4. AI翻訳が向いている案件

AI翻訳に向いているのは訳文の翻訳精度よりも短納期、低コストを求めている案件です。

高いクオリティの訳文が必要な場合は人による翻訳のほうが向いています。例えばホームページに掲載する代表取締役の挨拶やスピーチの原稿、外部へのプレゼンの資料、また専門的な内容が含まれる場合などがそれにあたるでしょう。原文に込められたニュアンスや文章の意図をプロの翻訳者がしっかり読み込んで調査し、適切に翻訳する必要があるからです。しかしそれにはどうしても納期やコストが必要になります。

それに対してAI翻訳を利用すればはるかに低コスト、短納期で翻訳が可能です。場合によっては人による翻訳の半分ほどのコストや納期で対応できることもあります。例えば今まではコストや納期の都合で難しかった大量の社内向けのマニュアル、契約書などの翻訳もAI翻訳ならば希望に沿うことができるかもしれません。ただし、ポストエディットを行ったとしてもAI翻訳を利用した場合、人による翻訳とは差が出てしまうことは心に留めておく必要があるでしょう。

訳文の品質、納期やコスト面などのニーズと照らし合わせて人による翻訳か、それともAI翻訳+ポストエディットかを選ぶことが可能です。もし悩んだ場合にはまずはエージェントにお問合せ下さい。

5. AI翻訳を使用した事例紹介

具体的にテンナインに依頼いただいたAI翻訳の例をご紹介いたします。

■事例1 100ページを超える調査報告レポート:建築系クライアントからのご依頼

1年間の調査成果をまとめて報告するためのレポートのご依頼でしたが、分量に対して納期が大変タイトで、コストもあまりかけられない状況でした。ただ、レポートを読まれるのは英語ネイティブでない方も多く、文章の意味が分かれば十分だという要望でもありました。その為、AI翻訳+複数のポストエディターによるポストエディットで対応しました。

■事例2 実施案件に関する契約書:IT系クライアントからのご依頼

契約書はAI翻訳と相性のいい分野のひとつです。また、急に契約書を締結する必要が出てきたなど、翻訳に時間が掛けられないことも多いでしょう。重要な場面での契約書については人による翻訳のほうが望ましい場合もありますが、とりあえず内容を確認したいという時にはAI翻訳+ポストエディットでも十分に対応が可能です。このご依頼の場合は納期が非常にタイトだったため、AI翻訳+ポストエディットで対応しました。

■事例3 セミナーの議事録:学校法人からのご依頼

コロナ禍でオンラインでの講演会やセミナーが増えました。それに伴い、セミナーを録画したものを翻訳してほしいという依頼もテンナインでは増えています。動画の場合、まずは文字起こししてその後翻訳という流れになりますが、セミナーは数時間に及ぶこともあり、通常の翻訳ではとても高額になってしまうのが現状です。社外に出すものであれば注意する必要がありますが、例えば社内で議事録として保管する、もしくは社内メンバーが後から内容を確認するために翻訳するといった場合、AI翻訳+ポストエディットで十分ということもあると思います。このご依頼の場合、納期がタイトかつ予算の関係もあり、AI翻訳+ポストエディットで対応しました。

AI翻訳は完全な訳文が一瞬で完成するというレベルではまだありません。しかしながらこれまでに比べて選べる翻訳の幅が広がったことも事実です。プロの翻訳者による翻訳との違いを認識し案件に最適な翻訳方法を選択すれば、きっと皆様の役に立つものになるに違いありません。


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