新NISA(つみたて投資枠)で毎月いくら積み立てるのがいいかは、目標金額や運用できる年数によって異なります。積み立て投資の複利効果を活かして利益を最大限にするには、長期運用することが不可欠です。ですから、毎月の積立額を設定するときは、無理のない金額を設定しましょう。目安は給料の10~15%です。
なお、新NISA(つみたて投資枠)での毎月の積立平均金額はおよそ6万円であることがわかっています。 また、平均年収からみる、年代別のベストな積立額は次のとおりです。
新NISAで毎月いくら積み立てる?年代別のベストな積立額
・20代:3万5,000円~5万1,000円
・30代:4万9,000円~5万3,000円
・40代:4万8,000円~5万1,000円
・50代:5万7,000円~5万8,000円
・60代:3万円~3万9,000円
中には、一括投資したい人や、最短の5年で使い切るべきか、迷っている人もいるでしょう。結論からいうと、大きなリスクをとれるのであれば、一括で多額を投資したり、毎月枠ギリギリの30万円を積み立てて5年間で使い切ったほうが、大きな利益を狙えます。
今回は、新NISAで毎月いくら積み立てるべきかを「20代・30代・40代・50代・60代の年代別」にシミュレーションしました。おすすめ銘柄も紹介しますので、なるべく早く積み立てを開始して、大きな資産を形成しましょう。
会社名 | ||||||||||
取扱銘柄数 | 205本 | 194本 | 200本 | 177本 | 197本 | 158本 | 26本 | 19本 | 8本 | 1本 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 1,000円 | 100円 | 1,000円 | 1,000円 | 100円 |
積立コース | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月/毎週/毎日/隔月/3ヵ月ごと/4ヵ月ごと/6ヵ月ごと | 毎月 | 毎月 | 毎月 |
ポイント還元 | Tポイント dポイント Pontaポイント JALマイル Vポイント |
楽天ポイント | Pontaポイント | マネックスポイント | 松井証券ポイント | dポイント | ー | ー | ー | ー |
クレジット カード決済 ポイント還元率 |
三井住友カード 0.5%(※1) |
楽天カード 0.5%~1.0% |
au PAYカード 1% |
マネックスカード 1.1% |
ー | ー | ー | ー | ー | ー |
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新NISAは毎月いくら積み立てることができる?
新NISAでは、つみたて投資枠(上限10万円/月)と成長投資枠(上限20万円/月)をあわせて、合計月30万円(年間360万円、5年で1,800万円)まで積み立てることができます。
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁の基準を満たし、長期的な積立や分散投資に適した特定の投資信託となります。 一方、成長投資枠では、投資信託に加えて上場株式なども対象とし、つみたて投資枠の商品と比べてリスクとリターンが高い金融商品に投資することができます(※一部対象外の投資信託等があります)。
つみたて投資枠で購入できる商品は、成長投資枠でも購入可能です。例えば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をつみたて投資枠で月10万円、成長投資枠で月20万円、合計月30万円分積み立てることもできます。
新NISAで毎月いくら積み立てる?全体の平均額
新NISA(つみたて投資枠)で毎月いくら積み立てているのか、全体の平均額は約6万円であることがわかっています。
※参照:オカネコ「 新NISAの利用意向調査」
同調査では毎月の積立額について「9万円以上〜10万円未満」と回答した人がもっとも多くなっています。 そのため、全体平均の5万8,628円という金額について、積極的な投資家が平均を引き上げているといえます。
毎月の積立額が5万円未満の人は合計で、全体の40%程度となっています。このことから投資家の間では積立額に差があり、積極的な投資家だけでなく、少額を積み立てる人も多く存在することがわかります。
【年代別】新NISAは毎月いくら積み立てるのがいい?
