つみたてNISAで投資できるのは、金融庁の厳しい基準をクリアした「投資信託」と「ETF(上場投資信託)」だけです。どちらも長期投資に向く商品に絞り込まれているので、どう選んだらいいか迷う方もいるかもしれませんね。

でも実はつみたてNISAのETFはあまりおすすめではありません。銘柄は厳選されているはずなのに、なぜつみたてNISAでETFを選ばない方がよいのでしょうか。

本記事では、「つみたてNISAのETFがおすすめではない理由」をわかりやすく解説します。また、ETF自体の特徴などもあわせて解説します。

※なお、ETFも投資信託の1つではありますが、本記事では通常の投資信託を「投資信託」とし、「ETF」と区別します。

つみたてNISAは「ETF」ではなく「投資信託」が最適

冒頭でも触れたように、つみたてNISAの場合、「ETF」より「投資信託」をおすすめします。

なぜならつみたてNISAでは、投資信託の方がETFより取引手数料や複利効果の面で優れているからです。投資できる対象銘柄の数も投資信託の方が多く、よりたくさんの選択肢から選ぶことができます。

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つみたてNISAの「ETF」と「投資信託」、迷ったらどう判断する?

次の表に、つみたてNISAの投資信託とETFの違いをまとめました。こうして一覧にしてみると、つみたてNISAでは投資信託の方がメリットが多いことがわかると思います。

ETFと投資信託で迷っている方は、それぞれの項目を比較して判断するといいでしょう。

2.つみたてnisa ETF
(画像=著者作成)

【本来のETFのメリット】
ETFにはもともと、保有コストである「信託報酬」が安いというメリットがあります。しかしつみたてNISAに限った場合、投資信託でも信託報酬が安い銘柄に限定されているので、“ETF特有のメリット”だとはいえないのです。

次章から詳しく解説します。 若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

つみたてNISAでETFを選択しない方がよい理由、さらに詳しく解説!

つみたてNISAでETFに投資することをおすすめしない、その理由を3つ、さらに詳しく見ていきましょう。

理由その1:「買い」と「売り」に手数料が掛かる

つみたてNISAで買える投資信託は、すべて手数料無料で買えます。また、「信託財産留保額」という解約コストが設定されていない限り、売却手数料も無料です。

しかしETFの場合は、買うときも売るときも証券会社が定める手数料がかかってしまいます。

理由その2:複利効果が薄れる

投資信託は、得られた利益を自動的に再投資します。複利効果が期待できるのですが、ETFの場合は発生した利益のすべてを投資家に分配することが定められています。つまり、利益をすべて分配金として払い出してしまうのです。

受け取った分配金を自分で再投資すればよいのですが、ETFは1円単位で売買できませんので再投資できない金額が出る可能性があります。複利効果を活かすことは難しいでしょう。

【複利の簡単な解説】
「複利」は、利益を再投資しさらに大きなリターンを得る方法です。雪だるま式に利益が増える仕組みで、アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだのも有名です。

たとえば1%の利益が得られるとき、100万円投資すれば101万円になります。増えた1万円を払い出さず、再びこの101万円で投資すれば102.01万円になります。1回目より0.01万円(100円)利益が増えました。

これを30回繰り返すと約134.8万円になります。単純に1万円を30回払い出すより約4.8万円利益が大きくなりました。

複利を得るためには利益の再投資が不可欠です。投資信託は、投資信託の中で自動的に再投資するため、複利を得られます。

一方、ETFは利益を払い出してしまうため、複利を得られません。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

理由その3:投資信託の方が、保有コストが安い場合も

ETF自体は“保有コストの安さ”がメリットの一つですが、比較対象がつみたてNISAの場合はそう際立ったメリットとはいえません。投資信託でも十分コストが安いものがあり、つみたてNISAはそういった銘柄に限定されているためです。

保有コストについては、後の章でも詳しく比較します。

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そもそも「ETF」と「投資信託」の違いとは?

