インドネシアの民族衣装や伝統衣装を着るシーンは?

インドネシアの民族衣装を大調査!男女別・布地も徹底解説!
(画像=『lovely』より引用)

日本の民族衣装と言えば着物ですが、普段から着物を着ている人はまれですよね。初詣や夏祭りといった行事や、成人式での振袖、結婚式の白無垢や留め袖、お葬式での喪服ぐらいで、日常使いの衣類とは言えません。

では、インドネシアの伝統衣装はどんな場面で身に着けられているのでしょうか?民族衣装を着用するシーンごとに見ていきましょう。

①結婚式

結婚式は、日本でも正装の場面とされていますよね。新郎新婦は紋付袴に白無垢や打ち掛けを着用しますし、招待客も留め袖や振袖で出席する人は多いでしょう。

インドネシアでは宗教が重要視されるので、新郎新婦がどの宗教を信仰しているかで、スタイルが変わってきます。

イスラム式の結婚式では、新郎新婦も招待客も、男性はバティック、女性はサロンケバヤを身に着けます。キリスト教の結婚式ではウェディングドレスとタキシードとなります。

インドネシアの結婚式はとても豪華で招待客も多いので、招待客にカラーコードを設け、新郎側と新婦側を分けることも多いです。衣装を新調する招待客も多く、インドネシアの人々が衣類にかける情熱が伺えますね。

②バリ舞踊

バリの伝統的な舞踊であるバリ舞踊は、バリ・ヒンドゥーという宗教が基礎となっている踊り。踊り子である女性はケバヤを身に着け、楽器奏者である男性はブスカップを着用します。

イスラム教では女性の肌の露出を良しとしませんが、バリ舞踊はイスラム教ではなくバリ・ヒンドゥー教という独自の宗教が元とされているので、女性の衣装は肩が出ていても問題がありません。

③普段の生活

普段の生活の中でも、インドネシアの人は民族衣装を身に着けて生活することが多いです。巻きスカートであるサロンを身に着けますし、イスラム教徒である女性はヒジャブを頭部に巻いています。

職場の制服にも民族衣装であるケバヤが取り入れられていることもありますし、バリ島の男性は寺院を訪れる際に正装であるサファリを着用します。

また、政府が民族衣装の着用を推奨しているため、月に何度かは民族衣装を着る日が設けられています。

インドネシアの民族衣装の布地

インドネシアの民族衣装を大調査!男女別・布地も徹底解説!
(画像=『lovely』より引用)

インドネシアの伝統衣装は、独特の布地で作られています。染や織りの技法で作られる伝統衣装は、カラーもモチーフも多彩で、奥深さがあります。

①バティック

バディックとは、ろうけつ染めした布地のこと。ユネスト世界無形文化遺産に登録され、国家で着用が水晶されています。ジョグジャカルタとソロが二大産地とされ、「ジャワ更紗(じゃわさらさ)」とも呼ばれます。

地域によってモチーフや色合いが違います。1枚1枚に手作業で絵を描き染められていくものなので、同じものは1枚しかありません。

②ソンケット

織布の1種であるソンケットは、踊り子がよく身に着けているきらびやかな布地。金や銀の糸を使われたものも多く、模様が浮き出て見えるような立体的なデザインをしています。

貝殻やビーズを縫い付けてよりゴージャスにしたものもあり、衣類だけでなく小物づくりにも使われています。

③イカット

イカットは、織機で織られた布のこと。糸を染めてから織機で織って布を作っていきますが、織機の幅によっては布を2枚つなげたものもあります。

同じ織布であるソンケットより地味ですが、絵巻のように物語性のあるものもあり、宗教や儀式をモチーフにしたものが多く、動物の柄も多いのが特徴です。

インドネシアの民族衣装を着てみよう!

インドネシアの民族衣装を大調査!男女別・布地も徹底解説!
(画像=『lovely』より引用)

日本で民族衣装といえば着物ですが、袖の長さなど多少の違いはあるものの、種類によって大きな変化はありません。インドネシアの民族衣装は、そんな日本と比べると幅が広く、身に着けるシーンによっても違いがあります。

民族衣装には独自の伝統の布が使われていて、1から染められたり織られたりすることもしばしば。1つ1つの布に意味や思いが込められ、それが民族衣装として仕立てられているなんて、伝統工芸品といっても過言ではないでしょう。

日常的に伝統や宗教が取り入れられているインドネシアの衣類ですが、日本人でも、現地でのレンタルや、伝統布を使って自作することができます。布そのものがオシャレなので、巻き付けるだけのサロンなら簡単に取り入れられそうですね。

暑い夏には、自宅でのくつろぎタイムにインドネシアの布を使ってサロンで過ごすのも良いかもしれません。ぜひ、試してみてくださいね。