新NISAで毎月いくら積み立てるべきなのか、20代〜60代の年代別で、シミュレーションしましょう。各年代の平均年収や、起こりがちなライフイベントから、ベストな金額を算出しました。
【年代別】新NISAの積立額
● 20代は3万5,000~5万1,000円
● 30代は4万9,000円~5万3,000円
● 40代は4万8,000円~5万1,000円
● 50代は5万7,000円~5万8,000円
● 60代は3万円~3万9,000円
※参照:資産形成を始めるにあたって
20代は毎月いくら?3万5,000~5万1,000円が目安だが、5,000円でもOK
20代が新NISAで毎月いくら積み立てるべきか、目安は3万5,000~5万1,000円です。ただし積立は、毎月の生活費を圧迫しない範囲で行うのが重要です。20代であれば、月5,000円の積立であっても、30年後の50代には347万円の資産を形成できます。
国税庁の「2022年分民間給与実態調査」によると、20代の平均年収は20~24歳が273万円、25~29歳は389万円でした。平均年収を12ヵ月で割ると、20代の平均月収は22~32万円です。
20代の単身世帯が手取り収入から貯蓄に回している割合は平均16%なので、毎月の最適な積立額は3万5,000~5万1,000円となります。
20代から、毎月3万5,000~5万1,000円を積み立てれば、30年後の50代には2,400万円~3,500万円の資産を形成できます。
<20代の平均年収>
20~24歳:273万円
25~29歳:389万円
<20代の平均月収>
22~32万円
※参照:国税庁「2022年分民間給与実態調査」
20代の単身世帯が手取り収入から貯蓄に回している割合:平均16%
※参照:金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」
大西勝士(ファイナンシャル・プランナー)
20代の平均年収 | 投資に回す割合 | 貯蓄に回せる金額 |
---|---|---|
22~32万円 | 5% | 1万1,000円~1万6,000円 |
10% | 2万2,000円~3万2,000円 | |
15% | 3万3,000円~4万8,000円 | |
20% | 4万4,000円~6万4,000円 |
30代は毎月いくら?4万9,000円~5万3,000円が目安
30代が新NISAで毎月いくら積み立てるべきか、目安は4万9,000円~5万3,000円です。これは、平均月収や貯蓄に回す割合から算出しています。所帯を持つ人が増える30代は、単身世帯が多い20代と比べて貯蓄率は減少しますが、年収が増加する分、多くの金額を投資に回せる世代といえます。
<30代の平均年収>
30~34歳:425万円
35~39歳:462万円
<30代の平均月収>
35~38万円
※参照:国税庁「2022年分民間給与実態調査」
30代の二人以上世帯が手取り収入から貯蓄に回している割合:平均14%
※参照:金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」
大西勝士(ファイナンシャル・プランナー)
文部科学省によると、高等学校卒業までにかかる学習費総額は全て公立で約600万円、全て私立だと約1,800万円にもなります(出典:文部科学省「子供の学習費調査(2021年度)」)。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 16万5,126円 | 30万8,909円 |
小学校 | 35万2,566円 | 166万6,949円 |
中学校 | 53万8,799円 | 143万6,353円 |
高等学校 | 51万2,971円 | 105万4,444円 |
高等学校卒業までの費用(※1) | 576万6,084円 | 1,840万812円 |
さらに大学へ進学する場合、卒業までの費用(入学料+授業料)は国公立で約250万円、私立で約400万円です(出典:文部科学省 私立大学等入学者に係る初年度学生納付金調査(2023年度))。
国立 | 公立 | 私立大学 | |
---|---|---|---|
入学料 | 28万2,000円 | 37万4,371円 | 24万806円 |
授業料 | 53万5,800円 | 53万6,191円 | 95万9,205円 |
卒業までの費用(※1) | 242万5,200円 | 251万9,135円 | 407万7,626円 |
上記データをまとめると、大学卒業までの費用は最低(高等学校まで全て公立、大学は国立)でも約800万円かかることになります。30代の人が子供の大学卒業までの資金を20年間で準備するなら毎月3万3,000円の積み立てが必要となる計算です。
30代の平均年収 | 投資に回す割合 | 貯蓄に回せる金額 |
---|---|---|
35~38万円 | 5% | 1万7,500円~1万9,000円 |
10% | 3万5,000円~3万8,000円 | |
15% | 5万2,500円~5万7,000円 | |
20% | 7万円~7万6,000円 |
大西勝士(ファイナンシャル・プランナー)
40代は毎月いくら?4万8,000円~5万1,000円が目安、いけるなら8万円
40代が新NISAで毎月いくら積み立てるべきか、目安は4万8,000円~5万1,000円です。40代は、管理職の経験などから年収が増える人が多い一方で貯蓄率は12%となっています。子供が成長して教育費などの支出も増加するため、20代(16%)、30代(14%)と比べて貯蓄に回せる金額が減少する傾向があります。 とはいえ、稼ぎ時の年代なので、余裕がある人は8万円~10万円に設定してもいいでしょう。
<40代の平均年収>
40~44歳:491万円
45~49歳:521万円
<40代の平均月収>
40~43万円
※参照:国税庁「2022年分民間給与実態調査」
40代の二人以上世帯が手取り収入から貯蓄に回している割合:平均12%
※参照:金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」
40代の平均年収 | 投資に回す割合 | 貯蓄に回せる金額 |