より深い理解のため、そもそものETFと投資信託の違いも確認しましょう。

1.「上場」か「非上場」か

ETFは「上場投資信託」、つまり証券取引所に上場している投資信託を指します。銀行では取引できませんが、証券会社ならどこでも取引することができます。リアルタイムで取引がなされるので、同じ日の取引でも価格が安くも高くもなります。

一方、通常の投資信託は非上場で各金融機関が取り扱うものしか取引ができません。申し込みは店頭やホームページで行います。価格も1日に1つの値段しか付きませんから、違う時間の注文だとしても同じ日であればすべて同じ価格で取引されることになります。

【投資信託 「1日1つの値段」の解説】
投資信託は通常15時まで注文を受け付けています。「1日1つの値段」というのは、朝9時に申し込んだ方も、15時ぎりぎりに申し込んだ方も、同じ値段で買う(または売る)ということです。

ETFの場合は、取引所の取引時間(平日9~15時)ならリアルタイムで売買ができます。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

2.かかるコストが違う

投資信託は保有する間に「信託報酬」というコストがかかります。信託報酬は、運用を指示する「運用会社」、お金を預かる「信託銀行」、投資信託を販売する「販売会社」の3社に支払うものです。

一方、ETFは取引所に上場しているため、特定の販売会社がありません。販売会社に支払う報酬がないため信託報酬が安い傾向にあります。

3.つみたてnisa ETF
(画像=著者作成)

ETF(上場投資信託)の特徴とは?

さらに「ETFとはどういったものなのか」をより理解するために、ETFのメリットデメリットをまとめました。

ETFのメリット

ETFには以下のようなメリットがあります。

【ETFのメリット】
・ 信託報酬が安い傾向がある
・ リアルタイムで取引ができる

前述したようにETFは販売会社に支払う報酬が設定されていないため、信託報酬が比較的安いのが特徴です。運用成績は信託報酬などのコストが安いほうが良くなるので、これはETFのメリットの一つといえるでしょう。

また取引所に上場しているため、リアルタイムで取引できることもメリットです。投資信託の場合、日中の値動きによって利益を得ることはできませんが、ETFならそれができます。

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ETFのデメリット

一方、ETFには以下のようなデメリットもあります。

【ETFのデメリット】
・取引量が極端に少なく、公正な値動きになりにくい銘柄がある
・買いと売りの両方に手数料がかかる
・複利効果が生まれない

ETFの中には取引が極端に少なく、公正な値動きになりにくい銘柄があります。「マーケットメイク制度」で公正な値動きになるよう調整されるETFもありますが、すべてのETFに対応しているわけではありません。

また前述したように「買い」と「売り」の両方に手数料がかかる点や、複利効果を得られない点もデメリットです。これらはそのまま「つみたてNISAではETFを選ばない方がいい理由」にもつながります。

【つみたてNISAのETFはすべてマーケットメイクの対象】
つみたてNISAで投資できるETFは7本(2021年4月16日時点)ありますが、すべてマーケットメイク制度の対象になっています。公正な値動きになるよう、機関投資家が適正な気配(けはい:取引できる価格)を提示してくれます。

つみたてNISAに限っては、ETF取引量の心配はしなくていいでしょう。なお、つみたてNISA対象の7本については次章以降で詳しく解説します。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

“つみたてNISAで購入できるETF”の特徴

ETF自体の特徴は以上ですが、「つみたてNISAで購入ができるETF」にはどんな特徴があるのでしょうか。

1.つみたてNISA対象のETFには金融庁からの厳しい条件が

ETFに限りませんが、つみたてNISAの対象銘柄は金融庁が設定する厳しい条件をクリアしたものです。以下にまとめましたが、かなり多くの条件が設定されていることがわかります。

共通の要件 ・信託期間が無期限または20年以上
・分配頻度が毎月ではない
・デリバティブ運用をしていない(ヘッジ目的は除く)
・指定のインデックスに連動する
・株式に投資するもの
・最低取引単位が1,000円以下
・売買手数料が1.25%以下
・受益者ごとの信託報酬等の概算値が通知されるもの
・金融庁への届出がなされているもの
国内ETF ・取引所が指定するもの
・信託報酬が0.25%以下
外国ETF ・資産総額が1兆円以上
・信託報酬0.25%以下

