「THE PERSON」を通じて、かかりつけのトレーナーを提供したい
「THE PERSON」の今後の展望についてお聞かせください。
短期的には利用者とトレーナーのマッチングにおいて、もう少し仕組み化を進めていきたいと思っています。お声をいただきつつもなかなかアナログで対応しきれてない部分があるので、利用者がどうやってトレーナーやエリアを選んでいったらいいのか、が分かりやすく予約しやすい状況にしていければと思っています。
長期的にはちゃんとデータが集まるようなことができれば、もう少し大きなことを動かせると思っていて。
例えばトレーナーがもっと使いやすいシステムにして、顧客管理までできるようにしたいと思っています。今だとトレーナーさん1人が10~40人ぐらいの顧客を管理していますが、手書きで管理されています。この情報をデータ化してあげて、グラフとか可視化できるようなものを作ってあげたいですね。情報をデータ化して集めることができれば、どんな年代のどんな人が、どんな悩みを持っていて、どんな風にすれば…という履歴を溜めることができれば、弊社は圧倒的な母数でデータを集めることができると思っています。
そこまでいくと、「このぐらいになるとモチベーションが下がって来て続かなくなってくるから、こんなアクションをしよう」とトレーナーに向けて働きかけができたり、利用者が来た時に「統計的にこれぐらいだったら、こんなんしたらいいですよ」って、簡単にカウンセリングできて、継続するモチベーションになるかなと思っています。そこまでは行きたいなと思っています。
日本では運動が習慣化しずらいと言われています。それに対して「THE PERSON」ではどんなことができそうですか?
日本のフィットネス参加率が3.3%、アメリカが18%。この差がすごく大きいと思っています。日本の参加率が低いのは医療保険の仕組みとかがあるためだとは思いますが、個人の運動に対するモチベーションが低いのが原因だと思います。ジムにいっても60%以上が半年以内に退会している現状。トレーナーという監視してくれる人いれば、利用者は継続する理由になると思います。運動を習慣化していくというのが、僕たちのテーマですね。
かかりつけのお医者さんがいるようにかかりつけのトレーナーがいてもいい時代だと思っています。トレーナーやインストラクターも働き方が多様化しています。どこかに所属しないといけないという時代じゃなくなったからこそ、かかりつけのトレーナーという世界が描けるのではと思っています。
そういった意味では、全国で3,800名のインストラクターの協力を得ることで、それができる規模になってきているかなと思っています。ちょうど私たちだけでは届けられなかった方々にも「健康」を届けることができるのではないかなと社内でも話していました。
最近、「Be THE PERSON」というメディアを立ち上げられたそうですね。
「健康」って一言ですごく便利な言葉ではあるけれど、人それぞれ定義は違います。それぞれの考える健康って何か、人生の豊かさとは何か、をもっといろんな形で発信していいのでは、というところから立ち上がったメディアになります。
【Be the person】は「私らしさの一歩め」ということを定義しているのですが、自分が、自分自身で、自分の豊かさとは何か、というのを改めて言語化していただいて、その自分の豊かさを叶えるために「健康」「運動」をどう活かしているのか、どういう取り組みをしているのかをメディアを通して伝えることで、「こういう豊かさとかあるんだ」とか、「こういう運動の取り入れ方をすることによって、自分なりの健康っていうのが叶えられていくんだな」っていうのが届けられるようなメディアになっている。そういった形でこれからも健康でつながった方々をご紹介していくようなメディアにしたいというのが、立ち上げた経緯です。
PV数が伸びる媒体ではないかもしれないけど、ひとりの人が深く自分のことを語っていて、それが響く人に当たるようなメディアにしたいと思っています。発信を効率よくというよりは、芯を持った内容にしていきたいですね。
「グループパーソナル」で、身体的だけではなく精神的にも「健康」を
「健康」という言葉を、とても大事にしていらっしゃいますね。
弊社では「グループパーソナル」という取り組みも行っていて。仕組みとしては、パーソナルトレーニングはマンツーマンですが、「グループパーソナル」はトレーナーひとりの時間を4人でシェアするということをしています。
「健康」の定義をWHOで調べると「身体的だけではなく、精神的にも社会的にも整っていること」なんですね。そう思った時に、アプローチとして僕らは今、運動から入っているけど、運動は一つの側面でしかなくて、精神的、社会的な面がすごく重要になってくる。むしろそこに何かしらのアプローチをしていかないといけないし、本当の健康を語れないだろうなと思っています。
そう考えたとき、「グループパーソナル」が社会的な健康に繋がっているなと思っていて。トレーニングって、一人で集中して追い込むのももちろんいいと思うのですが、つらいことになってしまいがちで精神衛生上よくありません。
3~4人のグループにして「社会」にしてしまうことで、友達同士で話したり、励ましあったりするというのが大事で。目に見える数値結果は出ていなくても、レッスンとしては2年半くらい続いているといったケースがゴロゴロああります。それだけで、いいものを提供できているな、という自負があります。
他の研究で、ランニングでゴリゴリ走るよりも、3人ぐらいのおばちゃんがぺちゃくちゃ喋りながらちょっと歩く方が、健康が続いたみたいな研究結果もあって。 コミットしたい方はこちらからのアプローチできるし、希望を叶えてあげることはできるが、20代後半から40代前後くらいまでだと目的意識はないけどなんとなく運動した方がいいよね、というテンションの人が多い。なにかきっかけがあってジムに行こうとするけど、一時的なもので続かない。パーソナルは体を作るにはいいが、健康を継続させるっていう目的とは全く別なものになる。その両軸が落とし込まれたものが「グループでわいわい」というところを推してやっていけたらなと思います。
トレーニングでも、ヨガでも、ランニングでも、「集まってやる」という場所の提供をしていきたいですね。
提供・yoganess
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