コロナ禍でめっきり機会は減ってしまいましたが、高校や大学時代の友人と久しぶりに同窓会で会い、思い出話に花が咲くこともあるでしょう。そんなときに気をつけたいエピソードを紹介します。

fuelle編集部に寄せられた金銭トラブル相談

社会人1年目の10月、高校の同級生で仲良くしていた友人から「元気にやってる?仕事は順調?」と、LINEで連絡がありました。コロナ禍の影響で、業界的に大打撃を受けた職種でしたので、素直にそのことをを伝えました。高校の時、その友人とは仲良くしていたので、疑いもなく返信をしました。

すると、「今度新しい職場を紹介してあげるよ。久しぶりにランチでもどう?」と誘われ、私は時間があったのでランチに行きました。数年ぶりに会ったので高校の時の思い出話に花が咲き、最初はとても楽しかったです。

しかし、次第に今の仕事や給料などの悩み相談の話になりました。友人は、コロナ禍の影響が比較的少ない仕事やリモートワークで働ける職場をいくつか紹介してくれました。それまでは普通の会社を案内してくれたのですが、一番最後に勧められたのが、所謂ねずみ講の話題でした。

今思えば、完全なねずみ講詐欺ですが、友人と話をしていたときは、まさか自分が詐欺に荷担する寸前にいるとは思いもしませんでした。まだ、前職を退職していなかったため、話を持ち帰ると伝えて解散しました。幸いなことに、知り合いに詐欺であることを教えてもらい、詐欺に荷担することはありませんでしたが、人生が終わる前に気づけて良かったです。

ネットワークビジネスって?

ネットワークビジネスやマルチ商法とは、どのようなものを指すのでしょうか?

簡単に言うと、ある組織の会員になってその組織の商品を売りながら別の人を会員に勧誘し、自分が紹介した会員が商品を購入したら紹介者にマージンが入るようなビジネスモデルのことです。

ネットワークビジネスやマルチ商法に対して「怪しい」というイメージを持つ人が多いのも事実ですが、法律的には「連鎖販売取引」と呼ばれ、違法ではありません。れっきとしたビジネスで、ネットワークビジネスを行っている企業もあります。

ねずみ講って?

これに対し、ねずみ講とはどのようなものを指すのでしょうか?

会員を勧誘する点はネットワークビジネスと似ているのですが、この2つは似て非なるものです。ねずみ講は、法律的には「無限連鎖講」に該当するため禁止されており、違反すると刑事罰もあります。

ねずみ講は商品の販売を伴わず、金品の受渡しを目的とする組織を作り上げていくもので、ネットワークビジネスとの違いは、商品の販売があるか否かとなります。例えば、ねずみ講の典型例には次のようなものがあります。

「まず、あなたは紹介者に会費1万円を支払ってください。次に、この組織を誰かに紹介してください。紹介した人が会費1万円を支払ってくれたら、そのうち数%はあなたのものになります。紹介した人がさらに誰かに紹介して会費1万円を払ってくれたら、そのうち数%があなたのものになります。」

このような仕組みは、指数関数的に会員が増えていき、最後は破綻することがわかっているので「無限連鎖講の防止に関する法律」で禁止されています。