「塩糖水」。まったく聞きなれない言葉ですが、正体は「塩と砂糖と水を混ぜた液体」。この塩糖水に食材を漬けるだけで「おいしくなる!料理の腕が上がる」というレシピ本を発見しました。
『おいしくなって保存もきく! 塩糖水漬けレシピ』(世界文化社)には、塩糖水を使ったレシピがいっぱい。まずは塩糖水の仕組みを、肉を例に本書から簡単に説明します。(初公開日は2020年10月6日 記事は取材時の状況)
◆塩糖水の仕組み
肉を加熱すると……たんぱく質が収縮・凝固するので肉が縮む。肉が縮むため、保持していた水分が流出する。
肉を塩糖水に漬けると……塩と砂糖が肉の内部に浸透する。塩が浸透すると、肉の筋線維がほぐれて筋線維間のスペースが広がる。ここに水分が蓄えられる。砂糖の分子と肉のたんぱく質の分子が結合し、加熱による縮みや凝固を抑制する。砂糖は保水性が高いので、肉の水分を保つことができる。
調理前はかなり大きな肉だったのに、調理後はひとまわり小さくなってしまった、とガッカリした経験はありませんか。私は今まで自分の料理の腕が悪いからだとあきらめていましたが、すべては科学的根拠のなせる業。塩糖水に漬ければ、悩みの大半は解決しそうですよ。
◆塩糖水の作り方と漬け方
今日からでも使える、塩糖水の作り方はこちら。
☆塩糖水の作り方と漬け方(肉や魚200g~300gに対して)
【材料】
塩(粗塩)小さじ2/3(約3g)
糖(砂糖)大さじ1/2(約5g)
水100ml
1. ポリ袋に塩、砂糖、水を入れて巾着状に上部を寄せ、袋をふって溶かす。袋に少し空気が入っているとふりやすい。
2. 肉や魚を入れ、全体に液が浸かるようにならす。空気を抜いて口を縛り、冷蔵庫で3時間以上おく。バットにのせておくと万が一ポリ袋が破けても安心です。
あまりに簡単すぎて小躍りしそうになった私。下ごしらえ感覚でササッとできるんですね。朝、塩糖水に肉や魚を漬けておけば、夜、レベルアップした肉料理や魚料理が食べられるというわけ。