「月20万円の年金だけでは生活が苦しい」と言う母。老後の生活費はそんなにかかるものでしょうか?
老後は再雇用や再就職などで働いていなければ、収入は年金のみに頼ることになる方が多くなります。人によって受け取れる年金額は異なりますが、自分の親や祖父母から「年金生活が苦しい」と言われた経験のある方もいるでしょう。   もし老後の生活が厳しいときは、平均支出額や普段の出費を比較して、節約できる項目がないかのチェックが必要です。今回は、老後の平均支出や生活費の工面をするコツなどについてご紹介します。

▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説

老後の1ヶ月あたりの生活費はいくら必要?

総務省統計局が公表している2024年の「家計調査 家計収支編」によると、65歳以上かつ単身世帯の平均消費支出は月15万4601円です。そのため、母親が一人暮らしで平均消費支出と同程度の出費であれば、年金でも日常生活は可能だといえるでしょう。
 
一方、65歳以上で二人以上の世帯の平均消費支出は月26万5898円です。「年金月20万円」が、母親だけの年金額でなく、夫婦で合計月20万円だとすると、生活には足りない可能性があるでしょう。
 
また、物価の上昇や高齢になることで医療費が増加するなどで、生活費が足りなくなる可能性はあります。
 
親が年金だけでは生活が苦しいと言っているときは、家計を圧迫している費用を知るためにまずは支出を確認しましょう。
 

老後で生活費を工面するコツ

退職して年金生活に突入すると、多くの方が、働いていたときよりも毎月の収入が少なくなるでしょう。そのため現役時代と同じ金銭感覚で生活をしていると、収入に対する支出の割合が多くなってしまう可能性があります。
 
老後の生活で費用に余裕を持たせるには、働いていたときよりも節約することが大切です。出費が多いかどうかを知るためには、項目ごとの平均支出額と比較するとよいでしょう。
 
総務省統計局の資料によると、65歳以上の単身世帯における項目ごとの1ヶ月の平均消費支出額は以下の通りです。