インドネシアの主な地方
インドネシアには大小さまざまな島があります。その中で大きな島や有名な島を3つ、ご紹介しましょう。
①バリ島
リゾート地として有名なバリ島は、インドネシアのほぼ中央に位置する小さな島。390万人が暮らし、バリ人、ジャワ人以外にも、外国人も多く住んでいる国際的な島です。また、イスラム教徒が国民の9割を占めるインドネシアでは、珍しくヒンドゥー教徒が多い島でもあります。
満潮時は海に浮かんでいるように見えるタナロット寺院や、バリ・ヒンドゥー教の総本山でもあるブサキ寺院、世界遺産に登録されているタマン・アユン寺院、岬の上に建てられたウルワツ寺院など、多くの宗教建設物が観光スポットとなっています。
また、南部にあるクタビーチは、美しい砂浜とエメラルドグリーンの海が有名で、世界中からサーファーたちが集まります。
②スマトラ島
インドネシア西部に位置するスマトラ島は、世界で6番目に大きな島です。首都・ジャカルタから1時間程度かかりますが、マレーシアやシンガポールと隣接しているため、船で行き来することができます。
人口は約5,000万人がいて、マライ人、ミナンカバウ人、アチェ人、バタッ人が多いです。
北部に位置する都市・メダンには、東南アジア最大の湖であるトバ湖があり、泳ぐこともできます。火山の噴火でできたサモシール島もあり、観光地として有名。温泉も湧いています。
中央北部に位置するブカンバルには空港があり、陸路4時間ほどでの場所にテッソロニ国立公園があります。
また、スマトラ島といえば、スマトラトラやスマトラオランウータンなど、絶滅危惧種の動物が暮らしている場所としても有名ですよね。
コーヒー好きに有名な、ジャコウネコのフンから取れるコピ・ルアクというコーヒー豆の産地でもあります。
③ジャワ島
首都・ジャカルタを有するジャワ島は、インドネシアのほぼ中央に位置する、東西に長い島です。人口は約1億3,700万人。マレー系ジャワ人やスンダ人がメインとなっています。
東方には火山として有名なブロモ山があり、中央にはボロブドゥールのボロブドゥール寺院遺跡群や、ジョグジャカルタの王族が今も暮らしている宮殿・クラトンがあります。
西方のジャカルタには世界最大のイスラムモスク・イスティクラルモスクがありますが、外国人は入れるエリアが決められています。
また、コーヒー豆の1つであるマンダリンの産地としても知られています。
インドネシアの民族衣装【男女兼用】
ここからは、インドネシアの人たちの衣類について見てみましょう。まずは、男女兼用の衣類からご説明します。
サロン
サロンとは、1枚の大きな布地を巻き付けて作る巻きスカートのこと。バティックやソンケットなどの伝統的な布地を使ったものが多く、日常的に着用されています。
スカートといえば女性のものというイメージがありますが、インドネシアでは男性もこのサロンを身に着けています。風通しが良くないと、熱帯地域の暑さに耐えられないようですね。
インドネシアの民族衣装【男性用】
インドネシアの民族衣装には、男性用と女性用に分かれたものもあります。
ここでは、男性用の民族衣装を見ていきます。
①ブスカップ
ブスカップとは、ジャワ島の伝統衣装であるジャケットのこと。ブランコンと呼ばれる帽子とカインと呼ばれる巻きスカート、スゲタンという帯がセットになっています。
きらびやかなものもあり、オーダーメイドで作られることも。インドネシアの正装とされ、結婚式などの特別な宴に着用します。
②サファリ
バリ島の男性が身に着ける伝統衣装である、サファリ。学生服のようなシャツです。
正装として使われていて、寺院を訪れる際や民族音楽であるガムランを演奏する際にも着用されます。基本的にオーダーメイドとなります。
インドネシアの民族衣装【女性用】
エキゾチックな雰囲気が漂う、インドネシアの女性の衣類。ここでは2種類の伝統衣装をご紹介します。
①ケバヤ
ケバヤという女性の伝統衣装は、ブラウスとワンピースを合わせたもののこと。クバヤと呼ばれることもあります。インドネシアだけでなく近隣の国でも着用されていて、元々は上流貴族のための服でした。
現代において、純粋なケバヤはあまり見かけることがなく、サロンケバヤと呼ばれるものが主流となっています。
サロンケバヤとは、巻きスカートであるサロンと、ジャケットとしてのケバヤを組み合わせたもののこと。空港職員やホテル従業員の制服として着用されています。
伝統的なケバヤには襟があり、胸元がV字カットされ開いています。ワンピース部分とジャケット部分はセットで仕立てられ、モチーフは、女性のものらしく花や蝶々が使われることがほとんどとなっています。
縦長のピッタリとしたシルエットで、ロングのチャイナ服やアオザイと通じるものがありますね。
②ヒジャブ
ヒジャブとは、多くのイスラム圏で見られる、女性の頭部を覆う布のこと。一般的なヒジャブのカラーは黒で、目だけを出すのが正式なスタイルとされています。
イスラム教はとても厳しい宗教であり、女性が肌や髪を出すことを良しとしません。血族以外の男性がいる場所で、このヒジャブの着用が法律で義務付けられている国もあります。
インドネシアでは顔全体を出すのが一般的で、カラフルなヒジャブを身に着けた女性を多く見かけます。しかし、地域によってはカラフルなものや目元以外を出す巻き方を敬遠するところもあります。
民族や地域、年代によって流行の巻き方があり、現地の人同士では、女性のヒジャブで出身地を言い当てられるんだとか。
ヒジャブの内側には、髪の毛が垂れてこないように被る「ニンジャ」と呼ばれるキャップがあり、インドネシア国内のユニクロなどでも販売されています。