自粛も長くなり、外出するにも人混みを避ける生活が続いています。
そんな中「人混みでない、人が少ないところに移住したいな」と考えた方も多いのではないでしょうか?
今回は、主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』の調査機関しゅふJOB総研が行った『コロナ禍と移住』についてのアンケート調査をご紹介します。
コロナ禍を機に移住を「考えたことがある」33.5%
•Q.あなたはコロナ禍を機に移住を考えたことはありますか?
という問いに対し、
考えたことがあり、実行するつもり …5.6%
考えたことはあるが、実行予定はない …27.9%
考えたことはない …66.5%
という結果になりました。
このアンケートは働く主婦層に対して行われているアンケート調査と考えると、意外と多くの主婦が「移住を考えていた」ということに気づきます。
では、移住することにどんな魅力を感じていたのでしょうか?
コロナ禍を機に移住するメリット「ない」38.1%、「物価が安い」33.3%
•Q.もしコロナ禍を機に移住するとしたら、どのようなメリットが考えられますか。
という問いに対し、
移住することにメリットは感じない…38.1%
物価が安い地域に住める…33.3%
住まいの敷地面積が広がる…24.9%
コロナ感染者が少ない地域だと安心…20.5%
親の近くに住めば介護しやすくなる…14.9%
ワーケーションできる…11.0%
より良い教育環境で子育てできる…11.0%
仕事が多い地域に移ることができる…7.1%
保育施設が充実した地域に住める…2.7%
その他…6.1%
という結果に。ただし、これは「移住を考えている人」「移住を考えたことがない人」の回答が含まれている状態です。
今度はコロナ禍を機に移住を考えている人が思うメリット、移住を考えたことがない人が思うメリットを分けてみてみましょう。
コロナ禍を機に移住するメリット:移住を考えたことがある・ない比較
それぞれ回答数が多い順に3つずつ見てみましょう。
•コロナ禍を機に移住を考えたことがある人
物価が安い地域に住める…52.0%
住まいの敷地面積が広がる…39.8%
コロナ感染者が少ない地域だと安心…29.4%
コロナ禍をきっかけに移住を考えている人は、半数が「物価が安い地域に住める」ことが魅力だと感じているようです。
次いで、「住まいの敷地面積が広がる」「コロナ感染者が少ない地域だと安心」という回答です。
•コロナ禍を機に移住を考えたことがない人
移住することにメリットは感じない…52.8%
物価が安い地域に住める…23..8%
住まいの敷地面積が広がる…17.4%
コロナ禍をきっかけに移住を考えたことがないと回答した人は、「移住のメリットを感じない」という回答が多く、次いで「物価が安い地域に住める」ことがメリットだと感じているようです。
家で過ごす時間も増え、野菜や魚などの価格に頭を抱えている人も多いのかもしれません。
では、移住するとしたら、どこに引っ越したい!と思っている人が多いのでしょうか?
移住したい場所ランキング TOP10
•Q.もし移住するとしたら、最も希望する場所はどこですか。
という問いに対して、最も回答が集まったのは沖縄県。
次いで「海外」「静岡県」「神奈川県」「長野県」という結果になっています。
※「もし移住するとしたら、最も希望する場所はどこですか。(単一回答)」という質問に対し、「47都道府県」「海外」「移住することはない」のいずれかを選択してもらい、現在居住する都道府県とは異なる都道府県を選択した数をカウント。 ※ランキングは「移住することはない」(得票数:276)を除いて集計。
フリーコメントより
◇フリーコメントより抜粋(年代:現在居住する都道府県)
•コロナ禍を機に移住を「考えたことがあり、実行するつもり」と回答した人
・東京23区は人間関係が希薄で、一緒に働く意欲が低下する(40代:東京都)
