しかし最近では、転売グループによる買い占めや、迷惑系YouTuberによるトラブルが増加しており、今後はルールが厳格化されるのではとも囁かれている。

日本のコスプレサークルが増え続けている

 そんな「台湾FF」の取材を進める中で、日本から参加するコスプレイヤーが増加しているように感じている。そこでここからは私が、最も取材に力を入れてきた“コスプレ”を中心に、「台湾FF」の現状を紹介していこう。

「台湾FF」を10年以上取材し続けているが、現在が最も日本のコスプレイヤーが参加しているのではないかと感じている。特にサークルで参加するコスプレイヤーが非常に多い。「台湾FF」のスタッフに確認したところ、現在、日本からのサークル申し込みは3桁を超えており、特にコスプレイヤーというジャンルへの申し込みが多いとのことだ。

 10年前は4~5の日本のコスプレサークルが点在していた程度だったが、今回の「台湾FF」では20~30の日本のコスプレサークルが1列になっていた。1区画すべて日本人のコスプレイヤーしかいない…そんな光景が見られるとは思わなかった。

目的は「新規ファン獲得のため」「単純に楽しいから」

 これは筆者の推測になるが、日本だけではフォロワーが伸びず、コミケや他の日本の即売会での頒布に限界を感じたコスプレイヤーが、新規ファン獲得のために「台湾FF」に来ているのではないだろうか。

 台湾は日本から近く、日本語が通じる場面が多く、日本人参加者も多い。簡単にチャレンジできる海外の場所としては、台湾が最も適している。

 もう1つの理由として、コスプレを披露する場として、とても楽しいことも挙げられる。

 数年前まではコスプレイヤーを囲みカメラマンが撮影する、いわゆる“囲み撮影”が日本でも多く見られた。その囲みの大きさや密度はひとつのステイタスだったが、コロナ禍後は見る機会が減ったのだ。「密を防ぐため」「ローアングラーによる盗撮対策のため」など、理由はいくつかあると思われる。