【厳しい条件は私たちにプラス】
上につみたてNISA対象の条件を並べましたが、項目が多く、少しわかりにくかったかもしれません。

まとめると、「私たちに有利な条件が設定されている」ということです。これらの条件は、投資信託会社にとっては厳しいものですが、私たちには有利なものばかりです。

これらはETFだけでなく、投資信託も同じような条件となっています。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

2.つみたてNISAではETFの数は少ない

厳しい条件が設定されているためか、つみたてNISA対象のETFは7本しかありません。投資信託は180本を超えていますから、つみたてNISA対象ETFの少なさが際立ちますね。

つみたてNISA対象の銘柄数
(2021年4月15日時点)
ETF 7本
通常の投資信託 186本

3.つみたてNISA ETFを扱っているのは大和証券のみ

主要証券会社の中で、つみたてNISAでETFを扱っている証券会社は「大和証券」だけです。つみたてNISA対象のETF自体が少ないですが、対応している金融機関は1社という少なさです。

つみたてNISAでETFが買える証券会社 大和証券
つみたてNISAでETFが買えない証券会社 野村證券、日興証券、みずほ証券
SBI証券、楽天証券、マネックス証券など

つみたてNISAのETFは、投資信託と比べるとかなり選択肢が少ないといえるでしょう。

つみたてNISAの対象ETFは?

ここで、つみたてNISAの対象になっているETFを確認してみましょう。つみたてNISA対象のETFは7本で、すべてある特定の指数に連動する「インデックスファンド」です。

以下に一覧でまとめました。

過去の
リターン
(年率)
信託報酬
(税込み)
2021/4/15
終値
1年 3年 5年
ダイワ上場投信-
トピックス
41.91% 6.75% 10.03% 0.121%
以内
2,081円
ダイワ上場投信-
日経225
56.39% 12.77% 13.69% 0.176%
以内
3万650円
ダイワ上場投信-
JPX日経400
42.71% 7.33% 9.90% 0.198%
以内
1万8,000円
上場
インデックスファンド
米国株式
55.26% 17.57% 14.98% 1.165%
程度
4,885円
上場
インデックスファンド
海外先進国株式
(MSCI-KOKUSAI)
56.44% 14.75% 12.91% 0.264%
程度
3,305円
上場
インデックスファンド
海外新興国株式
(MSCIエマージング)
63.80% 6.98% 9.49% 0.264%
程度
1,815円
上場
インデックスファンド
世界株式 除く日本
(MSCI ACWI 除く日本)
57.32% 13.66% 12.38% 0.264%
程度
2,810円
※リターンは2021年4月16日時点

7本それぞれの特徴を確認しましょう。

「ダイワ上場投信-トピックス」 東証1部全体へ投資

参照指数 投資地域 投資上位3銘柄
(2021年3月31日時点)
トピックス 日本 ・トヨタ
・ソフトバンクグループ
・ソニー

「トピックス」は、東証1部に上場しているすべての銘柄を対象に計算される指数で、「東証株価指数」とも呼ばれます。参照する銘柄が日経平均よりも多いため、より東証市場全体を表している指数といえます。

トピックスは株式の時価総額(株価×浮動株(東証で実際に流通している株数))が大きい「大型株」の構成割合が大きくなります。

つまりトピックスに連動するETFへの投資は、「日本の大企業全体へ投資する」ことを意味します。日本の経済成長の恩恵を受けられるETFといえそうですね。

「ダイワ上場投信-日経225」 日本の大企業225社へ投資

参照指数 投資地域 投資上位3銘柄
(2021年3月31日時点)
日経平均 日本 ・ファーストリテイリング
・ソフトバンクグループ
・東京エレクトロン

日経平均はトピックスに似ていますが、日本経済新聞社が東証1部の中から選んだ、日本を代表する225銘柄で構成される指数です。トピックスは東証全体の指数でしたが、日経平均は特に大きな企業で構成されている点が異なります。

