食べたものが消化されて便になるまで

「便」は体調を雄弁に語ります 【猫のからだセミナー 便編】
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

① 口

かむことで摂取した食べ物を小さくし、唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすくします。

② 食道

食道の蠕動運動により、食物は、順に胃へと送り込まれます。
※猫は食道の蠕動運動が人や犬に比べて遅いため、投薬時は薬剤が食道に留まることがないよう、十分に水を飲ませることが大切です。

③ 胃

食物は胃液と混ざり、ドロドロに溶かされて、十二指腸に送られます。

④ 十二指腸

十二指腸には、すい臓からすい液、胆のうから胆汁が流れ込んできて、食物の消化・分解が進められ、小腸へ。

⑤ 小腸

小腸から分泌される消化酵素で、さらに細かく分解された栄養素は小腸で吸収され、血液中に取り込まれます。
小腸の内壁には腸絨毛と呼ばれる突起がたくさんあり、表面積を大きくすることで栄養素を効率よく吸収しています。

⑥ 大腸

大腸では水分が吸収され、最後の残りかすが固まって便になります。

⑦ 肛門

便は直腸を通って、肛門から排泄されます。

「便」は体調を雄弁に語ります 【猫のからだセミナー 便編】
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

便の異常と考えられる原因

危険なケースは、すぐに動物病院へ

愛猫の便がいつもと違う!次のような危険な変化に気づいたら、すぐに動物病院へ。
動物病院に行くときには、できるだけ便を持って行くようにしましょう。また便の異常以外に、吐いたり、元気がないなど、他の症状が出ていないか、愛猫の様子をしっかり観察してください。

便秘

猫は直腸が通過する骨盤腔が狭く、犬に比べてもともと便秘になりやすい動物ですが、重度の場合は、「巨大結腸症」の疑いが。これは、便が何らかの原因で骨盤腔の手前の結腸に滞ってしまい、スムーズに排泄されない病態です。

血便

便に付着したり混じったり血液が、鮮やかな赤なら直腸から、赤ワイン色なら大腸から、黒色なら胃・十二指腸・小腸などからの出血が疑われます。

タール便

黒くて粘り気のあるタール状の便。胃や十二指腸の潰瘍やがん、寄生虫(猫鉤虫など)感染による小腸からの出血の可能性もあります。

細い便

便が細いのは、腸が圧迫されているのが原因です。直腸がんや、オスなら前立腺肥大、メスなら膣の平滑筋肉腫などの可能性も。

粘液便

表面に白いゼリー状の粘液が付着している便。通常は大腸の粘液は便と混ざって排泄されるので、大腸のトラブルが考えられます。寄生虫がいたり、ストレスが原因のことも。
また粘液便や血便などの下痢を慢性的に繰り返す場合は、炎症性腸疾患(IBD)の可能性もあります。

灰白色便

灰色や白っぽい便。胆のうに障害があって胆汁の分泌量が少なかったり、また慢性すい炎やすい外分泌不全などで、すい液が十分分泌されない場合も、消化不良で白っぽい脂を含んだ便が出ます。

緑色便

抗生物質を与え過ぎると、腸内細菌が死滅して、緑色の便になることがあります。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

【こちらの記事も読まれています】
犬が吐く理由は?犬の嘔吐の原因や対処法、子犬の嘔吐について獣医師が解説
【獣医師監修】「猫が撫でられるとうれしいポイントと絆を深めるコミュニケーション術」
犬の咳、くしゃみ、鼻水の原因とは?考えられる病気と対処法を獣医師が解説!
猫に好かれる人・嫌われる人の行動や特徴とは?
犬同士が仲良しの時に見せる行動・サインって何?