こうした中で発表された「ジュニア大賞」について、書籍『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)、『夢物語は終わらない ~影と光の“ジャニーズ”論~』(文藝春秋)の著者であり、旧事務所時代からジャニーズタレントを追い続けている霜田明寛氏が解説する。

「今回の『ジュニア大賞』は、グループ解体が囁かれる中で投票が行われ、結果発表時には新たなグループ編成が発表されているという絶妙な時期での実施となりました。さまざまな項目がある中、メインの『恋人にしたい』部門は、かつては山下智久さんが3連覇した翌年2003年にNEWSとしてデビューするなど、デビューの指標のひとつとして目されてきたんです」

 なお、霜田氏によると、「当時は、ジュニアの人気を数値化して、公の場で発表されるものが、この『ジュニア大賞』くらいしかなかった」という。

「一方、近年では、YouTubeや各SNSなどで、簡単に数字を測ることができてしまいます。ほかにも指標がある中で、『ジュニア大賞』の投票結果の絶対性は薄れてきていると言っていいでしょう。もし事務所がこの投票を絶対視しているのであれば、結果発表後にランキングを参照して再編成を行ってもよかったはず。さらに、次期デビュー候補の筆頭株とうわさされるACEesメンバー5名が、『恋人にしたい』部門TOP30内でバラけてランクインしていることからも、近年はこの結果とデビューの相関性は薄れていく流れにあると考えられます」

 また、第31回の結果を踏まえて、同氏はこう語る。

「『恋人にしたい』以外の部門でも1位を総なめするなど、7 MEN 侍の強さが伝わってきます。これは、7 MEN 侍がいかにジュニアのファンに支持されていたか、その深さの表れのように思えます。解体がうわさされていた中、7 MEN 侍という独自の魅力を放つグループは絶対に解体してはならないというファンの強い想いが伝わってくるようで、今、この結果を見ると、とても切ない気持ちになってしまいます」