2015年公開の『ケンとカズ』でカトウシンスケさんとともにW主演を務め、自主映画としては異例のロングランとともに、高い評価を受けた俳優・毎熊克哉さん(37歳)。

毎熊さんインタビュー
 その後は、連続テレビ小説『まんぷく』で主人公一家を支えた“塩軍団”のひとり森本元や、昨年の大河ドラマ『光る君へ』で、序盤数回の出演ながらまひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)、それぞれと絆を結ぶ直秀を好演。直秀の退場時は視聴者からロスの声が起きました。

 そんな毎熊さんの主演最新映画『初級演技レッスン』が公開。タイトルに付く“初級”の大切さや、『光る君へ』で感じた吉高さん、柄本さんの姿を含め、「主演として立つ」ことについての思いなどを聞きました。

◆『初級演技レッスン』は仮のタイトルだと思っていた

毎熊さんインタビュー
――オファーがあった際の感想を聞かせてください。

毎熊克哉さん(以下、毎熊):すごいタイトルだなと思って。ちょっと怪しげだし(笑)、最初は仮なのかなと思っていたら、そのまま正式タイトルでした。

 だけどこの“初級”っていうところが肝だと思っていて、いろんなレッスンに初級、中級、上級がありますが、たとえば、僕がとても尊敬していて実際に教わっていたダンサー(EIJI)の方がいらっしゃるのですが、その方のクラスは初級しかないんです。やってみると、初級が一番難しいんです。

――初級が一番難しい。

毎熊:今回、映画本編にも踊りのシーンがちらっとだけ登場するので、あえて踊りに例えたままお話させていただきます。

 動きの難しさだけで言うと、おそらく上級が難しいと思います。では初級は何をやるのかというと、“音楽に乗る”んです。だけど踊りって、そもそも形の難しさではなくて、まず音楽があって、音楽に乗ることですよね。

 そこをやっていくから初級なんですが、逆にそこが一番難しくて、そこがかっこよくないと、どんなに難しい動きを覚えたところで、結局かっこよくならないんです。