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2020/03/16

「つみたてNISA」と「一般NISA」切り替えの2つの注意点

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
非課税で運用できる「NISA(ニーサ)」には、「つみたてNISA」と「一般NISA」があり、どちらか好きなほう選ぶことができます。また、一度選んだものをもう一方に切り替えることもできます。切り替えのルールは少し複雑ですが、正しく把握しておけば、よりNISAを有効に使うことができます。ここでは、NISAの切り替え時の注意点を2つに絞って解説します。

つみたてNISAと一般NISAの違い

つみたてNISAも一般NISAも、運用益が非課税になる点は共通です。通常だと利益に約2割の税金がかかるので、かなり有利と言えます。一方、投資金額の上限や期間、商品などに違いがあります。
 
  つみたてNISA 一般NISA
投資できる金額 40万円/年 120万円/年
非課税期間 20年間 5年間
投資できる年 2037年まで
※2042年までに延長される予定
2023年まで
投資できる商品 投資信託のみ 投資信託、株式
投資タイミング 選べない
(積立方式のみ)
選べる

選択肢が多い一般NISA

一般NISAは、2014年にスタートしました。年間120万円まで株式や投資信託に投資ができ、その利益が非課税になる制度です。

非課税になる期間は5年間で、その間の配当や分配金、最後に売却したときの利益が非課税になります。

一方、2018年にスタートしたつみたてNISAは年間40万円まで、投資できるのは一部の投資信託で、株式に投資することはできません。また、投資のタイミングを選ぶことはできず、定期的に投資する「積立投資」のみです。

一般NISAは投資のタイミングを自分で選べますし、債券以外であれば原則自由に商品を選べます。したがって、より選択肢が多いのは一般NISAと言えるでしょう。

非課税期間が長いつみたてNISA

つみたてNISAは、一般NISAを投資経験の少ない若い世代向けにしたものと考えるとわかりやすいです。

年間投資可能額を40万円に減らし、投資方法も積立投資に限定しました。「時間の分散」によって、よりリスクを抑えた運用ができるようになっています。

購入できる投資信託は買付手数料無料で、保有中のコストも一定以下のものに絞り、投資初心者のリスクを抑える配慮がなされていることがわかります。

つみたてNISA最大のメリットは、非課税期間が一般NISAの4倍の20年であることです。若い世代が複利効果を享受しながら、ゆっくり資産形成ができるようになっています。

つみたてNISAが向いている人、一般NISAが向いている人

つみたてNISAが向いている人 一般NISAが向いている人
長期運用ができる人
長期的な運用をしたい人
平均的な運用で満足できる人
自分で投資対象・タイミングを選べる人
投資対象やタイミングは自分で選びたい人
ロールオーバーや配当の手続きができる人

つみたてNISAが向いている人

つみたてNISAは、長期運用ができる人に向いています。長期運用は、複利効果や時間の分散効果によって効率良く運用できるというメリットもあります。つみたてNISAには長い非課税期間があるので、フル活用したいところです。

ハイリスク・ハイリターンを求めず、平均的な運用で満足できる人も、つみたてNISAが向いています。つみたてNISAでは、投資信託を少しずつ買っていきます。資産と時間を分散させることでリスクを抑えられますが、その分大きなリターンは望めません。

一般NISAが向いている人

一般NISAは投資できる選択肢が多く、株式と投資信託に投資できます。つみたてNISAと違って、銘柄もタイミングも限定されていません。自分で投資対象や投資タイミングを適切に選べる人は、一般NISAが向いているでしょう。

ただし、非課税期間を延長させる「ロールオーバー」や、株式の配当を非課税で受け取るために「株式数比例配分方式」を選択する手続きなど、一般NISAにはつみたてNISAにはないルールがあります。

一般NISAはつみたてNISAより自由度が高い分、自分で判断することも多くなります。それらの判断や手続きができる人が、一般NISAに向いていると言えるでしょう。

つみたてNISAと一般NISAの切り替えって?

