塩は、「甘味」、「うま味」、「酸味」、「苦味」すべてと相性の良いオールマイティーくん!
・塩味抑制物質の「アミロライド」の可能性は無限大!
・今日は悲しくて全然おもしろいことが書けませんでした。。
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提供・味覚ステーション

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