吉野:そうですね(笑)。懐かしいですね。

◆「観客目線でみなさんの拠り所になる役割を演じられたら」

映画「遺書、公開。」
――序列1位だった姫山椿がクラスメイト全員に宛てた遺書を順番に公開していきます。基本的に前半では池永のセリフはあまりありません。これまでの役に比べても少ないです。加えて密室劇だったことの難しさはありましたか?

吉野:セリフがそこまで多くはない中、主人公として物語を背負っていかなければなりませんでした。どんな存在感なら、作品全体を引っ張っていけるのか、迷いもありました。

英勉監督からは、「池永が写ったら、安心するような存在になったらいいね」とアドバイスをいただきました。その上で静かに見守るというか、観客目線でみなさんの拠り所になる役割を演じられたらなと思っていました。

◆「自分というキャラクター性を取り入れながら」演じる

吉野北人さん
――観客目線の役割を担う池永のキャラクター性をどうやって掴みましたか?

吉野:これは当たり前のことかもしれないのですが、結局のところ、キャラクターは俳優本人が演じるものです。違う誰かになりきる部分もありますが、僕は、自分というキャラクター性を取り入れながら、その役の個性を探ることに重点をおいています。いわゆる憑依型タイプではないので、なるべく自分の気持ちや感情を大切にしています。

――吉野さんと池永が共通する部分はありますか?

吉野:池永と同じように、僕もそこまで前にでて何かを伝えるタイプではありません。僕が所属するTHE RAMPAGEのメンバーは16人。ライブ中はヴォーカルとして引っ張っていきますが、それ以外のリハーサルや打ち合わせでは、ここぞというときにしか喋らないです。

やるときはやる。責任感、正義感は似ているなと思いました。その意味で池永を演じるお芝居は、テンションを調整する難しさなどはありましたが、自分に近い感情ですんなり演じられました。