違いは計算方法にもあります。トピックスは時価総額に基づいて計算されますが、日経平均は株価の単純平均で算出されます。したがって、株価が大きい「値がさ株」の影響を大きく受けます。

「日経平均」ETFへ投資するということは、「大企業225社(特に値がさ株)へ投資する」ことに近い意味となります。

「ダイワ上場投信-JPX日経400」 投資魅力の高い400社へ投資

参照指数 投資地域 投資上位3銘柄
(2021年3月31日時点)
JPX日経400 日本 ・ソフトバンクグループ
・三菱UFJフィナンシャルグループ

「JPX日経400」は、2014年から算出が始まった比較的新しい指数です。証券取引所と日本経済新聞社がスコアリングし、「投資者にとって投資魅力の高い会社」と考えられる400社を選んで計算しています。

トピックスや日経平均と違い、東証2部やマザーズ、ジャスダックといった新興市場に上場している会社も対象になっています。

幅広い市場から経済の専門家がスコアリングし、有力な企業で構成されています。トピックスや日経平均と少し違った値動きとなるでしょう。

「上場インデックスファンド 米国株式」 アメリカの大企業500社へ投資

参照指数 投資地域 投資上位3銘柄
(2021年3月31日時点)
S&P500 米国 ・アップル
・マイクロソフト
・アマゾンドットコム

アメリカの株価指数で有名なのは「NYダウ」ですが、より幅広い銘柄で構成されるのが「S&P500」です。NYダウはアメリカの大企業30社のみで構成されていますが、S&P500は500社をカバーしています。

「トピックス」と同じく、時価総額が大きい「大型株」の影響が大きくなります。アメリカの大型株は、アップルやマイクロソフトなどハイテク企業が多いのが特徴です。

アメリカのハイテク企業の好調が続けば、S&P500に連動するETFにも恩恵がありそうです。ただし、海外への投資は為替リスクがあることに注意しましょう。

「上場インデックスファンド 海外先進国株式」 日本以外の先進国へ投資

参照指数 投資地域 投資上位3銘柄
(2021年3月31日時点)
MSCI-KOKUSAI 先進国
※アメリカ(71.85%)
イギリス(4.68%)
フランス(3.65%)
・アップル
・マイクロソフト
・アマゾンドットコム

「MSCI-KOKUSAI(コクサイ)」は、日本を除く先進国の株価に連動するよう設計された指数です。「トピックス」や「S&P500」と違い、1つの国ではなく複数の国を参照します。

同指数が参照する銘柄は全世界の1,285銘柄にも及びます。1本で、先進国全体を幅広くカバーできるでしょう。

ただし、アメリカの金融市場はとても大きく、同指数でも7割以上がアメリカの株式で構成されています。先進国全体へ投資するといってもアメリカの株式の影響が大きくなるので注意しましょう。

「上場インデックスファンド 海外新興国株式」 東アジア中心に投資

参照指数 投資地域 投資上位3銘柄
(2021年3月31日時点)
MSCI エマージング 新興国
※中国(34.95%)
台湾(14.68%)
韓国(13.84%)
・台湾セミコンダクターMFG
・テンセント
・アリババグループ

「MSCI エマージング」は複数の新興国の銘柄で構成される株価指数です。構成国は中国や台湾、韓国など東アジアの国々の比率が高くなっています。

投資上位の株を見てみると、台湾の「台湾セミコンダクターMFG」、中国の「テンセント」や「アリババ」が並び、4位には韓国の「サムスン電子」が入っています。東アジアを代表するハイテク株の比率が高いですね。

上場インデックスファンド海外新興国株式ETFは、東アジアのハイテク産業に投資したい方が選ぶ銘柄といえるでしょう。

「上場インデックスファンド 世界株式」 世界中の株式に投資

参照指数 投資地域 投資上位3銘柄
(2021年3月31日時点)
MSCI ACWI ex Japan 世界
※アメリカ(61.84%)
中国(55.28%)
イギリス(4.03%)
・アップル
・マイクロソフト
・アマゾンドットコム

