◆人と動物の共生を目指して、できることをこれからも
利用者さんと接する時の心構えを聞いたところ、
「人とも猫とも対等です。利用者さんに対しては同じ人間だし、特別に構えることはありません。
無理強いをせず『できることをやってもらえれば』という精神でいます。でも、利用者さんは猫に気を使うのに対し、猫は気を使わないですね」
そう笑って話してくれました。気になる今後の活動は、
「同じ建物の1階が空いています。そこに引っ越しできれば、車椅子を使用している利用者さんにも働いてもらいやすくなります。
猫の設備の高さを変えれば、車椅子でもお世話は可能です」
と、やはり利用者さんのことを考えていることがわかりました。
現在、お店があるのは3階のフロア。階段しかないことから、足が不自由な方が訪れるには難しい環境です。
しかし、引越し先のリフォームに多大な費用が掛かるのが難点だといいます。
「保護活動をしても、またどこからか猫がやってくる、ボランティアさんが活動を辞めてしまうなど、課題は尽きません。
でも、今後も自分のできる範囲のことを継続していきたいと思います」
人と猫、どちらも取り残さない「和風猫本舗」のような場所が、もっとあってもいいかもしれない。そんな風に考えさせてくれる場所でした。
<文・写真/増田洋子>
【増田洋子】
2匹のデグー、2匹のラットと暮らすライター。デグーオンリーイベント「デグーサロン」を運営。愛玩動物飼養管理士2級を取得。Twitter:@degutoichacora