・親や子供達と離れて暮らしているため、中々会えずにいたので、転居して、転職します。しかし、一緒に暮らすことになるので、ある意味安心です(50代:青森県)
・親の近くに引越した(50代:神奈川県)
・友人知人も政府の対策がしっかりしている国に移住し、私達夫婦も海外移住を考え出しています(40代:東京都)
・2人の息子には、できるだけ早く、海外に出て、そこで自身の能力を生かすよう伝えているし、息子たちの周囲も、優秀な子たちが次々と海外に出始めている(50代:埼玉県)
・東京のマンション暮らしでは絶対に適わなかった事が田舎では出来る(50代:山梨県)
・昨年末に移住したばかり。コロナ感染を広げないか不安もあったけれど、移住して良かったです。なお、移住に関してはコロナ関係なく元々計画していたものです。コロナのおかげで、国内のオンラインに対するリテラシーが上がったのはいい事ですね(40代:熊本県)
・マンションのような共同住宅だと、子供の声や走り回る音などが騒音となり近隣に迷惑をかけてしまうため、戸建てを購入して子供も周囲にとってもストレスとならない環境にしたいと思った(30代:東京都)
・どうせ生活するのであれば 大好きな場所 空氣 環境のところで生きていきたい(50代:愛知県)
・以前から考えていた事が、やっと世の中がついて来た。テレワークで出来る仕事は何処で働いてもいいと思うし、効率が良いと思う(50代:神奈川県)
コロナ禍を機に移住を「考えたことはあるが、実行予定はない」と回答した人
・テレワークが定着するとは限らないため、移住は難しい(60代:埼玉県)
・やはり便利の良いところに住んでいたいので、都心に居たい(50代:東京都)
・コロナで移住を考えるのは、テレワークなど出社しなくても構わない職種なら考えたかもしれないが、我が家はそれは叶わない(40代:神奈川県)
・環境の良い所で住めれば最適だけど、やはり仕事は首都圏が多いし。。。(40代:東京都)
・具体的な場所はないが子供が住んでいる近くが少し街を離れて海の見える自然豊かな土地等が理想的(50代:新潟県)
・とにかく都会だと、自粛しない人々が多すぎるから地方だと少なからずキチンとしてそう(50代:東京都)
・娘のところに住めば、安心(60代:宮城県)
・自分がどうしたいということとは別にコロナをきっかけに感じたのは、リモートワーク等がもっと普及し都市部から離れた地域での生活がもっと普及したとしたら、時間の余裕が生まれ精神的にゆとりある人が増えるかもしれない、ということ。みんなもっと自由に穏やかに暮らせたらよいのに…(40代:愛知県)
・息子が高校受験のため、実行できずにいる(50代:神奈川県)
・移住したい場所=コロナ患者が少ないとは限らないため、複合的な理由で移住は簡単ではないと感じます(40代:岐阜県)
コロナ禍を機に移住を「考えたことはない」と回答した人
・普段よりも周囲の人との信頼関係を築くのが困難だろうから、実家、義実家といった知り合いの多い地域ならともかく今助けになる人、信頼できる人のいない場所への移住はしたくない(30代:福岡県)
・どこにいてもコロナの感染からは逃れられない(50代:神奈川県)
・現在山中に居住。老後のため街中にマンション購入。両方を行き来してコロナ禍でも快適です(50代:岡山県)
・仕事もあり、持ち家もあるので、移住は不可能(40代:東京都)
・移住する事で家族に負担をかけてしまう(30代:兵庫県)
・移動は極力さけたいし、避けてほしい(50代:北海道)
・移住したくても関東からの移住は嫌がられそう(40代:埼玉県)
・わからない。正解かどうか人生とお金をかける勇気はない(20代:新潟県)
・何処にいても同じだと思う(50代:和歌山県)
・東京に住む兄弟が、凄くストレスを感じてしまっているのを気にかけています。テレワークでひとり寂しい部屋にいることが原因なので、地方都市が一番住みやすいんだろうという実感が湧いてきています。今いる場所がベストだと感じています(30代:愛知県)
プロはどう見る?