---|---|---|
40~43万円 | 5% | 2万円~2万1,500円 |
10% | 4万円~4万3,000円 | |
15% | 6万円~6万4,500円 | |
20% | 8万円~8万6,000円 |
仮に平均年収の10%を投資に回す場合、新NISAの積立金額は月4万円~4万3,000円が目安です。
大西勝士(ファイナンシャル・プランナー)
50代は毎月いくら?5万7,000円~5万8,000円が目安
50代が新NISAを始める場合、毎月の積立金額は5万7,000円~5万8,000円が目安です。年収・月収は他の年代と比べて最も高くなっています。ただし、貯蓄率は50代と同じ12%にとどまり、教育費のほか介護費の捻出が影響していると予測できます。
<50代の平均年収>
50~54歳:537万円
55~59歳:546万円
<50代の平均月収>
44~45万円
※参照:国税庁「2022年分民間給与実態調査」
50代の二人以上世帯が手取り収入から貯蓄に回している割合:平均12%
※参照:金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」
大西勝士(ファイナンシャル・プランナー)
生命保険文化センターが介護経験者に調査したところ、一時的な介護費用(住宅改造や介護用ベッドの購入など)の平均は74万円、月額の平均は8万3,000円でした。
※出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(2021年度)」。
【介護に要した費用の平均額(2021年)】
・一時的な費用:74万円
・月額:8.3万円
・(参考)介護期間の平均:61.1ヵ月(5年1ヵ月)
※出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(2021年度)」
50代の平均年収 | 投資に回す割合 | 貯蓄に回せる金額 |
---|---|---|
44~45万円 | 5% | 2万2,000円~2万2,500円 |
10% | 4万4,000円~4万5,000円 | |
15% | 6万6,000円~6万7,500円 | |
20% | 8万8,000円~9万円 |
大西勝士(ファイナンシャル・プランナー)
60代以降は毎月いくら?3万円~3万9,000円が目安
60代が新NISAを始める場合、給与などの安定収入があるなら、毎月の積立金額は3万円~3万9,000円が目安です。平均年収・月収は20代より高いですが、これは一部の高所得者層が平均を引き上げている結果といえます。貯蓄率は全年代の中でもっとも低い11%です。50代までにしっかり蓄えることができれば、貯蓄に回すお金は、もっと減らすことができるでしょう。
<60代の平均年収>
60~64歳:441万円
65~69歳:342万円
<60代の平均月収>
28~36万円
※参照:国税庁「2022年分民間給与実態調査」
60代の二人以上世帯が手取り収入から貯蓄に回している割合:平均11%
※参照:金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」
60代の平均年収 | 投資に回す割合 | 貯蓄に回せる金額 |
---|---|---|
28~36万円 | 5% | 1万4,000円~1万8,000円 |
10% | 2万8,000円~3万6,000円 | |
15% | 4万2,000円~5万4,000円 | |
20% | 5万6,000円~7万2,000円 |
60代以降は病気への備えを検討しましょう。加齢から病気になりやすい時期で、特に日本人の死因1位のがん(2021年、出典:厚生労働省「人口動態調査(2022年)」)の罹患率は60代以降に上昇することから注意が必要です。
もっとも、60代以降は基本的に資産を取り崩す時期です。貯蓄が十分にある場合、無理に積み立てる必要はないでしょう。
大西勝士(ファイナンシャル・プランナー)
仮に平均年収の10%を投資に回す場合、新NISAの積立金額は月2万8,000円~3万6,000円が目安です。
60代の多くは、50代のときよりも収入が下がります。定年退職を迎え、収入が年金のみとなる人もいるでしょう。また、医療費や介護費用など、急にまとまったお金が必要にある可能性も高まります。
上記はあくまでも、60代の平均年収から試算した金額です。リスクを抑えることを重視するなら、月5,000円などの少額投資を続けてもいいでしょう。
よくあるQ&A
積立額が月額5万円の場合、元本が1,800万円になるまで30年かかります。30年後の運用益は、利回り3%で1,093万5,652円(評価額2,893万5,652円)、利回り5%の場合は4,076万8,795円(評価額4,076万8,795円)です。
積立額が月額10万円の場合は、元本が1,800万円になるまで15年です。15年後の運用益は利回り3%で462万3,941円(評価額2,262万3,941円)、利回り5%の場合は848万2,459円(評価額2,648万2,459円)となります。
※参照:2024 年以降の NISA に関する Q&A
あくまでもシミュレーション結果であり、運用がうまくいかずに損失が生じる可能性もあります。
将来必要な金額がはっきりしているなら、その金額をもとに積立額を決める方法もあります。例えば、老後資金2,000万円用意するために利回り3%で運用する場合、月額3万円なら32年11ヵ月かかりますが、月額5万円なら23年3ヵ月で達成できます。金融機関が提供しているシミュレーションツールを利用して、積立額を検討するのがおすすめです。
なお、1,800万円の枠を使い切った状態で保有中の投資信託を売却した場合は、売却した元本部分の枠が復活し、翌年以降に年間投資枠の範囲内で新たに投資できます。
※参照:2024 年以降の NISA に関する Q&A
※参照:【新NISAの利用意向調査】新NISAの利用率は約4割。“つみたて投資枠“での毎月の積立平均金額60,689円と高い傾向に!
※参照:資産運用シミュレーション : 金融庁
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