◆派手さはないが程よい緊張感があった『光る君へ』の現場
――『光る君へ』の現場の雰囲気はいかがでしたか?
毎熊:今回の『初級演技レッスン』では僕が主人公なので、主演ということになりますが、大河ドラマに参加したとき、改めて主役って大事だと感じました。
吉高さんと柄本さん、2人の醸し出すものが作品のベースになっていくし、そこが作品の質感を決めるんだなと感じて、すごく偉大に見えました。
同じお話でも、別の方がやったら全然違う話に見えたと思います。現場も非常にいい空気でした。
派手さはないんだけれど、自分の役や作品に、日々すっと向き合っていく、程よい緊張感。その緊張感も強くなりすぎることのない、軸となるおふたりの人柄の良さを感じる、とてもいい現場でしたね。
◆器の大きな人になっていきたい

毎熊:主演をやることにこだわってはいないんです。面白い役や監督に出会ったり、いい共演をしていくことが一番。
ただその中に、主演という役割も入っていくのだとすると、やっぱり『光る君へ』じゃないですけど、主人公を演じる人の空気感を中心に、作品って出来上がるところはあると感じます。
そういう意味でいくと、今回、主演させていただきましたが、僕はまだそうした空気を出したり、作ることの努力ができていないなと。
お芝居はもちろんなんですけど、最初の“初級”の話ではないですが、結局、スキル云々ではなくて。もうちょっと人としての大きさを身に付けられたら。器の大きな人になれたらと思います。
(C) 2024埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ
『初級演技レッスン』は渋谷ユーロスペース、MOVIX川口ほかにて順次公開中
<取材・文・撮影/望月ふみ ヘアメイク/星野加奈子 スタイリスト/カワサキタカフミ>