熱いコーヒーを飲むと心の底からホッとしますが、もしも食道がんの原因になるとしたらどうでしょうか? 食道がんは転移しやすく、大腸がんよりも生存率が低いがんとして知られています。
本記事では、ホットコーヒー好きの人には気になる、食道がんとコーヒーの関係についてご紹介します。食道がんを避けるための方法も紹介しているので、最後まで目を通してみてください。
【衝撃の事実】65℃以上の飲み物で食道がん発症リスクが上昇?
食道がんと熱いコーヒーには、どんな関係があるのみていきましょう。
熱い飲み物や食べ物は食道がん発症リスクを高める
熱い飲み物や食べ物で、口の中をやけどした経験があるという人は少なくないはず。食道粘膜上皮にある細胞は、やけどすると再生しようとします。じつは、その過程で突然変異を起こした細胞が、がん細胞に変わることにより食道がんは引き起こされると考えれられています。
普段から熱々のコーヒーを飲んでいる人は、熱さに慣れてしまっているかもしれません。とくに食道はわたしたちの体の中でも、熱さに鈍感な器官に分類されるそう。しかし、鈍い部分だからといって、傷つかない訳ではありません。何度も繰り返し食道をやけどして、細胞の再生回数が増える度に、食道がんの発症リスクが高まるのです。
国際がん研究機関は、「65℃以上の飲み物はがんを誘発する」と見なしています。
実際の発症例は?
熱い飲み物や食べ物が食道がんを引き起こすなんて、信じられないという人もいらっしゃるでしょう。しかし、そのことを証明するデータは数多く存在します。例えば、約5万人のイランに住む人を対象に行った研究では、熱いお茶を飲む人たちの食道がん発症リスクは、ぬるいお茶を飲む人たちに比べると、8倍ほども高い結果になりました。
また、伊賀流忍者で有名な伊賀地域では、食道がんの発症率が高かったそうです。この地域では、米をお茶で炊いておかゆにする「茶がゆ」を食べる習慣がありました。熱々の茶がゆを流し込むように食べていたことが食道がんになる原因だと考えられ、この食習慣を廃止する呼びかけがなされたといいます。
もしかしてと思ったら? 食道がんのサイン
ここでは食道がんの症状と、食道がんにかかりやすいタイプについてご紹介します。
見つけにくい食道がん
食道がんは内視鏡検査をすれば見つけることはできますが、初期の自覚症状が少なく、リンパ節や血管などに転移しやすいため、がんの中でも早期発見が難しいといわれています。食道がんができると、のどがつかえるような感じや胸がしみるような感じがするなど、胸部周辺に違和感を覚えるようになるのだとか。また、体重減少や首・背中の痛み、声のかすれなども、食道がんのサインになります。
食道がんになりやすい人とは?
熱い飲み物や食べ物が好きな人のほかにも、喫煙や飲酒を常としている人は食道がんになりやすいので気をつけましょう。喫煙の習慣があると、活性酸素が増加して細胞のがん化が進みますし、過度にアルコールを摂取すると、アセトアルデヒドと呼ばれる発がん性物質が体内に発生します。
ある調査では、喫煙の習慣がない人に比べ、毎日20本以上タバコを吸う人の食道がん発症リスクは約5倍に。さらに飲酒の習慣がない人に比べると、毎日1.5合以上のお酒を飲む人が食道がんにかかるリスクはおよそ12倍であることが判明しました。