2つのNISAはどちらか1つを選択

NISA口座は1人1口座しか持つことができず、2つのNISAを同じ年に同時に利用することはできません。

1年に1回変更できる

1年に1回、つみたてNISAから一般NISA(またはその逆)へ変更することができます。切り替えには細かいルールがありますが、「その年に口座を利用する前なら変更できる」と覚えておきましょう。

金融機関の変更もできる

NISAでは、「その年に口座を利用する前」なら金融機関を変更することもできます。

年内に切り替えができなくなる2つの条件

条件①NISA口座をすでに利用している

前述のとおり、すでにどちらかのNISA口座を利用してしまうとその年は変更ができません。

NISAの切り替えは、NISA口座を利用する前に判断しましょう。特につみたてNISAの場合は自動的に買ってしまうので、早めに切り替えの判断をすることが大切です。

条件②10月以降に手続きをする

まだNISA口座を利用していないとしても、切り替えの手続きが10月以降になると年内の切り替えができなくなる可能性があります。証券会社によっては、年内のNISA切り替え手続きに期限を設けており、その多くは9月末です。

なお、年内の切り替えができなくても翌年分の切り替えはできます。各証券会社のNISA切り替え手続きのスケジュールを確認し、期限内に手続きを終えるようにしましょう。

非課税期間が残っている内に切り替えても大丈夫?

NISAを切り替えても非課税期間は続く

NISAを切り替えても、すでにNISAで買った商品の非課税期間はそのまま続きます。たとえば、2019年に一般NISAで買った分は2024年末まで非課税期間が続き、2019年につみたてNISAで買った分は2038年まで非課税期間が続きます。

切り替えるのはあくまで新たな投資枠で、すでにNISAで買った分が非課税でなくなるわけではありません。

一般NISAのロールオーバーにも対応できる

一般NISAの場合、5年間の非課税期間が終了した翌年に一般NISAの枠があれば、その翌年の非課税期間を利用して延長することができます。これを「ロールオーバー」といいます。

途中でつみたてNISAを利用していても、一般NISAの非課税期間が終了するタイミングで一般NISAへ切り替えれば、ロールオーバーに対応することができます。

「つみたてNISAへ切り替えたいけどロールオーバーが……」と心配している人も、タイミングさえ間違えなければ切り替えても大丈夫です。

2024年にスタートする「新NISA」とは?

一般NISAは、もともと2023年までの期間限定の制度でした。これに代わり、2024~2028年は新しいNISAが始まる予定です。
 
  新NISAの概要 解説
投資できる金額 2階部分:102万円/年
1階部分: 20万円/年
原則、1階部分を利用する人だけが
2階部分を利用できる
非課税期間 5年間 5年後、1階部分は
つみたてNISAへ移行できる
投資できる年 2024~2028年まで 2029年以降はつみたてNISAのみ
投資できる商品 2階部分:株式、投資信託
1階部分:投資信託
2階部分でも、一部銘柄は対象外
1階部分はつみたてNISAと同じ銘柄
投資タイミング 2階部分:選べる
1階部分:選べない
1階部分は積立方式のみ

新NISAはつみたてNISAと一般NISAの組み合わせ

新NISAは、つみたてNISAに似た1階部分と、一般NISAに似た2階部分で構成されています。

1階部分で投資できるものはつみたてNISAとほぼ同じで、金融庁の基準をクリアした投資信託だけになりそうです。

2階部分で投資できるものは基本的に自由ですが、長期投資を促す観点から「レバレッジ型投資信託」と「監理銘柄」「整理銘柄」は対象外となりそうです。
 
レバレッジ投資信託 本来の値動きをあえて大きくするリスクの高い投資信託
(例)ブル型、ベア型
監理銘柄 上場廃止の可能性が高い株式
整理銘柄 上場廃止が決定した株式

1階部分と2階部分を合わせた非課税投資枠は122万円と、一般NISAよりもわずかに増額されるようです。

1階部分を利用しないと2階部分を利用できない

注意したいのは、原則1階部分を利用していないと2階部分が利用できないことです。

一般NISAでは株式などにも非課税で投資できますが、2024年以降は積立投資をしていることが条件になりそうです。

ただし例外があり、以下の人は1階部分を利用していなくても2階部分を利用できるようです。

①現在の一般NISA口座を開設している人
②投資経験者が株式だけに投資する場合

審議中であり確定ではありませんが、すぐに2階部分を利用したい人は、今のうちに投資を始めておくといいかもしれません。

新NISAは事前にもう一度チェックしましょう

金融庁の情報から新NISAについてまとめましたが、確定した情報ではないので、始める前に改めて条件をチェックするようにしましょう。

なお、つみたてNISAには大きなルール変更はないようですが、非課税で投資できる期間が5年延長される予定です。またジュニアNISAは延長せず、2023年で終了する予定です。

切り替えルールに注意しNISAを有効活用しよう

2つのNISAは、毎年どちらかを選択することができます。「まとまった資金ができたから、一般NISAにしたい」という人や「やっぱりつみたてNISAで長期投資したい」という人も、条件を満たせば切り替えることができます。自分の投資計画に沿って、NISAの切り替えルールに従ってNISAを最大限に利用するようにしましょう。

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文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

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