粗品の動画も含め、「いきなり売れた」若手でこれだけトークができるのは末恐ろしい実力で、トーク番組などでも活躍が期待できる。

 元テレビ局スタッフの筆者から見て特に注目すべきは妙におっさん臭いキャラで、テレビ番組でシニア層や女性視聴者の人気を得られる素質を持っている。加えて、ロケで使ってもおもしろそうだ。また、高学歴芸人という経歴を活かしクイズ番組でも使い勝手が良い。

 今回、歌ネタ一本でR-1王者になった友田だが、バラエティタレントとしてポテンシャルの高さを秘めていることがわかる。

◆「R-1王者は売れない」説を打ち破る可能性も

友田オレ
 ここまで、友田の芸人としての実力の高さを解説したが、ついに「R-1」王者からスターが誕生する瞬間を迎えるかもしれないワクワク感がある。

「R-1」優勝者は悲しいかな、ここ数年で大ブレイクした芸人をほとんど輩出していない。各芸人のファンには申し訳ないが、純粋なピン芸人で大ブレイクしたのは、2016年王者のハリウッドザコシショウくらい。

 お見送り芸人しんいちは、いじられキャラとして人気だがブレイクといった感じはなく、2020年王者のゆりやんレトリィバァはすでに知名度が高かった。

 その結果、ウエストランドの井口浩之が「R-1には夢がない」とネタにしたほど。そんな悲しい現実に終止符を打ってくれそうなのが、今回の新王者の友田となる。

 番組に出演するタイミングや事務所の力などもあるが、是非とも友田が「R-1にも夢がある」ところをしっかりと証明ほしい。SNSでは友田のネタや実力を疑問視するコメントも多いが、そんな声を跳ね返す活躍を見せるべきだ。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】

某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