「年金」だけでは足りず、ついになけなしの「貯金」を取り崩すことに……他の高齢者は「年金だけで暮らせている」のでしょうか?
老後は年金をもらいながらのんびり過ごしたいと考える人は多いでしょう。しかし、年金だけでは生活費をやりくりできない場合もあります。貯金を取り崩したり、定年後も働き続けて収入を確保したりして、年金の不足分を補わなければなりません。   本記事では、60歳以上の就業状況や暮らしにおける経済状況、貯金の取り崩し額などを紹介します。

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60歳以上の就業状況と暮らし

内閣府が公表している、令和元年度の「高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、60歳以上で収入のある仕事をしている人の割合は37.3%、仕事をしていない人は62.7%であると分かりました。
 
また、仕事をしている理由を尋ねたアンケートでは、最も多いのが「収入がほしいから」で、45.4%もの人が回答しています。次いで、「働くのは体によいから、老化を防ぐから」が23.5%でした。
 
また、経済的な暮らし向きについて尋ねたアンケートの結果を表1にまとめました。
 
表1

家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている 20.1%
家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている 54.0%
家計にゆとりがなく、多少心配である 20.3%
家計が苦しく、非常に心配である 5.1%

※内閣府「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(全体版)」を基に筆者作成
 
家計に対して不安を抱えていると回答している人は約25%と、年金だけでは生活するのが難しい可能性があると推察できます。
 

貯金の取り崩し額

貯金の取り崩しをどのくらいの頻度で行っているかを調査した結果を表2にまとめました。
 
表2

よくある 13.5%
時々ある 34.6%
ほとんどない・まったくない 51.6%