新型コロナウイルスの影響により、飲食店が危機に立たされています。しかし、そうした中でも売上を伸ばしているのが、「ケンタッキーフライドチキン」で有名な日本KFCホールディングスです。2020年5月13日、日本KFCホールディングスは4月の既存店の売上高が、2019年の同月に比べて33.1%増えたことを発表しました。

多くの飲食店同様に店内での飲食は中止していましたが、テイクアウト需要の伸びが売上増につながったとみられます。平常時もさることながら、こうした非常時にも多くの人々を引き付けるケンタッキー。ここでは、「ケンタッキーフライドチキン」の原価率と美味しさの秘密について、お肉屋さん視点で解説します。

ケンタッキーのメニューを確認

オリジナルチキン4ピースパック(写真=筆者撮影)

まず、ケンタッキーのメニューを確認します。メインといえるのが「オリジナルチキン」ですが、1ピース250円。2ピース490円、3ピース740円、4ピース980円と、本数が増えると微妙に安くなるシステムです。

その他、オリジナルチキンの4ピースパックでは、サイドメニューが2つついて1,290円。ポテト1つとビスケット1つで注文した場合、単品合計の1,460円に比較すると170円お得ということになります。

  • オリジナルチキン4ピースパック:1,290円
  • 単品の場合の合計金額
    オリジナルチキン4本:1,000円
    ポテト:230円
    ビスケット:230円
    合計:1,460円 このほかにも、ケンタランチやボックスメニューなど、サイドメニューもあわせた、さまざまなお得なメニューがあります。

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ケンタッキーの原価率は?

鶏肉(写真=筆者撮影)

それでは、ケンタッキーの原価率はどれくらいになるのでしょうか。ここからはお肉屋さんと考えてみます。オリジナルチキン1ピースの重さは約87グラム(以下g)。実際に売っているチキンは鶏肉1羽を9ピースにカットしています。これは手羽や足、あばらなどに切り分けられています。

鶏肉の原価はいくらなのか考えるために、業務用の鶏肉の価格をいくつかリサーチしてみました。下記の通り、かなりバラツキがあるようです。また、オリジナルチキンより少し重めの100gあたりの価格は100円前後となりました。
 

2kgの価格(円) 100g当たりの価格(円)
国産鶏むね肉 1,030 51.5
九州産親鶏 2,354 117.7
国産鶏肉手羽先 1,642 82.1

飲食店の原価率は30%程度が通常とされていますが、ケンタッキーの原価率はそれほど低くはありません。2016年のデータになりますが、同社の売上原価率は49.2%となっています。オリジナルチキンが1ピース250円なので、単純計算すると1ピース当たりの原価は123円になります。

上記の業務用鶏肉と比較しても高めであることがわかるでしょう。これは、100%国内産の鶏肉を使用するなど、徹底的な品質へのこだわりに由来するものと考えられます。オリジナルチキンは、指定農場において飼育された国内産ハーブ鶏のみを使用しています。

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