「MSCI ACWI ex Japan」指数は、日本を除く全世界の銘柄で構成される株価指数です。7本のETFの中で、最も分散投資されている銘柄といえます。

全世界の株式とはいえ、やはりアメリカの影響が大きいですね。上位3位まで、アメリカのハイテク企業が独占しています。

投資地域の2位には、イギリスを押さえて中国が入っています。アメリカの影響は大きいですが、ある程度は分散効果も期待できそうです。

【7本すべてが株式100% 比較的リスクは高め】
つみたてNISA対象ETFは、7本すべてが株式100%で運用されます。リスクの低い債券などには投資していません。

株式は比較的リスクが大きい資産なので、これらのETFも比較的リスクが大きくなります。

リスクを下げたい場合、通常の投資信託の中から債券にも投資する銘柄を選ぶとよいでしょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

ETFと「投資信託」の保有コスト比較

ここで、つみたてNISA対象のETFと同じ指数に連動する投資信託(インデックスファンド)を比較してみましょう。

以下の表は、中央に株価指数を、左側にその指数に連動するつみたてNISA対象の投資信託を、右側に同じくその指数に連動するつみたてNISA対象ETFをまとめたものです。

投資信託は、その株価指数に連動する銘柄のうち、最も信託報酬が安いものにしています。比較してみるとそう大差ないことがわかります。中には投資信託の方が安いものもありますね。

投資信託 対象指数 ETF
0.154%
(eMAXIS Slim国内株式)
TOPIX 0.121%
0.154%
(iFree日経225インデックス)
日経平均 0.176%
0.2145%
(ニッセイJPX日経400)
JPX400 0.198%
0.0938%
(SBIバンガードS&P500インデックス)
S&P500
(アメリカ株式)
0.165%
0%
(野村スリーゼロ先進国株式投信)
MSCI-KOKUSAI
(日本を除く先進国株式)
0.264%
0.187%
(eMAXIS Slim新興国株式)
MSCIエマージング
(新興国株式)
0.264%
0.1144%
(eMAXIS Slim全世界株式)
MSCI AWCI ex JAPAN
(日本を除く全世界株式)
0.264%

つみたてNISA対象ETFの7本が連動する指数のうち、5本は投資信託のほうが安くなりました。ETFのほうが安くなったのは「トピックス」と「JPX400」だけです。

【ETFのほうが高い保有コストとなった指数】
・日経平均
・S&P500
・MSCI-KOKUSAI(日本を除く先進国株式)
・MSCIエマージング
・MSCI AWCI ex JAPAN(日本を除く全世界株式)

ETFはさらに売買の手数料がかかります。コスト面から考えれば、つみたてNISAは投資信託で利用したほうがよさそうです。

【つみたてNISAで買える投資信託は金融機関によって異なる】
つみたてNISAで買える投資信託は金融機関によって異なります。例えば上で紹介した「野村スリーゼロ先進国株式投信」は「野村證券」でしか買えません。

つみたてNISAで投資信託を買う場合、金融機関選びが大切です。基本的には取り扱いが多い金融機関を選択しましょう。

ちなみに、野村證券はつみたてNISAの取り扱いは全部で7本ですが、SBI証券は174本、楽天証券は172本の取り扱いがあります(2021年4月16日時点)。

つみたてNISAの取り扱いはネット証券で多い傾向があります。事前にチェックしてみましょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

先入観にとらわれず投資先を選ぶようにしよう

ETFには“保有コストが安い”というメリットがありますが、もともと保有コストが安い銘柄に限定されたつみたてNISAの中では、大きなメリットとはいえません。

むしろ取引手数料がかかってしまう分、投資信託の方が安いコストで運用できるでしょう。

つみたてNISAは、自分で運用する商品を選ばないといけません。「ETFだから良い」と思い込みで投資をするのではなく、投資信託との比較をしっかり行って投資先を選ぶようにしましょう。

若山卓也
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有
 

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