しゅふJOB総研(※) 所長の、川上 敬太郎氏のコメントをご紹介します。
■川上 敬太郎氏のコメント■
1回目の緊急事態宣言が発出されてから10か月以上が経ち、新型コロナウイルスとの戦いは生活する人々に様々な影響を与えています。
仕事と家庭の両立を希望する働く主婦層に、「あなたはコロナ禍を機に移住を考えたことはありますか」と尋ねたところ「考えたことがあり、実行するつもり」または「考えたことはあるが、実行予定はない」と回答した人が33.5%となりました。
コロナ禍を機に移住を考えた人が1/3以上いることになります。一方「もしコロナ禍を機に移住するとしたら、どのようなメリットが考えられますか」との質問に対しては、「移住することにメリットは感じない」と回答した人が最も多く38.1%。
「物価が安い地域に住める」33.3%「住まいの敷地面積が広がる」24.9%と続きます。「コロナ感染者が少ない地域だと安心」と回答した人も20.5%いました。
コロナ禍と移住に関しては、人それぞれ考え方が異なることが如実に表れているように思います。
「もし移住するとしたら、最も希望する場所はどこですか」という質問に対しても最も多くの人が「移住することはない」と回答していますが、具体的な都道府県名や海外を選択した人のうち、現在居住する都道府県とは異なる都道府県を選択した人の数をカウントしたところ、最も多くの人が選んだのは沖縄県でした。続いて海外、静岡県と続きます。
一方でフリーコメントには「どこにいてもコロナの感染からは逃れられない」「移動は極力さけたいし、避けてほしい」といった声も寄せられました。
未だ感染拡大の終息が見通せない中、移住することが新型コロナウイルスの感染対策として有効なのかどうか、また移住することで却って感染を他地域に広げてしまう可能性はないのかといった疑問が生じるのも無理はないように思います。
しかし、自由に移動しづらい状況が生活面、仕事面、経済面それぞれの観点からマイナスであることも事実です。
新型コロナウイルス感染者に対する嫌がらせや誹謗中傷も問題視されています。
緊急事態宣言が解除された後も気を引き締めてしっかりと感染予防対策を継続する一方で、様々な事情から移住した人への差別的行為が生じないよう働きかけることも必要だと考えます。
•調査結果概要
1.コロナ禍を機に移住を「考えたことがある」33.5%
2.コロナ禍を機に移住するメリット「ない」38.1%、「物価が安い」33.3%
3.コロナ禍を機に移住するメリット:移住を考えたことがある・ない比較
4.移住したい場所ランキング TOP10
5.フリーコメントより
•調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数: 803名
調査実施日:2021年1月13日(水)~2021年1月20日(水)まで
調査対象者:ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者
しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長 川上敬太郎氏 プロフィール
川上 敬太郎(かわかみ けいたろう)/しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長
人材派遣、紹介など多様な人材サービス事業に20年以上携わり、事業現場の最前線から経営企画・人事・広報などの管理部門まで、あらゆるセクションの責任者を歴任。2011年に設立したしゅふJOB総合研究所では、仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦層”のべ約35000人の声を調査・分析。同年開設した『ヒトラボ』では、人材サービスの公益的発展に資することを目的に、日々様々なテーマを取り上げて議論の場を提供。その他、人材マネジメントや法規制など、雇用労働分野の幅広いテーマについて意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父。
◇メディア出演等
NHK『あさイチ』解説、フジテレビ『みんなのニュース:ふかぼり』 解説、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』パネラー出演、他新聞・テレビ・雑誌などでコメント多数
◇執筆・その他
マネープラス連載『ワークスタイルの見つけ方』
日本経済新聞/日経MJ/時事通信/NEWSポストセブンなど執筆・寄稿多数/大学や男女共同参画センターなどでの講演、モデレーターなど/JCAST会社ウォッチ解説者、日本労務学会員
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、 もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」そんな志のもとにつくられた研究所です。「女性のライフスタイルと仕事への関わり方」に対する社会の理解を高め、女性の働きやすい職場をより多くつくっていくために定期的なアンケート等の調査を実施、結果を社会に発信しています。
提供・しゅふJOBナビ
【こちらの記事も読まれています】
>主婦がフリーランスを始めるなら!よくある注意点、お仕事の探し方をご紹介します
>「仕事はランチタイムだけ!」子育て主婦に人気の隙間時間でできるパートとは
>仕事のレベルが上がる<メモ・ノート術>!5つのコツ
>パート通勤の定番!「自転車通勤」で気をつけたい3つのポイント
>50代・女性のパート就活、服装はどうしたらいい?面接のコツもご紹介します!